スパニッシュ・オデッセイ

スペイン語のトリビア
コスタリカ、メキシコ、ペルーのエピソード
パプア・ニューギニア、シンガポールのエピソード等

ネイティブ・スピーカーによるスペイン語の誤用(3)“Fascination”「魅惑のワルツ」

2013-06-28 11:25:16 | スペイン語
  ラテンアメリカで[s]音を表す文字は s, c, zだが、scとつづる場合もある。これが一番難しい。代表例は fascinarである。この言葉は、使用頻度も高い。「私は~が好き」は“A mí me gusta~”とまず習う。「大好き」なら、このあとに“mucho”をつければいいが、“gustar mucho”のかわりによく“fascinar”(魅惑する)を使って、“A mí me fascina~”という。“fascina”の発音はラテンアメリカでは[fasína]となる。スペイン本国では[fasθína]と[θ]音が入る。辞書にはこうなっているが、実際はどうなのだろうか。[sθ]と連続して発音するのはかなり面倒である。
 それはともかく、ラテンアメリカでは[fasína]と発音されるのであるから、“fasina”または“facina”とつづってしまうのである。Facebookでちゃんと“fascina”と書かれているのは珍しいような気がする。間違ったつづりばかり目にしているような印象である。
 スタンダード曲の“Fascination”(邦題「魅惑のワルツ」、美空ひばりのバージョンが何かのコマーシャルで使われている)や“Fascinating Rhythm”のタイトルを注意して見る音楽好きの日本人なら“fascina”のつづりは間違えないと思うのだが。
 そういえば、2012年11月14日の記事で、Sでつづるか、Cでつづるか、迷ったらCで書くという鉄則(?)について書いたが、“fascina”だけはこの鉄則が当てはまらないのである。
【参考】http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=e71b8952d2d27fe0e59feba67316a1c1
 「へえ~」の方は下のクリック、お願いします。

スペイン語 ブログランキングへ

『スペイン語とともに考える 英語のラテン語彙の世界』(開拓社:言語・文化選書36)好評発売中。Amazonでも入手可。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  ネイティブ・スピーカーによ... | トップ | ネイティブ・スピーカーによ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

スペイン語」カテゴリの最新記事