猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

今年映画館で観た映画

2021-12-30 21:38:40 | 日記
今晩は。寒くなりましたね。もう明日は大晦日です。今年映画館で観た映画に
おもしろかった順位をつけたいと思います。DVDやテレビ放送で観た映画ま
で入れるとキリがないので映画館のだけで

1) 少女ムシェット(フランス)
2) ヒッチャー(アメリカ)
3) 聖なる犯罪者(ポーランド・フランス)
4) ビバリウム(アイルランド・デンマーク・ベルギー)
5) HOKUSAI(日本)
6) 護られなかった者たちへ(日本)
7) 草の響き(日本)
8) MINAMATA-ミナマタ-(アメリカ・イギリス)
9) よい子の殺人犯(台湾)
10) ボクたちはみんな大人になれなかった(日本)
11) 太陽の子(日本)
12) 香港画(日本)
13) アウシュヴィッツ・レポート(スロバキア・チェコ・ドイツ)
14) 新感染半島 ファイナル・ステージ(韓国)
15) 孤狼の血(日本)
16) 異邦人(イタリア・フランス)
17) 田舎司祭の日記(フランス)
18) バルタザールどこへ行く(フランス・スウェーデン)
19) モーリタニアン 黒塗りの記録(アメリカ・イギリス)
20) ターコイズの空の下(日本)
21) ルクス・エテルナ 永遠の光(フランス)

1位と2位が昔の映画のリバイバルになりました。おもしろい映画は何10年
経ってもいいものです。
まだまだ大変な日々が続くと思いますが、皆様お体に気をつけてお過ごしく
ださい。それでは良いお年を




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黒い家(韓国映画)

2021-12-25 22:34:08 | 日記
2007年の韓国映画「黒い家」。

保険会社の調査員チョン・ジュノ(ファン・ジョンミン)は、「自殺の場合でも
保険金は支払われるのか」という女性からの電話を受ける。その女性が自殺を
考えているのだと思ったジュノは、マニュアルを無視して思いとどまるように
説得する。数日後、全く面識のない顧客パク・チュンべ(カン・シニル)の家に
名指しで呼び出されたジュノは、チュンべの妻シン・イファ(ユソン)の連れ子
が首吊り自殺しているのを発見する。チュンべによる保険金殺人を疑ったジュ
ノは警察に通報し、会社に保険金の支払いを保留するよう報告するが、チュン
べは毎日会社の窓口を訪れ、保険金を支払うよう要求する。

貴志祐介氏の小説「黒い家」の映画化で、日本映画のリメイクである。昔日本
版も観たのでどうしても比べてしまうが、私は韓国版の方がおもしろかった。
保険会社の調査員ジュノはある日、面識のない顧客チュンべから名指しで呼び
出され、保険の相談に訪れるが、彼はその家でチュンべの妻イファの連れ子で
7歳の少年が首吊り自殺しているのを発見してしまう。腰を抜かすジュノだっ
たが、その時のチュンべの様子がおかしかったことから、チュンべによる自殺
に見せかけた保険金殺人を疑う。ジュノは会社に保険金の支払いを保留するよ
う言うが、支払いを要求するチュンべの矢のような催促が始まり、会社の者た
ちは皆気味悪く思う。
韓国版の方が原作に忠実に作られている。もちろん映画なので変えているとこ
ろもあるが、原作の不気味な世界観はこちらの方が近いと思う。チュンべとイ
ファ夫婦は日本版では西村雅彦と大竹しのぶで、この2人の個性がとても強烈
で印象的だった。それに比べるとチュンべとイファはおとなしい感じだが、
「いかにも」な感じの夫婦より地味な夫婦が悪事を企んでいる方が怖い、とい
う見方もできると思う。大竹しのぶの演技はすさまじかったのだが、私には少
し大仰な感じもした。イファ役のユソンは無口で儚げな美人で、大竹しのぶと
はまるで違うのだが、このおとなしく美しい女性のサイコパスな面を思うと、
底知れぬ恐怖を感じる。
やがてイファにも多額の生命保険がかけられていることを知ったジュノは、次
はイファが殺されてしまうと思い、イファを助けたいと考えるのだが、真実は
とんでもない方向へ向かっていく。ジュノはお人好しであるがために、大変な
事件に巻き込まれていくのである。ジュノ役は日本版では内野聖陽だったが、
この人は良かったと思う。ちょっと気が弱すぎだったけど。チュンべとイファ
は情緒欠如というか、人間らしい感情に乏しい。他者に危害を加えることを何
とも思っていない。こういうモンスターのような人間は映画でよく描かれるが、
実際にいるのだと思う。
日本版はレイティングがなかったが、韓国版はR15指定で、グロテスクさはさ
すが韓国映画といった感じ。ファン・ジョンミンは相変わらず演技がうまいし、
ユソンの静かな雰囲気での熱演もいい。どちらの映画もそれなりの良さがある
のだが、何と言っても1番怖くて1番おもしろいのは原作小説である。どちら
かの映画を観た人も両方観た人も、是非小説を読んで頂きたいと思う。本当に
怖い。私の大好きな小説だ。


クリスマスに居酒屋さんに行きました。私はお酒が飲めないのでコーラで


この手羽先は塩味でとてもおいしかったです





こちらはスパイシーで、おいしいけどすごく辛かったです




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トレイン・ミッション

2021-12-21 23:02:01 | 日記
2018年のアメリカ・イギリス合作映画「トレイン・ミッション」。

10年間勤めてきた会社から突然、解雇を宣告された60歳の保険セールスマン
のマイケル(リーアム・ニーソン)は、失意の中、いつもの電車で帰路につくが、
車内で見知らぬ女性から話しかけられる。その女性・ジョアンナ(ヴェラ・フ
ァーミガ)は、電車が終点に到着するまでの間に、100人の乗客から1人のある
人物を見つけ出せば、マイケルに10万ドルの報酬を払うと言う。初めは相手
にしなかったマイケルだが、妻と息子が人質に取られていることが発覚し、ジ
ョアンナからの依頼を受けざるを得なくなったマイケルは、絶体絶命の状況下
で1人の人物を見つけ出そうとする。

フライト・ゲーム」でもリーアム・ニーソンとタッグを組んだジャウム・コ
レット=セラ監督によるサスペンス・アクション。元警官のマイケルは保険の
セールスマンとして働いており、職場へはいつも同じ電車で通勤していた。し
かし突然リストラされ、帰りの電車の中で常連客に挨拶しながらも今後の住宅
ローンの返済や息子の学費のことで頭は一杯だった。そんな彼の前にジョアン
ナという女性が座り、「乗客の中から、ある重要な荷物を持った人物を捜して
欲しい」と持ち掛ける。発見できたなら報酬として10万ドルを支払うと言う。
適当に応対していたマイケルだったが、徐々に状況が切迫していき、ついには
彼女の要求に応じなければならなくなった。巧妙に仕組まれた恐るべき陰謀に
巻き込まれたマイケルは、自分と乗客の命を救うべく行動を開始した。
少しわかりにくいところもあったが、おもしろかった。とにかくリーアム・ニ
ーソンがかっこいい。走行中の電車という閉鎖された空間で任務を遂行しなけ
ればならないというのは「フライト・ゲーム」と同じシチュエーションだが(
あちらは飛行機の中だったが)、キャストたちの演技が良く、似た映画でもと
てもおもしろく観られた。最後まで黒幕がわからず、興味を惹く。ジョアンナ
がマイケルに提示してきたヒントは3つ。常連客ではないこと、終着駅で降り
ること、プリンと名乗ること。そのヒントを頼りにマイケルは1人の人物を捜
し出さなければならないのだ。マイケルは元警官の経験を活かして捜査を始め、
消去法で判断していくものの、謎は深まるばかりだ。
そもそも見知らぬ女・ジョアンナは何故マイケルに依頼してきたのか。元警官
だからだろうか。マイケルは妻子を人質に取られ、混乱して焦っており、緊迫
した状況が画面を通して伝わってくる。どの乗客も怪しく見え、終盤までわか
らない。やがてマイケルは警察に乗客を人質に取っていると見なされてしまう。
そしてマイケルはプリンを突き止めるが、ジョアンナから「プリンを殺せ」と
いう電話がかかってくる。マイケルは誰も殺したくはないのだ。絶体絶命の中、
マイケルはどうするのか。
ラスト近くで残った乗客がかばい合うシーンは良かった。ただの顔なじみなの
だが、それなりに絆ができていたのだろう。リーアム・ニーソンは年を取って
いても「兄貴」という呼び方が似合うと思う。リーアム兄さんが活躍する、お
もしろいサスペンス映画だった。


良かったらこちらもどうぞ。ジャウム・コレット=セラ監督作品です。
エスター
フライト・ゲーム



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あの胸にもういちど

2021-12-17 22:06:01 | 日記
1968年のイギリス・フランス合作映画「あの胸にもういちど」。

結婚間もない若妻レベッカ(マリアンヌ・フェイスフル)は、平穏で退屈な
暮らしに飽きて、かつて関係を持ったことがある大学教授のダニエル(ア
ラン・ドロン)との不倫関係を続けている。ある日レベッカはダニエルか
ら大型のバイクを贈られる。レベッカはバイクに夢中になり、ダニエルの
住むハイデルベルクへとバイクを走らせ、会いに行く日々が続く。

アラン・ドロン主演の不倫映画。レベッカは恋人がいながら大学教授のダ
ニエルと関係を持ち、そのまま恋人と結婚する。けれども夫との生活は退
屈で、刺激を求めてダニエルとの関係を復活させる。ある日レベッカはダ
ニエルに大型バイクをプレゼントされ、喜んで運転を教えてもらう。そし
て国境を越えてハイデルベルクのダニエルのところまで会いに行く。
結構突っ込みどころのある物語である。ダニエルに運転を習ったくらいで
あんなに上達するのかとか、教習所には行かなくていいのかとか、早朝夫
がまだ寝ている間に出かけるのだが夫は気がつかないものだろうか、とか。
かなりのスピードを出しているようだし、初心者とは思えない。その上レ
ベッカは運転中ダニエルのことばかり考えていて、妄想がひどく、危なっ
かしい。運転に集中したら?と言いたくなる。
レベッカの夫も教育者で、田舎の小学校の教師をしているが、生徒に舐め
られていて言うことを聞かない。自信に満ち溢れたダニエルと違い、夫は
頼りなく気弱なタイプなのだ。ダニエルがレベッカに高価なバイクをプレ
ゼントしても何も言えない。レベッカはそんな夫にうんざりしている。レ
ベッカにとって博学でキザなダニエルはとても魅力的な存在だった。彼に
会うためなら国境くらい、という感じだ。ヨーロッパって外国が陸続きだ
から行きやすくていいなあ、と思う。
ダニエルは真剣に恋愛をしない主義だ。レベッカのことも愛してはいない。
レベッカはそれをわかっているのだが、彼と密会するのをやめられない。
そういうところは女ってバカだなあと思う。どうせ傷つくのに、男を愛し
ているのだから。映画は英語なのが残念。原作もフランスの小説で舞台も
フランスだし、アラン・ドロンが出演しているのだからフランス語にして
欲しかったなあ。イギリス・フランス合作だから仕方ないのだろうが。物
語としてはそんな大したことはなかったが、美しいアラン・ドロン様が出
ているので私は観て良かった。


人間みたいに布団に入っているノエル










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RUN ラン

2021-12-13 22:57:53 | 日記
2020年のアメリカ映画「RUN ラン」。

郊外の一軒家で暮らすクロエ(キーラ・アレン)は、生まれつき慢性の病気を
患い、車椅子生活を余儀なくされている。しかし前向きで好奇心旺盛な彼女
は、大学進学を望み自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や
食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアン(サラ・ポー
ルソン)に不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイ
アンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、決して人間が服用して
はならない薬であるということが判明してしまう。

search/サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督による新作サイコ・サ
スペンス。ぜんそく、糖尿病、不整脈など複数の病気を患うクロエは、下肢
が不自由で車椅子生活を送っていた。けれども地元の大学で勉強したいと願
い、合格通知が送られてくるのを心待ちにしていた。進学に賛成している母
親ダイアンも、「大学からの手紙は開封しないで渡すわ」と言って励まして
いた。そんなある日クロエはダイアンの買い物の荷物の中に見慣れない薬を
見つける。それは緑色のカプセルで、ダイアンの名前が書かれていた。食後
にダイアンがクロエに差し出した薬の中にそのカプセルも入っていたため、
「これはママの薬でしょ?」と聞くが、ダイアンははぐらかし、クロエは不
審なものを感じる。
物語が全編パソコンの画面上で進行するという斬新な手法をとった「searc
h/サーチ」とは違い、オーソドックスなサスペンスだが、これもおもしろ
かった。2人3脚で生きてきた母子の間に疑惑が生じた時、それは恐怖に変
わっていく。クロエはダイアンの名前のラベルが貼られていたカプセルを出
されて不審に思い、後でこっそりラベルを確認してみる。ところがラベルは
クロエの名前になっており、見間違いだったのか?と思うが、そのラベルを
剥がしてみるとダイアンの名前が記されていた。
とてもスピード感がありスリリング。母親は娘に何を隠しているのか。何が
目的なのか。私は初めダイアンは代理ミュンヒハウゼン症候群なのではない
かと思った。しかし真実はもっと恐ろしいものだった。代理ミュンヒハウゼ
ン症候群も充分異常なのだが。物語が進むにつれ、ダイアンの過去が明かさ
れていくが、ダイアンはクロエに歪んだ愛情を持っているのがわかる。ダイ
アンは献身的に病気の娘の世話をしているが、恐ろしい女なのだ。
クロエ役のキーラ・アレンという女優は実際に車椅子使用者なのだそうだ。
だからあんなに迫真の演技ができたのだと納得。ダイアン役のサラ・ポール
ソンの表情演技もすごい。登場人物はほぼこの2人だけで、他は近所のおじ
さんや薬局のおばさんなどがちょっと出てくるだけ。密室サスペンスに近く、
とてもハラハラする。ラストも「そう来るか」といった感じで、おもしろか
った。アニーシュ・チャガンティ監督はこういうスピーディーなスリラーが
得意なようだ。これからの作品にも期待したい。




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