【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「アース」:東雲一丁目バス停付近の会話

2008-01-02 | ★東16系統(東京駅~ビッグサイト)

なんだ、このカラフルな外壁は。
ウットリするわねえ、この虹のような色彩・・・。
しかし、何で虹なんだ?
自然を大切にしろっていうメッセージをこめているのかしら。
うーん、いくら自然環境問題がブームになっているからって、それは考えすぎだろう。
でも、映画の「アース」だって、明らかに、テレビの「どうぶつ奇想天外」の映画版に過ぎない印象なのに、地球環境を大切にしようっていうメッセージがこめられているって大評判よ。「地球環境」が2008年の流行語大賞になること間違いないわ。
なんだ、もう2008年の流行語大賞の話か。ずいぶん気が早いね。化粧が終わるのは遅いくせに。
そう、この年齢になるとお化粧の乗りが悪くてねえ・・・て、そういう話しているんじゃないでしょ。
とにかく、この映画は、地球の大自然の姿を北極から南極まで追っかけているんだから、誰だって地球の営みに思いを巡らさざるを得ない。
でも、それは「どうぶつ奇想天外」だって同じことで、いまさら地球って生物の宝庫だったんだ、なんて証文の出し遅れみたいなこと言わないで、毎週「どうぶつ奇想天外」を見なさい、って思うのよ、私は。
しかし、「どうぶつ奇想天外」を見てるのは、女こどもばかりで、俺たち一般人にとっちゃこういう壮大な映像は始めてだぜ。
それは認識が逆よ。「どうぶつ奇想天外」を見ているのが一般人で、見ていないのは、あなたみたいな大河ドラマ好きの野暮な男だけよ。
どうせ、俺は風林火山よ。
それ、去年で終わってるし。
知ってるよ。今年は「篤姫」だろ。宮崎あおいちゃん、カワイイ
わけわかんない。あなたのような男と会話しているくらいなら、美しい自然の姿でも見ていたほうが、何倍もいいかもね。
だろ?映画館のイスに腰掛けて大スクリーンに繰り広げられる生命の記録を美しいベルリン・フィルの音楽を伴奏に見入る。これはもう、テレビでは感じることのできない体験だ。ゴタゴタ理屈こねていないで、流氷の白熊とか、象の群れとか、魚の大群とか、クジラの姿とか、スクリーンに映るものをそのまま受け入れりゃあいいのさ。
それも一理あるわね。でも、美しい映像ばかりで、そこに潜む残酷なシーンは避けて編集してあるように見えるのは私だけ?
それこそ、こどもたちに配慮しているんじゃないのか。
そうかなあ。こどもたちにこそ、自然の本当の姿を教えるべきなんじゃないの?美しさも醜さも含めて自然なんだから。「どうぶつ奇想天外」なんて、自然界の残酷な姿を結構取り上げているわよ。
うーん、やたら「どうぶつ奇想天外」の肩、持つねえ。そんなことより、少しはこれだけ貴重な瞬間を捕らえたスタッフの根気と情熱を称えたらどうなんだ?
だから、それは「どうぶつ奇想天外」のスタッフだって一緒だって言ってるの。
じゃあ、お前はこの映画を観ることを子どもたちには薦めないのか。
薦めるわよ。地球の自然や生物たちが空にかかる虹のようにはかなく消えてしまう前に、その貴重さを実感してもらうためにね。
あのマンションの虹色ははかなく消えたりしないと思うけどな。
「地球環境」も、流行語になってはかなく消えたりしないでほしいけどね、本音は。


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ふたりが乗ったのは、都バス<東16系統>
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