波と狛のつれづれ日記

日本スピッツ波と狛と、ときどき箔

名古屋城の虎と白黒茶々家の虎

2013-06-19 00:34:23 | お城
こんばんは、白黒茶々です。
愛知県にある名古屋城本丸御殿の第一期工事が完工し、先月の29日から一般公開が始まりました。 その建物は慶長20年(1615年)に建造され、昭和20年(1945年)の空襲で焼失するまで名古屋城の本丸にあった城主の住まいや接見等の場となったところで、徳川家の権威を象徴するようなきらびやかなたたずまいをしていました。その本丸御殿が写っている古写真があるので、お見せしますね。 じゃんっ (古い?)



明治以降に手を加えられ、屋根は瓦葺き、破風飾り(屋根の三角の部分)は白い塗りごめとなっていますけど、創建当初は薄い木の板を敷き詰めた柿(こけら)葺きの屋根と、黒漆塗りに金の装飾の破風だったそうです。 その当時の姿を再現しようと数年前から復元工事に入り、このたび全体の約3分の1ができあがったのです。私は当初「全部仕上がって見学者の数が落ち着くまで、待つことにするよ」のつもりでいました。ちなみに本丸御殿は平成30年(2018年)に完工する予定。 また御殿の復元に合わせて、その建物を飾る障壁画の模写もおこなわれてきました。狩野派の絵師が描いたその障壁画では、家康の好みで竹や虎がよくモチーフにされています。せっかくなので………



私の身近にある襖、竹、虎で、その様子を再現してみました。 さすがに本物の虎を連れてくるワケにはいかないので、我が家で虎に一番近い茶トラ猫の京で代用しておきましょう。いかがでしょうか?狩野派の絵っぽく見えるでしょうか?



しかしこの虎ちゃんは、竹が気になるみたいで、すぐにちゃいちゃいし始めました。 そのどさくさに紛れて、銀の虎も乱入してきましたし。こうなってしまうと、もう桃山文化がどうとか言っている場合ではありません。 やむを得ません、撤収
模写したばかりの障壁画は、金の背景の上に色鮮やかな顔料の絵が浮かび上がっていて、まばゆいでしょうね。 それに、できたばかりの御殿の建物からは、新築特有の木や畳の香りがするのでしょうし。う~む……… 私はオープン直後の大混雑をかなり懸念していたのですけど、新築の香りフェチの性分のほうが勝り、さらに「一部公開でも構わない (完工まで)待ちきれないから見に行くぞ」と決意するまでに至りました。 たつぴも着いていきたいって?いいですよ。箔母さんは?完工してからでいいのですか。

そして、名古屋城の本丸御殿の一部公開が始まってから11日後の今月9日に、私とたつぴは名古屋城に向かいました。 ちなみにその日箔母さんは、お留守番……… ではなく、同じ名古屋市内でもコミマ(コミックマーケット)がおこなわれている金城埠頭の国際展示場のほうに行くことになりました。
地下鉄の市役所駅で降り、地上に出て北側にぐるっと回っていくと………



お堀を隔てて、名古屋城の大天守が大迫力で迫ってきます。 このお城は、大坂の豊臣氏に備えて、徳川家康が西国の緒大名に命じて築かせました。ちなみに大天守は、本丸御殿と一緒に戦災で焼失してしまい、昭和34年(1959年)に外観のみ復元されました。さらにその西のほうには………



深井丸の西北隅櫓があります。こちらの建物は清州城の部材を多く用いて、慶長17年(1612年)に建てられました。ちなみに現在は、国の重要文化財に指定されています。



お城のあちこちに本丸御殿の公開をアピールするのぼりが掲げられていて、私の見たい欲を駆り立ててくれるのですけど、その前に………



二の丸東庭園で、名古屋おもてなし武将隊のパフォーマンスを観ておきましょう。 私たちは3年半前の浜松モザイカルチャー世界博の会場で初めて彼らと行き逢い、2年前の秋には豊臣秀吉の座談会に加わりました。その武将隊は最近、メンバーチェンジがあったそうですけど、どう変わったのかちょっと注目してみます。
最前列にいるひときわ目立つピンクの帽子にピンクの服の子供はノリがよくて、武将隊の方たちに「桃色坊や」と呼ばれて、たびたびネタにされていました。



徳川家康は、やや落ち着いた風貌をしていました。岡崎城のグレート家康公よりは、若いですね。



前田慶次(慶次郎)は、髪型からいって歌舞伎者ですね。 もちろん、キャラクターのほうもその路線をいっています。



豊臣秀吉は、こうなりました。代替わりして、ファンキーさやコテコテ感はやや弱まったものの、イケメン度は上がりました。



武将隊といったら、大半は甲冑を身に付けているのですけど、「今日から夏装束に変えたのぢゃ」の言葉の通り、身軽な身なりとなっていました。そのおかげで、演舞で飛び上がった際には本人たちも驚くほど上がってしまい、すぐに次の動作に入れませんでした。



そういえば、今回ははち丸君を見かけないと思っていたら、代わりにこのようなゆるキャラが闊歩していました。こちらは「しらっぴーな」といって、三河湾に浮かぶ篠島から来たそうです。



本命の本丸御殿が出てくるまで、前フリが長くなってしまいましたけど、もう少しお付き合いくださいませ。 本丸の石垣上にそびえ立つ東南隅櫓(現存、重要文化財)が見えてくると、いよいよといった感じがします。



しかし、本丸御殿の入場待ちの列が、本丸の外まで続いていました。 このときの待ち時間は30分とのこと。これから炎天下の時季を迎えても、テントや送風機が設けられているので、どうかご安心を。



先述した通り、本丸御殿は三期に分けて工事を進めていき、完成したところから順次公開していくことになっています。 今回見学できるのは、そのうちの玄関と表書院の部分です。ちなみに対面所や上台所などの第二期部分は2016年、上洛殿や湯殿書院などの第三期部分は2018年に完成する予定です。



とかなんとか言っているうちに、その本丸御殿が見えてきましたよ 白木の柱や、飾金具を施した黒漆塗の破風がまばゆいです。そうしたら、いよいよその内部に入りますよ。皆さん、心の準備はいいですか?



私の期待通り、入ったとたんに木や畳の香りがしてきましたよ。 復元に際しては材料にもこだわり、木曽産の桧をふんだんに使っています。それにしても、部屋の写真を撮る人たちが、廊下にずら~っと並んでいる光景がなんともいえませんね。 こちらの建物は、ストロボを焚かなければ撮影してもいいことになっているのですよ。



その順路に入ってすぐのところには、かつての本丸御殿を飾っていた「竹林豹虎図」が展示されていました。「あっ、京ちゃだ 」そうは言ってみたものの、「どう見ても、京ちゃじゃないよ」というたつぴの突っ込みの通り、大きさといい迫力といい、彼女ではありませんでした。 当時の絵師は虎を見たことがなかったので、その姿を伝え聞いて描いたそうです。そのワリには本物に近いのですね。惜しむらくは、豹を虎のメスと勘違いしているトコです。この襖絵は、戦時中に本丸御殿から外し、城内の倉庫に保管しておいたおかげで焼失から免れ、現在は国の重要文化財に指定されています。名古屋の河村市長は当初は「完成した御殿に、かつて使っていた襖をはめ込みたい」と言っていたのですけど、そうすると貴重な文化財を傷める恐れがあります。しかし、市長はなかなかあとには引きません。議論した結果、時期限定でパネルに入れて展示することで折り合いがついたそうです。その期限というが、この日までだったのです。本丸御殿の内部でこのような重要な襖絵を間近で見たり写真に撮ったりできる機会はおそらく二度とないので、貴重な体験をすることができました。



といったところで、そろそろ御殿の部屋のほうに目を移すことにしましょう。まずこちらは、玄関一之間です。後方に床や棚、帳台等が設けられていて、格式が高いですね。それに、左側に色鮮やかに甦った竹林豹虎図がありますし。



その隣の部屋は、玄関二之間です。こちらにも、竹や虎がたくさん描かれていますね。



今度は、表書院をご案内いたします。 こちらの三之間は、障壁画のテーマが先程とはがらりと変わり、梅や何かの動物が描かれています。それに、奥行きがあって広そうです。
※実際には39畳あります。(編集部注)



三之間の先は二之間と続き、こちらの一之間に至ります。一之間は表書院のなかでも格式が高く、奥に上段之間が設けられています。せっかくなので、そちらのほうにも回りますね。



華麗な花鳥画や床、清楼棚、付書院、帳台構だけではなく、天井は折り上げ小組格天井となっていて、全体的に豪華な造りとなっております。



また、工事現場の見学用通路からは、本丸御殿の第二期工事の様子を見ることができます。 そちらのほうにカメラを向けると………



工事中しか見ることができない、太い柱や梁の様子を観察することができます。それから、先ほど見た表書院は完成してはいるものの、まだ素屋根の中にすっぽりと納まっていますね。



本丸御殿を見終わったら、お昼にしましょう ちなみに私たちが城内のお食事処で注文したのは、名古屋名物のきしめん。そいつをざるでいただきます。もちろん、ツルッとさっぱりしていて、美味しかったですよ。



あとは、大天守のほうにも入っておきましょう。真下から見ると、大迫力ですね。 こちらの建物は、復元されたお城のなかでも最大級の大きさで、高さのほうは建物だけで36、1mもあります。



入ってすぐの地下1階には、実物大の金の鯱ほこがあります。金鯱を掲げた天守を持つ徳川家のお城は、江戸時代を通しても名古屋城だけとなり、名古屋の人々にとっては、誇りでした。



最上階からは、名古屋市内だけではなく、近隣の街並みや遠くの山々など臨むことができます。さらに、建設工事中の本丸御殿の様子も……… って、露天に出てきた部分は死角になっていて見えませんよ。 それに、小天守が御殿の素屋根に囲まれていて、なんか肩身が狭そうですし。



名古屋城の本丸御殿は、全体からするとほんの一部の公開なのに、私が思っていた以上に見応えがありました。なのに、さらに工事と公開部分が広がっていくなんて、これから先も楽しみです。先述したように、全体が整うのは5年先なのですけど、私は待ちきれなくて再び行ってしまうかも知れません。もしそうなったら、また当箔日記に見学レポートを載せることになると思うので、その際には「やっぱりな~ 」と思いつつお読みくださいませ。


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2 コメント

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どちらも虎さん? (けいママ)
2013-06-19 22:41:56
本丸御殿、行って来られましたか^^
なかなか見ごたえがあったようですね!

先日用事で名古屋に行ったときに初めて名古屋城に行った私ですが、また時間をとって行ってみたいです。

それにしても、白黒茶々城の虎さん?もなかなか絵になっていましたよ
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けいママさん♪ (白黒茶々)
2013-06-20 00:06:57
「完成するまではガマンガマン」なんて言っていたのですけど、堪え切れなくなって本丸御殿に行ってきてしまいました。 かなりのスケールだと想定していたのですけど、実際のものは私の期待以上で、見応えがありました。

けいママさんも最近、名古屋城に行かれたのですか。本丸御殿は見学待ちなどで少々時間を取られますけど、ぜひご覧くださいませ~

白黒茶々城の虎は自由自在に動くので、絵師、いや、現場監督は納得のいく絵が撮れるまで苦労させられました。
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