猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

今年映画館で観た映画

2022-12-30 21:30:31 | 日記
今年映画館で観た映画、おもしろかった順に。

1) ただ悪より救いたまえ(韓国)
2) 男たちの挽歌(香港)
3) 愛する人に伝える言葉(フランス)
4) 不都合な理想の夫婦(イギリス)
5) 冬薔薇(日本)
6) ナイル殺人事件(イギリス・アメリカ)
7) さかなのこ(日本)
8) ライダーズ・オブ・ジャスティス(デンマーク・スウェーデン・フィン
ランド)
9) 窓辺にて(日本)
10) L.A.コールドケース(アメリカ・イギリス)
11) ベイビー・ブローカー(韓国)
12) 峠 最後のサムライ(日本)
13) アネット(フランス・ドイツ・ベルギー・日本)

皆様、今年も私のブログに訪問してくださってありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。良いお年をお過ごしください。


寒いベル。




















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フレンジー

2022-12-26 22:34:36 | 日記
1972年のイギリス・アメリカ合作映画「フレンジー」。

ロンドン、テムズ川沿いの街では、ネクタイで女性を絞め殺す殺人事件が続
いていた。その頃、リチャード・ブレイニー(ジョン・フィンチ)は勤め先の
バーをクビになり、友人のロバート・ラスク(バリー・フォスター)のところ
にやって来た。それから2年前に離婚したブレンダ(バーバラ・リー・ハン
ト)の経営する結婚相談所に来て金を貸してくれと言い、口論になる。翌日
ブレンダがネクタイ殺人の犠牲者になったことから、ブレイニーが容疑者と
して追われることになる。

アルフレッド・ヒッチコック監督が久々に故郷のイギリスに戻って作ったサ
スペンス映画。ロンドンでは女性をネクタイで絞め殺す殺人事件が続き、人
々の話題をさらっていた。かつて空軍で英雄だったが今はうらぶれた生活を
送っているブレイニーは、離婚した妻のブレンダが絞殺される直前に会って
いたため、ネクタイ連続殺人の容疑者として追われることとなる。しかし真
犯人はブレイニーの友人のラスクだった。ブレイニーが逃亡を続ける間もラ
スクは犯行を重ね、自分の罪をブレイニーに着せようとする。
最初から犯人がわかっているタイプのサスペンスだが、おもしろかった。冴
えない風体で感情的になりやすく、いかにも殺人を犯しそうなブレイニーだ
が、真犯人のラスクは裕福でいつもスーツを着ているという対比がまずいい。
しかしラスクはブロンドなのだが、普通ブロンドってきれいな感じがするが、
ラスクのブロンドは何だかうっとおしくて、顔も脂ぎっていて不快な印象だ。
観ている側は犯人ということを知っているので先入観が入ってしまうのかも
しれないが。そしてラスクは変質者だ。ブレイニーの元妻が経営する結婚相
談所にも何度か行っていて、好みの女性のタイプを言うが、秘書に「ご期待
に添えるような女性はいません」と断られてしまう。
殺された女性たちの死に顔や、死後硬直が始まっている指をポキポキ折るシ
ーンなど、ヒッチコック作品にしてはちょっと残酷なシーンが多い。それを
マイルドにするためかユーモラスなシーンもある。捜査を担当している警部
の妻がフランス料理教室に通っていて、いろんなフランス料理を作るのだが、
それがとてもまずそうなのだ。警部もジーッと見て微妙な顔をしている。必
死に食べるのだが妻が見ていない隙にお皿の料理を鍋に戻したりするのが笑
える。私もあの妻の料理は食べたくないと思った。それにしても警部があん
なに捜査状況を妻にベラベラとしゃべっていいものだろうか。この夫婦のシ
ーンはおもしろい。
ヒッチコックらしく、サスペンスフルな演出もいい。ある女性が殺された時、
殺人シーンを見せずに、アパートの階段を少しずつ下がって街中へと引いて
いく長回しのカメラワークは秀逸だと思った。何が起きているのか充分想像
できるからだ。ラスクが死体をじゃが芋の袋に入れ、じゃが芋を運ぶトラッ
クに放り投げるが、その後ネクタイピン(?)を死体に握られたままになって
いるのに気づき、トラックに飛び乗って必死で捜すシーンもスリリング。さ
すがヒッチコックという感じで、とてもおもしろかった。ラストがあっけな
いのも良かった。


良かったらこちらもどうぞ。アルフレッド・ヒッチコック監督作品です。
サイコ

マーニー
私は告白する
見知らぬ乗客



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帰れない二人

2022-12-22 21:56:43 | 日記
2018年の中国・フランス合作映画「帰れない二人」。

2001年、山西省の都市・大同(ダートン)。チャオ(チャオ・タオ)はヤクザ者の
恋人・ビン(リャオ・ファン)と共に彼女らなりの幸せを夢見ていた。ある日、ビ
ンは路上でチンピラに囲まれ襲われるが、チャオが空に向けて発砲し一命をとり
とめる。5年後、出所したチャオは長江のほとりの古都・奉節(フォンジェ)へビ
ンを訪ねるが、彼には新たな恋人がいた。チャオは仕事があると聞いて新疆(シ
ンジャン)ウイグル自治区へ向かう。そして2017年がやってくる。

ジャ・ジャンクー監督による人間ドラマ。中国の激動の時代を生きた男女の18
年間を描いている。チャオとヤクザのビンは恋人同士。ビンは義侠心を重んじ、
仲間から一目置かれる存在だった。裏社会でのし上がろうとするビンをチャオ
は一途に愛し、ささやかな幸せを夢見ていた。だがある夜、チャオとビンの乗
った車がオートバイの若者たちに取り囲まれる。ビンは1人で大勢の相手をし、
ビンの命が危ないと思ったチャオは空に向けて発砲する。ビンは助かったが、
チャオは拳銃の不法所持で逮捕されてしまう。
チャオは取り調べで誰の拳銃かを何度も聞かれるが(もちろんビンの拳銃であ
る)、拳銃は拾って自分で持っていた、と言い、ビンをかばう。そして5年の服
役となる。5年後チャオは出所するが、1年服役して出所しているはずのビン
は迎えに来なかった。ビンは自分をかばって服役したチャオに、合わせる顔が
ないと思ったのだろうか。けれども先に出所して別の恋人を作っているのだか
ら、元々チャオのことを大して愛していなかったのだろうか、とも思う。チャ
オがビンを想っているほどにはビンはチャオを愛してはいなかったのかもしれ
ない。
チャオがとてもたくましい。さすがヤクザと付き合っていただけのことはある、
というか。船の中で同室だった女に財布を盗まれるのだが、後にその女を見つ
け出して返させたり、街中で結婚式が行われているところに、花嫁の友達のふ
りをしてちゃっかりごちそうを食べたり、男を脅して金を巻き上げたり。この
人はどんな境遇になっても生きていける人だな、と思った。そしてビンに新し
い恋人がいることを知ってからは、その土地を離れて仕事を探しにいくのであ
る。
そして月日は流れ、チャオは大同で雀荘の女主人になっていた。そんな時チャ
オはビンと再会するのだが、ビンは車椅子生活になっていた。酒の飲みすぎで
脳内出血を起こしたのだという。チャオはビンを病院に連れていったりと面倒
を見る。ビンは「何故俺を引き取ったのか」と聞くが、チャオは「あんたのこ
とはもう何とも思っていない。渡世の義理よ」と答える。果たしてそうだろう
か。チャオはずっとビンのことを想い続けていたのではないだろうか。ラスト
シーンでのチャオの表情がそんな気がするのだ。18年の間に変わっていくチ
ャオを演じたチャオ・タオの演技が素晴らしかった。


良かったらこちらもどうぞ。ジャ・ジャンクー監督作品です。
罪の手ざわり



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この子は邪悪

2022-12-17 22:53:29 | 日記
2022年の日本映画「この子は邪悪」。

心理療法室の院長・窪司朗(玉木宏)の一家は5年前に交通事故に遭い、司朗は
脚に障害が残り、妻(桜井ユキ)は植物状態になり、次女は顔に重度の火傷を負
い、長女の花(南沙良)は軽傷だったものの心に深い傷を抱えることとなった。
花はある時、母親が心神喪失状態で、その原因を探っているという高校生・四
井純(大西流星)と出会い、次第に心を通わせていく。そんなある日、花の母が
奇跡的に目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってくる。司朗や次女は久々の家族
団らんを喜ぶが、花は母にどこか違和感を覚える。

サスペンス映画だろうか、ホラー映画だろうか。設定に色々無理があるが、な
かなか不気味でおもしろかった。くぼ心理療法室の長女・花は高校生くらいの
年齢だが学校へは行っていない。花の家族は5年前に遊園地の帰りに交通事故
に遭い、花は軽傷で済んだものの、父の司朗は脚に障害が残り、母は植物状態
で眠ったまま入院しており、妹は顔に大火傷を負って、仮面をつけて暮らして
おり外には出ない。花は自分だけが軽傷だったことや、遊園地に行きたいと言
い出したのが自分だったため、自分がそう言わなければ…という罪悪感を持っ
ていた。事故当時司朗は「花は何も悪くないんだよ」と花を慰めていた。この
一家はとても仲が良かった。
花はある時自分と同じ年くらいの高校生・純と出会う。純は子供の頃花に会っ
たことがあると言う。花は思い出せなかったが、純はうさぎと一緒に遊んだと
言った。純の母は心神喪失状態で全く意志の疎通ができず、祖母と3人で暮ら
している。そして純はその街に母と同じような症状の人が何人もいることに気
づいており、彼らをデジカメで撮っていた。再び花と会った純は「僕と友達に
なって欲しい」と言う。この心神喪失状態の人たちが気持ち悪い。純の母は放
心状態でずっと水槽を眺めており、目が赤かった。他にもアパートの廊下をよ
つんばいで歩く人や、ベランダの柵をずっと舐めている人などがおり、本当に
不気味。
そんな時花の母が退院して家に戻ってきた。司朗は「奇跡が起きたんだよ。お
母さんが目を覚ましたんだ」と言った。皆で喜んで抱き合うが、5年も植物状
態だった人が目を覚ましたからといってリハビリもせずにすぐ退院できるもの
だろうかと思った。やがて花は母に違和感を覚える。何となく母じゃないよう
な感じがするのだ。それを司朗に言うが、「整形手術もしているし、ずっと寝
たきりだったからそんな気がするんだろう」と言う。でも料理は昔の母の味だ
し、昔の記憶もある。花はそのことを純にも言うが、純は「もしかしたら本当
のお母さんじゃないのかも」と言う。
純は自分の母があんな状態なので精神病に興味を持ち、ネットで色々調べてい
た。そして花の家族の事故についても調べたが、そこには「次女は死亡」と書
かれていた。それを知った花は司朗に言うが、ネットはあることないこと書く
んだよ、信用するものじゃないよ、と言う。純は花の母や妹は本物ではなくて、
本物だと司朗に洗脳されているのではないかという疑問を持つが、花は信じら
れない。しかし花と純は妹が死亡しているという証拠を掴んでしまう。
司朗の診察室にはうさぎがたくさん飼われていて、いつも花が世話をしている
のだが、そのうさぎたちが物語の大きなポイントになっている。真相がわかる
と本当にゾッとする。実際には有り得ないことなのだが。と言ってしまうと身
も蓋もないが。玉木宏の演技がすごい。マッドサイエンティストを熱演してい
る。ラスト近くでうさぎたちが花の家から逃げ出していくところもいい。果た
してあれはいい結果になるのか悪い結果になるのか。映画のタイトルの意味を
考えながら観ていたが、ラストシーンでなるほど、となる。突っ込みどころの
多い物語だが、私はこういう狂った映画は好きである。




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ステップファーザー 殺人鬼の棲む家

2022-12-13 22:00:04 | 日記
2009年のアメリカ映画「ステップファーザー 殺人鬼の棲む家」。

士官学校を卒業し、実家に戻ってきたマイケル(ペン・バッジリー)。そこには
母スーザン(セーラ・ウォード)や妹弟と共に、デヴィッド(ディラン・ウォル
シュ)という母の新しい恋人が同居していた。最初は彼に反感を抱いていたマ
イケルだったが、次第に打ち解けていく。ある日スーザンは近所の老婆から、
デヴィッドが一家殺害事件の指名手配犯に酷似していると指摘される。すると、
それを耳にしたデヴィッドは老婆を事故死と見せかけたように殺害する。その
後も変わらずに人当たりの良い継父を演じるデヴィッド。しかし、マイケルだ
けは彼の怪しさに気づき始め、素性を探っていく。

サイコ・サスペンス。冒頭から犯人はわかっているのでミステリーの要素はあ
まりないし、設定に突っ込みどころが満載なのだが、ハラハラしてまあまあお
もしろかった。離婚したスーザンは下の子供2人とスーパーで買い物をしてい
る時、デヴィッドという男と出会う。彼は事故で妻と娘を亡くしていた。意気
投合したスーザンとデヴィッドは交際を始める。しかしすぐに「6ヵ月後」と
出て、交際の過程はすっ飛ばしていつの間にか同居しているので、何だか単純
な物語だなと感じる。やがて長男のマイケルが士官学校から戻ってくるが、デ
ヴィッドが母と妹弟と仲良く暮らしているのを見て、不満を感じる。何も知ら
されていなかったのだ。
マイケルは初めは母の決断を受け入れがたく思うが、優しくて紳士的なデヴィ
ッドに次第に心を開いていく。しかしある日、次男が自室でゲームをしていた
時、スーザンが「もっと音を小さくして」と言ったにも関わらず、音を下げな
かったことにデヴィッドは怒り、次男に手を上げ、次男とマイケルはびっくり
する。デヴィッドに全幅の信頼を寄せていたスーザンもこれにはショックを受
け、2度と子供に手を上げないように言う。デヴィッドはひたすら謝るが、彼
はどうも気が短いようだ。その後、近所の老婆がスーザンにデヴィッドのこと
を一家殺害事件の指名手配犯に似ているから注意するようにと言うが、スーザ
ンは笑い飛ばす。しかしそれを聞いていたデヴィッドは老婆の家を訪れ、彼女
を階段から突き落として殺害する。
最初からデヴィッド(もちろん本名ではない)の犯行を見ているので、こういう
ことをしても驚きはしないが、だんだん本性を現していくという感じである。
老婆の死のことで警察が来ていた時、スーザンとデヴィッドのある会話を聞い
てマイケルはデヴィッドに不信感を持つ。それからマイケルはデヴィッドのこ
とが気になるようになるが、盲目的になっている母には何を言っても通じない。
とにかく登場人物が皆抜けている。デヴィッドにしても身分証明書を偽造して
いなかったり、死んだ娘(という設定)の名前を間違えたり、スーザンの元夫に
会ってあいさつをした時あることを言ってしまい、元夫に怪しまれたり。
マイケルにしてもデヴィッドの秘密を暴こうと恋人と一緒に行動するのはいい
が、もっと計画的にやらなくちゃ、という感じ。元夫もデヴィッドが嘘をつい
ていることを知ったものの、どうして1人で対決しようとするかなあ。皆が不
用心で考えが足りないのだ。ラストもこうなるだろうなあ、という予想通りの
ラストで、特にひねりもない。でもスリリングだったし、それなりにおもしろ
かった。




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