白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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囲碁と年齢

2017年10月05日 23時53分24秒 | 囲碁について(文章中心)
皆様こんばんは。
本日は立葵杯予選で、杉内寿子八段(90)対上野愛咲美初段(15)というカードが実現しました。
両者の年齢差、なんと75歳!
これがプロ同士の対局として成立するというのも、凄い話ですね。
内容としても、新進気鋭の若手を相手に堂々と戦っています。
ぜひ幽玄の間で棋譜をご覧ください。

ちなみに、最高記録は昨年の杉内雅男九段(95)対大西竜平二段(15)の80歳差です。
ご夫婦揃って凄過ぎます・・・。
なお、こちらに数年前の杉内八段のインタビューが掲載されているので、ぜひご覧ください。

お2人の活躍により、碁は何歳になっても上達できるということに説得力が生まれています。
プロであるお2人でさえ、棋力を維持できているのですから・・・。
ましてやアマの皆様であれば、年齢を理由に上達を諦める必要はありません。
もちろん、年齢によって上達速度は異なりますが、〇歳になったら無理ということは無いのです。

多くの場合、上達が止まってしまう原因は正しく学べていないことにあります。
間違った方法でも、囲碁を続けていれば棋力自体は上がって行くのですが、どこかで限界が来てしまうのです。
そして、その方法に長年従っていると、今更変えたくないと思ってしまいがちです。
しかし、そこで勇気を出して正しい方法で取り組み直すことができれば、再び上達への道が開けます。

また、もう1つ重要なことは、自分は上達できると信じることです。
無理だと思いながら学ぶのでは意欲が湧きませんし、成果も得られません。
例えば、杉内九段はもっと強くなりたいから現役を続けていると仰っています。
杉内九段ほどの棋士でも、まだ自分は上達できると信じているのです。
これこそが今でも活躍を続けられている原動力なのでしょう。
アマの皆様にも、ぜひ自分を信じて頂きたいですね。