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元横浜大洋ホエールズのポンセ選手(1)

2018-02-28 17:18:49 | 名前
  ミャーン選手が大洋ホエールズで活躍したのは1978年から80年にかけてであったが、1985年から90年にかけて横浜大洋ホエールズで活躍したのはポンセ選手である。「カルロス・ポンセ」の名前で登録されていた。ポンセ選手は『スーパーマリオブラザーズ』のマリオに似ていたので、「マリオ」と呼ばれ、ファンに親しまれていた。

ポンセ選手、フルネームは「カルロス・アントニオ・ポンセ・ディアス」(Carlos Antonio Ponce Díaz)。ミャーン選手と同じく、プエルトリコの出身である。
 
ポンセ選手の個人名は Carlos Antonio、父の父姓は Ponce、母の父姓は Díaz である。
 個人名の Carlos も Antonio もごくごくありふれた名前である。母の父姓の Díaz もよくある姓で、この姓を持つプロ野球選手もいたかと思う。
 それでは、父の父姓の Ponce に入ろう。“Historia Apellidos”によると、Ponce はスペインでは211位にランクインしている。あまり多くはなくても、珍しくはない。Ponce Ponce さんはスペインに279人いる。世界的な分布では、絶対数でメキシコ、人口比ではホンジュラスに多い。
 Ponce の意味は何だろうと思って、『西和中辞典』を調べてみたが、出てこない。
 “Mis Apellidos.com”というサイトで、Ponce を調べてみると、概略次のようなことであった。
 フランス起源で、貴族的な姓であるとのこと。Poncelet(ポンスレ)という貴族に由来するらしい。
 
 【某 Ponce 家の紋章。“Plusesmas.com”より。紋章は盾型の部分のみ。周囲はいうなれば額縁】
 そういうことなら、フランス語辞典も見なければならない。ponce も poncelet もあった。ponce は普通名詞「軽石、色粉」等の意味で、poncelet は物理学用語で、「仕事率の単位(毎秒100キログラム・メートル)」とのこと。
 仕事率といってもよくわからないので、ウィキペディア「ポンスレ」に当たってみた。以下に引用する。

 ポンスレ(poncelet、記号:p、pq)は、かつてフランスで用いられた仕事率の単位である。その名前はジャン=ヴィクトル・ポンスレ(Jean-Victor Poncelet)に由来する。
 1ポンスレは、1秒間につき1キンタル(= 100キログラム)の重量を1メートル持ち上げるときの仕事率(100 kgf·m/s)と定義されている。

 Jean-Victor Poncelet さんはポンセ選手の遠い親戚にでもなるのだろうか。
 ついでながら、手元のフランス語辞典には Ponce Pilate という項目もある。これは「ポンティウス・ピラト」(西 Pontio Pilato)のことで、イエスの処刑を許可したローマのユダヤ総督である。敬虔なキリスト教徒の間では悪名高き人物である。しかし、これはスペインの Ponce さんとは関係あるまい。関係があったら大変である。

 
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