「ウェストール短編集--遠い日の呼び声」 ロバート・ウェストール 徳間書店 2014.11.30
訳 野沢佳織
ウェストールと言えば、「かかし」「"機関銃要塞"の少年たち」「海辺の王国」など沢山の作品が思い浮かぶ。
それぞれストーリー的な詳細は忘れたが、
中でも「かかし」の、ゾっとするようなスゴさは、心に焼き付いている。
金原瑞人さんの訳も素晴らしい。
この短編集の9作も、実に良かった。
「サーカスの夜に」 小川糸 新潮社 2015.1.30
離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。
身体の成長ができない病気になった少年は、忘れないその不思議な世界の一員となることを目指す。
入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。
クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、捨てられたような材料で美味しい料理を作るコック。
少年は、綱渡りを選び、学んでゆく。
コックがいつも繰り返すセリフ…
「食べ物は争いの元になる。みんな、腹を空かせるから、腹立たしくなるんだ。
ハングリーとアングリーは、根っこでは繋がっている。すべての戦争も、もとをただせば空腹が原因さ。
でも逆にいえば、腹さえ満たされていれば、いざこざは起きない。おなかがいっぱいだったら、
人はそれだけで幸せになれる」
ローズの語りも印象に残った。
「ほんと、人を笑わせるってことは、人を傷つけたり哀しませることより、百倍も千倍も難しいわ。
人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの。孤独を知っているからこそ、
みんなでバカ笑いできる幸せをありがたく思えるのよ」
訳 野沢佳織
ウェストールと言えば、「かかし」「"機関銃要塞"の少年たち」「海辺の王国」など沢山の作品が思い浮かぶ。
それぞれストーリー的な詳細は忘れたが、
中でも「かかし」の、ゾっとするようなスゴさは、心に焼き付いている。
金原瑞人さんの訳も素晴らしい。
この短編集の9作も、実に良かった。
「サーカスの夜に」 小川糸 新潮社 2015.1.30
離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。
身体の成長ができない病気になった少年は、忘れないその不思議な世界の一員となることを目指す。
入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。
クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、捨てられたような材料で美味しい料理を作るコック。
少年は、綱渡りを選び、学んでゆく。
コックがいつも繰り返すセリフ…
「食べ物は争いの元になる。みんな、腹を空かせるから、腹立たしくなるんだ。
ハングリーとアングリーは、根っこでは繋がっている。すべての戦争も、もとをただせば空腹が原因さ。
でも逆にいえば、腹さえ満たされていれば、いざこざは起きない。おなかがいっぱいだったら、
人はそれだけで幸せになれる」
ローズの語りも印象に残った。
「ほんと、人を笑わせるってことは、人を傷つけたり哀しませることより、百倍も千倍も難しいわ。
人生の哀しみを知らなくちゃ、相手を笑わせることなんてできないもの。孤独を知っているからこそ、
みんなでバカ笑いできる幸せをありがたく思えるのよ」