道元禅師「弁道法」に曰く、
「動静大衆(どうじょうだいしゅ)に一如し、群を抜けて益なし」
とのお示しがあります。
「動静大衆に一如」とは、大衆の皆さんが休むなら、その時は
同じように休み、起きる時は同じように起きる。
すべての生活が一つに成るということです。
「群を抜けて益なし」とは、特別なことをしてもなんの益も
ありませんよと、お示しに成って居られます。
しかし、それを正直に受け取ってしまって、「みんなが寝るから
もういっしょに寝よう。みんなが休むから一緒に休もう」
としている人があったならば、少し考えて頂かなければならない
ことがあります。
道元禅師が中国でご修行なさった様子は「三年間、脇席つけず
(横になって寝ない)」そして、「隣に坐っている人の顔を
見たことがない」ということを言って居られます。
そこに大変な「矛盾」を感じて頂かなければなりません。