ラテンアメリカで[s]音を表す文字は s, c, zだが、scとつづる場合もある。これが一番難しい。代表例は fascinarである。この言葉は、使用頻度も高い。「私は~が好き」は“A mí me gusta~”とまず習う。「大好き」なら、このあとに“mucho”をつければいいが、“gustar mucho”のかわりによく“fascinar”(魅惑する)を使って、“A mí me fascina~”という。“fascina”の発音はラテンアメリカでは[fasína]となる。スペイン本国では[fasθína]と[θ]音が入る。辞書にはこうなっているが、実際はどうなのだろうか。[sθ]と連続して発音するのはかなり面倒である。
それはともかく、ラテンアメリカでは[fasína]と発音されるのであるから、“fasina”または“facina”とつづってしまうのである。Facebookでちゃんと“fascina”と書かれているのは珍しいような気がする。間違ったつづりばかり目にしているような印象である。
スタンダード曲の“Fascination”(邦題「魅惑のワルツ」、美空ひばりのバージョンが何かのコマーシャルで使われている)や“Fascinating Rhythm”のタイトルを注意して見る音楽好きの日本人なら“fascina”のつづりは間違えないと思うのだが。
そういえば、2012年11月14日の記事で、Sでつづるか、Cでつづるか、迷ったらCで書くという鉄則(?)について書いたが、“fascina”だけはこの鉄則が当てはまらないのである。
【参考】http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=e71b8952d2d27fe0e59feba67316a1c1
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そういえば、2012年11月14日の記事で、Sでつづるか、Cでつづるか、迷ったらCで書くという鉄則(?)について書いたが、“fascina”だけはこの鉄則が当てはまらないのである。
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