指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『続・女の警察』

2012年02月22日 | 映画
シリーズ1作目は見ていたが、これは見落としていた。
例によって銀座のクラブのスカウトマン兼用心棒篝正秋(かがり まさあき)小林旭の活躍を描くもの。
まだ、原作が梶山季之になっている。

銀座のクラブの女をめぐる話で、女の誘拐、密輸酒等をやっているヤクザ者の戸上城太郎、ヤメ検の山田禅二(この二人は戦前からの日活の役者だったが、貫禄のある面構えが良い)らの悪と戦うもの。
だが、このシリーズは、よく見るとアクション映画のようだが、実は女性が多数出てくる「コスチューム・プレイ」である。
『大奥』や『徳川の女たち』のような、帝劇でやる芝居とよく似ている。
こうしたコスチューム・プレイに重要なのは、美人女優と高価な着物である。
当時の日活にはいなかったので、前作に続き牧紀子と小山明子。
それに名はわからないが台湾の女優、さらに長谷川照子や小山ルミらも。

それにしても、この時代までは、大型クラブには、女性が沢山いたのだろう。
理由は二つあり、女性の人件費が安かったことと、女性の就職先があまりなかったことである。
このことは、明治時代からあり、北村透谷は、遊郭の女性との間にしか、日本では自由恋愛は存在しない、と言っていたと思う。
今や、自由恋愛も援助交際もなんでもありの時代だが、1970年代のこの頃までは、日本では女性の自立は結構難しいことだったことがよく分かる。
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