猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

夕霧花園

2022-03-31 22:24:00 | 日記
2019年のマレーシア映画「夕霧花園」。

1980年代、マレーシアで史上2人目の女性裁判官となったユンリン(シルヴィア・
チャン)は更なるキャリアアップを目指して奮闘していた。そんなある日、かつて
愛し合った日本人庭師・中村有朋(阿部寛)が日本軍のスパイだった疑いが浮上し、
彼の身の潔白を証明するためユンリンが調査に乗り出すことになった。戦後間もな
い頃、ユンリン(アンジェリカ・リー)は中村の元で、亡き妹が夢に描いていた日本
庭園を学んでいた。いつしか2人は愛し合うようになり、ユンリンは心の傷を癒や
されるようになる。彼女は戦争中、日本軍に強制労働をさせられ、妹は慰安婦にさ
せられていた。

マレーシアの作家タン・トゥアンエンの小説「The Garden of Evening mists」を
九月に降る風」などの台湾人監督トム・リンが映画化したラブストーリー。戦中
の1940年代、戦後の50年代、80年代の3つの時間軸で描き出す。80年代、ユンリ
ンはマレーシアで史上2人目の女性裁判官となっていた。ある日、かつて愛した日
本人庭師の中村有朋が、終戦時に日本軍が埋めたとされる埋蔵金にまつわるスパイ
疑惑をかけられていることを知り、彼の潔白を証明するため立ち上がる。ユンリン
は当時の友人だったフレデリック(ジュリアン・サンズ)の家を訪ね、中村に関する
資料を調べる。
ユンリンは亡き妹の夢だった日本庭園造りを目指し、マレーシアで活躍する日本人
庭師の中村の元を訪れる。彼は、現在造っている庭園"夕霧花園"で自分の見習いを
しながら庭造りを学ぶことを提案する。ユンリンは見習いとなり、強い信念を持っ
て庭造りに打ち込んでいく。そんな中、日本人に対して悲しみと憎しみを抱えるユ
ンリンだったが、どこかミステリアスで孤独な中村に惹かれていく。ユンリンの妹
は戦時中、日本軍によって慰安婦にさせられており、ユンリンは強制労働をさせら
れながらも妹に何もしてやれないことに胸を痛めていた。更にユンリンは見せしめ
として妹の目の前でひどい拷問を受ける。そしてユンリンは日本が敗戦の時、妹は
殺され、自分だけが助かったことでずっと自責の念に苛まれていた。
慰安婦を本当に日本軍が集めたのかは、今でもはっきりしないところである。求人
広告を見て自ら来た人や、親に売り飛ばされた人もいたのだと聞く。真実はもうわ
からないのかもしれない。けれども日本軍が捕虜を拷問したりしていたというのは
本当なのだろう。ただそれは日本軍に限ったことではなく、戦時下ではどこの軍隊
でも同じようなことをしていたのだと思う。本来なら対立するはずのユンリンと中
村は不思議と惹かれ合っていく。中村は庭師なのにどうして自分の体に入れ墨を彫
っているのかがわからなかった。何故そんな技術を持っているのか。そしてユンリ
ンの背中にも入れ墨を彫ることを勧めるのだが、これは後に大きな意味を持ってく
るのだ。
阿部寛のセリフは全編ほぼ英語なので、大変だっただろうなあと思う。トム・リン
監督は阿部寛の大ファンなためオファーしたとのこと。中村とユンリンが心を通わ
せていく過程がとてもいい。時には反発しながら、それでも2人は愛し合う運命だ
ったのだと思う。阿部寛の優し気な目とアンジェリカ・リーの意志の強そうな目が
印象的。ラストはとても感動的である。ユンリンの背中の入れ墨にあんな意味があ
ったとは。きっと中村は苦しんだのだと思う。ラブストーリーだがちょっとミステ
リーの要素もあって、重たい話だがおもしろかった。ジュリアン・サンズがすごく
ハゲていてびっくりした。




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デッド・サイレンス

2022-03-27 22:00:09 | 日記
ある日の夜、ジェイミー・アーシェン(ライアン・クワンテン)と妻リサ(ローラ
・レーガン)の元に差出人不明の包みが送られる。中には腹話術の人形が入って
いたが、夫婦には全く心当たりがなかった。その後外出したジェイミーが帰宅す
ると、リサが舌を切り取られて殺害されていた。人形が入っていた箱を調べると、
そこには「レイブンズ・フェアのメアリー・ショウとビリー」と記されていた。
レイブンズ・フェアはジェイミーとリサの故郷だった。ジェイミーは事件の捜査
を担当するリプトン刑事(ドニー・ウォールバーグ)から容疑者としてマークされ
ながらも、レイブンズ・フェアへ赴き、絶縁状態だった父に会いに行く。

「SAW ソウ」のジェームズ・ワン監督によるオカルト・ホラー。地味だがなか
なかおもしろかった。ジェイミーとリサ夫婦の元に差出人不明の大きな箱が届く。
開けてみると腹話術の人形が入っており、ジェイミーは不審がるがリサは面白が
って人形を椅子に座らせる。その後ジェイミーは外出し、帰宅するとリサが舌を
切り取られて惨殺されていた。ジェイミーは刑事に「この人形が届いてからおか
しなことになった」と言うが、刑事は「人形が殺したとでも言うのか」と、逆に
怪しまれる。箱には「レイブンズ・フェアのメアリー・ショウとビリー」と書か
れており、ジェイミーは自分とリサの故郷であるレイブンズ・フェアに行ってみ
ることにする。
腹話術の人形って何となく不気味だと思う。顔つきのせいかな。故郷へ帰ったジ
ェイミーは、長く連絡を取っていなかった不仲の父に会いにアーシェン家へ行く
が、父はいつの間にか再婚していた。再婚相手はジェイミーを歓迎する。父は体
が不自由になって車椅子生活になっており、再婚相手が全て世話をしていた。ジ
ェイミーは父や町の葬儀屋から腹話術師メアリー・ショウに関する忌まわしい話
を聞かされる。それは父が子供の頃の話だった。それから町では次々と奇怪な出
来事が起こり始め、ジェイミーやリプトン刑事も巻き込まれていく。
さすが「SAW ソウ」の監督作品だけあって残酷描写もあり物語は結構怖い。大
体差出人のわからない荷物が届いて、中身が腹話術の人形だなんてすごく気味が
悪いではないか。面白がっているリサって呑気だなーと思った。リサが殺される
のにはちゃんと理由があったのだ。簡単に言うとメアリー・ショウの呪いなのだ
が、彼女はちょっと気の毒と言えなくもないが、自業自得なのではないだろうか。
それにしてもジェイミーはリサが殺された理由を知りたいとはいえ、夜中の墓地
に行って墓を掘ったり、勇気があるというか何というか。
次々と人が殺されるが、皆舌を切り取られていて、すごく不気味。昔のメアリー
・ショウとの因縁のせいで、レイブンズ・フェアはすっかり呪われた町になって
しまっている。メアリー・ショウが所有していた人形101体が並んでいるシーン
は本当に怖い。人形って見方によっては怖いと思う。私は苦手である。ラスト近
くでジェイミーの父と再婚相手の真実がわかるシーンは衝撃的。全く予想してい
なかったので、そう来たか!という感じ。物語も地味だしジェイミー役の俳優も
ちょっと存在感が薄いのだが、とにかく不気味でおもしろかった。




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必ず捕まえる

2022-03-22 22:15:40 | 日記
2017年の韓国映画「必ず捕まえる」。

いくつものアパートを経営しているシム・ドクス(ペク・ユンシク)は、口が悪い
ことや家賃の催促が厳しいことから、アパートの住人や町の人から煙たがられて
いた。ある日、ドクスのアパートの住人である元刑事のチェ(ソン・ジョンハク)
が首を吊った状態でドクスに発見される。チェ元刑事が自殺したのは前日にドク
スが厳しく家賃の催促をしたからだと町の人に噂されてしまう。そんなドクスの
前に、チェ元刑事の同僚だったというパク・ピョンダル(ソン・ドンイル)が現れ、
チェは自殺ではないと言う。30年前にこの町で起きた連続殺人事件は未解決の
状態で、その犯人が再び犯行を開始し、チェもその犯人に殺されたのだと推察す
る。実際町では老人の不審死が続いていた。犯人の手口によると次は若い女性が
狙われるはず、とピョンダルは言い、ドクスはアパートの205号室の女性のこと
が気になる。そしてピョンダルは2人で犯人を捜し出そうと持ち掛ける。

老人と初老の男性のバディもののサスペンス。こういう組み合わせは珍しいので
はないだろうか。ドクスの所有するアパートでチェという元刑事が首つり自殺を
する。ドクスの厳しい家賃の催促のせいだと噂が立つが、ドクスは納得がいかな
い。ドクスは口は悪いが根は悪い人ではない。前日ドクスはチェの部屋で一緒に
酒を飲み、語り合っていたのだ。ドクスの元に現れたチェの元同僚のピョンダル
は、30年前の未解決連続殺人と手口が同じで、再び犯行を始めたのだと言う。
そして次に犠牲になるのは若い女性だと。ドクスは初め相手にしなかったが、や
がてアパートの205号室の若い女性が行方不明になる。
韓国のサスペンス映画にしては割とコミカルで明るい感じ。グロテスクな描写も
あるが大したことはない。ドクスとピョンダルのキャラクターが個性的でおもし
ろかった。205号室の女性が行方不明になり、ドクスは警察に連絡しようと言う
が、ピョンダルは「通報したら彼女は殺される。その前に俺たちで犯人を捕まえ
よう」と言う。ドクスhその町に長く暮らし、アパートをいくつも経営している
ので町のことを知り尽くしている。そのドクスに協力してもらおうとピョンダル
は考えたのだ。ピョンダルは30年前の犯人を一瞬目撃しているのだが、捕まえ
られなかったことがずっと気がかりだった。
この映画では韓国の経済格差というか、貧困問題にも触れていて、重たい面もあ
る。チェはトラック運転手をしているが腰を痛めて働けない状態だし、205号室
の女性は母親に生活費を送金しているので家賃の支払いが遅れがちだ。彼女がド
クスに言った「この町の人々は一生懸命働いています。でも頑張ってもどうにも
ならないのが現実なんです」という言葉が印象に残った。けれども彼女はドクス
のことを嫌っている訳ではない。「大家さんが本当はいい人だとわかっています。
すぐにアパートを追い出すというけれど口だけだし」と、ドクスのことをちゃん
とわかっている。
物語はコミカルだが結構スリリングで、犯人に監禁された205号室の女性を助け
ることができるのかハラハラする。そしてどんでん返しが2度あって、これには
びっくりした。そうだったんだ!という感じ。更にピョンダルの生命力強すぎ。
犯人に撃たれて死んだと思ったら生きているなんて。絶対に捕まえたいという
執念がすごいのだろうなあ。犯人の動機がちょっと弱い感じがしたけど、全体と
して良く練られていたと思うし、じいさんとおじさん(初老のおじさん)のコンビ
というのがおもしろくて良かった。


ちょっとしたトラブルがあったようです。ベル怒っています

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悪を呼ぶ少年

2022-03-19 22:43:20 | 日記
1972年のアメリカ映画「悪を呼ぶ少年」。

1935年、コネティカット州の小さな農村に住むペリー家には、活発でイタ
ズラ好きの兄ホランド(マーティン・ユドヴァーノキー)とおとなしく心優し
い弟ナイルズ(クリス・ユドヴァーノキー)という双子の男の子たちがいた。
双子の父は家で事故死し、それが原因で母アレクサンドラ(ダイアナ・マル
ドア)は病にふせっていた。少年たちは祖母のエダ(ユタ・ヘーゲン)にかわ
いがられ、時折ロシア生まれのエダが教える不思議な精神統一術を実践し、
空を飛ぶカラスになって遊んだりしていた。ある日、ホランドが持っていた
古い指輪をいとこのラッセルが見とがめたことから、ペリー家の周辺には禍
々しい出来事が次々と起こり始める。

トーマス・トライオンのベストセラー小説「もう1人の子(The Other)」を
映画化したサイコ・サスペンス。トーマス・トライオンは製作総指揮と脚本
にも参加している。10歳のナイルズとホランドは一卵性双生児だが性格は
かなり違っており、ホランドはイタズラ好きで積極的、ナイルズはおとなし
くいつもホランドの後をついていくような子である。双子の父が納屋の地下
室で不慮の事故を遂げた後、母のアレクサンドラはショックでふせっていた。
アレクサンドラの母エダは孫たちに優しく、ある遊びを教えた。それは、木
でも花でも人でも、対象をじっと見つめて精神統一すると、一時的な現象で
はあるがその対象物になれるという、1種のテレパシー風の遊びだった。
割と最初の方で物語のからくりは予測がつくのだが、その後中盤でそれがは
っきりしてからも物語は続くので、どう決着するのだろう、という興味を惹
かれた。やんちゃなホランドはある日死んだ父の指輪を持っているところを
いとこのラッセルに見つかり、「それは叔父さんが埋葬された時に一緒に入
れられたはずなのにどうして持っているんだ」と言い、自分の父に言いつけ
ると脅して去っていく。数日後ラッセルは納屋で遊んでいる時に事故死する。
この事件を契機に、ペリー家は死と恐怖の影に覆われるようになる。
何人の人が殺されたのだろう。昔の映画なので残酷なシーンのそのものは見
せておらず、マイルドに描かれているが、充分想像できるのでなかなか怖い。
サイコ・サスペンスだがホラーと言ってもいいかもしれない。この映画で重
要なのは双子と祖母の関係である。ノイローゼ状態の母の代わりに祖母が普
段から双子の世話をして、とてもかわいがっている。けれども祖母は自分が
孫たちに教えた精神統一術のせいで取り返しのつかないことになってしまっ
たのだと気づかされるのだ。良かれと思ってしたことなのに、とても不幸で
ある。
70年代の映画だからと、それほど期待せずに観たのだが、意外におもしろ
かった。キャストも子役を含め皆演技がうまい。双子の母はやがて口が利け
なくなるのだが、表情だけで恐怖や絶望を表していて、とても良かった。ラ
ストはそうやって解決するのか、と思わせておいて、実は解決しておらず、
ゾッとする終わり方である。かなり後味が悪い。タイトルは原題の「The
Other」の方がいいと思った。

    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

私は若い頃から胃腸が弱く、胃の検査を数え切れない程しました。最近も胃
カメラによる内視鏡検査をしましたが(これも5~6回目?)、どこも悪くあり
ませんでした。どこも異常はないだろうなーと思って検査を受けましたが。
もうこの慢性的な胃痛、吐き気、腹痛ってどうにかならないのかな結局
「胃けいれんでしょう」と言われました。私は中学生の時から何度も胃けい
れんだと診断されています。お医者さんを悩ませている感じです。大体胃け
いれんって何なのよ。胃、けいれんしないで欲しいんだけどけいれん性
疼痛を緩和させるお薬を出されたけど、あまり効いている感じしないし。こ
れはもう体質と思って諦めるしかないのかなあ



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ドライブ・マイ・カー

2022-03-15 22:37:19 | 日記
2021年の日本映画「ドライブ・マイ・カー」。

舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)と幸せに
暮らしていた。しかし、音はある秘密を残したままくも膜下出血で急死してしまう。
2年後、喪失感を抱えながら生きていた悠介は、演劇祭で演出を担当することにな
り、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで悠介はある過去を持つ寡黙な専属ドライ
バーのみさき(三浦透子)と出会う。更に、かつて音から紹介された俳優・高槻(岡
田将生)とオーディション会場で再会する。悠介はみさきと過ごし、お互いの過去
を話す中で、それまで目を背けてきたことに気づかされていく。

第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、他にもいくつもの賞を受賞している
濱口竜介監督による人間ドラマ。原作は村上春樹氏の短編小説。舞台俳優で演出家
の家福悠介は愛する妻・音と満ち足りた生活を送っていたが、ある日音が急死して
しまう。突然のことに深い喪失感を抱えながら仕事をしていたが、2年後に広島で
の演劇祭の演出を依頼される。悠介は車は自分の大切なものなので自分で運転した
いと言うが、ここでは専属ドライバーを付けることになっているのだとスタッフに
言われ、渋々みさきという若い女性に運転を任せることになる。そして悠介は以前
音に紹介されていた若い俳優・高槻とオーディション会場で出会う。高槻は音の葬
儀にも参列していて、悠介と音のファンだった。
喪失と再生の物語で、とても感動的だった。西島秀俊は国内外で主演男優賞を受賞
しているだけあって、魂のこもった演技で素晴らしかった。サーブって何だろうと
思って調べたら、スウェーデンの車だった(どうでもいいが)。最愛の妻を亡くした
悲しみは計り知れないものだろう。2人には昔子供がいたが幼くして亡くなり、そ
れからは夫婦で仲良く暮らしてきたのだ。悠介と音のラブシーンが多いのがちょっ
と気になった。彼らは恐らく40代後半くらいの設定なのだと思うが、子供のいな
いその年代の夫婦ってあんなに濃密な関係なのだろうか、と思った。
高槻は悠介のファンであると同時に美しい音に憧れていて、悠介に対して懐っこい。
悠介が演出を担当する劇に高槻も出演することになり、2人はよく話すようになる。
高槻は少し女性にだらしないタイプで、それがこの重たい映画のスパイス的な存在
になっていておもしろい。悠介が最後に音と言葉を交したのは音が急死した日の朝
の出がけで、音は「今日の夜少し話せる?」と聞いてきた。悠介は「もちろん。何
でわざわざそんなこと聞くの」と返事をしたが、多分悠介は音が話したかったこと
をわかっていたのだと思う。実は音は浮気をしていた。それも何人もと。そして悠
介はそれに気づいていながら、何も言わずにやり過ごしてきたのだ。愛する音と向
き合うのが怖かったのだろう。
専属ドライバーのみさきもある辛い思いを抱えて生きてきた。悠介とみさきがそれ
を告白し合うシーンはとても良かった。重たい荷物を下ろしたことで、2人は前に
向かって進める気がしてきたのだ。その瞬間は本当に感動的だった。いい映画だっ
たのだが、気になることというか不満が2つほどある。みさき役の三浦透子がかわ
いくない。暗い過去を抱えた不愛想な人という役どころなので、こういう人を起用
したのだろうか。それとやはり179分は長い。原作は未読だが短編ということなの
で、短編をこんなに膨らませなくても、2時間以内の映画にして良かったんじゃな
いのかな、と思った。それらがちょっと不満だが、でも、アカデミー賞受賞できる
といいな。


良かったらこちらもどうぞ。濱口竜介監督作品です。
寝ても覚めても



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