人間(にんげん)には、「六根(眼・耳・鼻・舌・身・意 ”心”)という働きがあります。
私たち衆生は訓練して物が見えたり、聞こえたりするようになったのではありません。
生まれながらにして物が見え、聞こえ、味わい、匂いを嗅ぐことが出来ます。
そういう霊妙な働きを「不思議」といいます。
「不思議」というのは、人の考えの及ばない働きを持っているという事です。
その働きのままにしておけばよいのに「意(心)」だけが往々として別になるものなのです。
ですからそこで「不安だから安心したい、不明瞭だから明瞭にしたい」と、様々な考えが浮かんできます。
実は不安は「安心しなければならない」という迷いから生じるのです。
つまりおシャカ様の考えでは様々な結果として、現在の不安があるのです。
ですから、不安に「安心してとどまること(不安のままに手を加えなければ)」が出来れば「真に不安が解消されるのです」とお示しになっております。