ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「ウェストール短編集--遠い日の呼び声」「サーカスの夜に」

2015-04-17 20:32:33 | 
「ウェストール短編集--遠い日の呼び声」 ロバート・ウェストール 徳間書店 2014.11.30

訳 野沢佳織

ウェストールと言えば、「かかし」「"機関銃要塞"の少年たち」「海辺の王国」など沢山の作品が思い浮かぶ。
それぞれストーリー的な詳細は忘れたが、
 中でも「かかし」の、ゾっとするようなスゴさは、心に焼き付いている。
 金原瑞人さんの訳も素晴らしい。

この短編集の9作も、実に良かった。


「サーカスの夜に」 小川糸 新潮社 2015.1.30

離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。
身体の成長ができない病気になった少年は、忘れないその不思議な世界の一員となることを目指す。

入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。
クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、捨てられたような材料で美味しい料理を作るコック。
少年は、綱渡りを選び、学んでゆく。

コックがいつも繰り返すセリフ…

「食べ物は争いの元になる。みんな、腹を空かせるから、腹立たしくなるんだ。
 ハングリーとアングリーは、根っこでは繋がっている。すべての戦争も、もとをただせば空腹が原因さ。
でも逆にいえば、腹さえ満たされていれば、いざこざは起きない。おなかがいっぱいだったら、
人はそれだけで幸せになれる」

ローズの語りも印象に残った。

「ほんと、人を笑わせるってことは、人を傷つけたり哀しませることより、百倍も千倍も難しいわ。
人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの。孤独を知っているからこそ、
 みんなでバカ笑いできる幸せをありがたく思えるのよ」
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