GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

GetUpEnglishについて

毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2024 Uesugi Hayato(上杉隼人)

How to Translate the Parts Written in Italics

2024-02-14 06:18:46 | 翻訳術
 英日翻訳をしていて悩むことのひとつに、「原文はイタリック体で記されている部分をどう日本語で表記したらよいか」ということがある。
 基本的にはイタリック体で記された語や表現に相当する部分を「太字にする」「傍点を打つ」といった処理をすればよい。
 だた、それがあまり効果的でないと思えることもある。
 その場合は、原著者がどうしてその部分をイタリックで表記しているか考えてみることだ。わたしは日常英語を書くことが非常に多いが、強調したい部分はイタリックで表記するようにしている。
つまり、英語を書く場合、その部分を強調したい、その部分に気持ちを込めたいからイタリックにしている。
 なので、その場合は、そのイタリックの部分に相当する部分を、少しドラマチックな日本語にしたらどうだろうか?

 現在、鋭意翻訳中で、ようやく第1稿ができあがりつつある、Douglas Wolk, All of the Marvels: An Amazing Voyage into Marvel’s Universe and 27,000 Superhero Comics(2022)に、次の表現があった。

And as I dug through my long white cardboard bins for yellowed copies of Marvel Super-Heroes and Tales to Astonish, I realized: This is why I kept these. This is my payoff for scouring discount piles for back issues and hauling them from house to house, for never selling them off or throwing them out. Reading this stuff is fun for me, and going back to the old comics keeps my past alive in my mind, but what I like best is sharing them— and getting to share them with my kid is exactly the thing I always wanted.

このexactly the thing I always wantedをどう訳したらいいだろうか?

 細長い白いダンボール箱の中から表紙の黄ばんだ『マーベル・スーパーヒーローズ』やテイルズ・トゥ・アストニッシュ』の古い号を掘り起こしていたら、わかった。だからわたしがこの何冊ものコミックをずっと手放さずにいるのだ。昔のコミックを特売コーナーで探し回り、手に入れたものは家を引っ越ししても決して売り払ったり捨てたりせずに手元に残してきたご褒美のようなものを、今ここで手にしている。昔のコミックを読み漁るのは楽しいし、1冊1冊を読み直すことで昔のことが思い出される。だが、いちばんうれしいのは、こうしてずっと所持してきたものを誰かと共有できることだ。そしてそれをわが子と共有できるのだから、感無量だ

「感無量だ」と少し目を引く言い方をすることで、語り手のいちばん望んでいた喜びの気持ちが表現できるように思う。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする