猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ハロウィン THE END

2023-08-29 21:50:45 | 日記
2022年のアメリカ映画「ハロウィン THE END」。

殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズ(ニック・キャッスル)
が再びハドンフィールドを恐怖に陥れた事件から4年、街は少しず
つ平穏な日常を取り戻しつつあった。マイケルの凶刃から生き延び
たローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)は孫娘の
アリソン(アンディ・マティチャック)と暮らしながら回顧録を執筆
し、40年以上に亘りマイケルに囚われ続けた人生を解放しようと
していた。しかし、暗い過去を抱えた青年コーリー(ローハン・キ
ャンベル)が、忽然と姿を消していたマイケルと遭遇したことから、
新たな恐怖の連鎖が始まる。ローリーは長年の因縁に決着をつける
ため、マイケルとの最後の対峙を決意する。

ジョン・カーペンター監督の名作ホラー「ハロウィン」シリーズの
最終章。1978年のシリーズ1作目から40年後を描いた「ハロウィン
」(2018年)、その続編である「ハロウィン KILLS」(2021年)の
続編であり、シリーズの完結編である。3作とも監督はデヴィッド
・ゴードン・グリーンだが、ジョン・カーペンターや主演のジェイ
ミー・リー・カーティスも製作総指揮に名を連ねている。
2019年10月31日の夜、シッターのアルバイトをしていた青年・コ
ーリーは子守をしていた少年に、いたずらで屋根裏部屋に閉じ込め
られる。コーリーがドアを蹴り開けたため、ドアの後ろにいた少年
は階下に転落してしまい、コーリーは少年を殺害したとして告発さ
れる。裁判では無罪になったが、コーリーは街の人々から「サイコ
パス」「子供殺し」と言われ、白い目で見られるようになる。ある
日不良たちに暴行を受けていたコーリーを、ローリーがアリソンの
勤める病院へ連れて行く。コーリーは自分を変な目で見ないアリソ
ンに惹かれ、アリソンもまたコーリーに惹かれる。
ここが変だと思うのだが、連続殺人鬼に両親を殺されたアリソンが、
どうして子供を殺したと言われているコーリーに惹かれるのだろう。
メンヘラ同士の恋愛といった感じで、物語に必要があったのだろう
か。そしてローリーはコーリーの目にマイケルと同じ邪悪なものを
見る。ローリーはアリソンに彼と関わらないように言うが、アリソ
ンは聞き入れない。そしてまた街で恐怖の連鎖が始まる。
前作の「ハロウィン KILLS」と前々作の「ハロウィン」はとても
おもしろかったのだが、肝心の完結編である本作はちょっと期待外
れだったなあ。コーリーが主役っぽくなっていいて、マイケルの活
躍(?)が少ないのだ。マイケルの圧倒的強さや不死身なところを観
たいのに、何か弱体化しているし。ローリーはもうおばあさんだと
いうのに相変わらず強くてかっこいいのだが。映画館で観なくて良
かったなという感じ。もしかしてマイケルがコーリーに継承される
のかと思ったがそうではないみたいだし、本当に完結編のようだ。
大好きな「ハロウィン」シリーズ、あっけなく終わって物足りなか
った。



映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング
人気ブログランキング
人気ブログランキング
コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジェーンとシャルロット

2023-08-24 22:43:28 | 日記
2021年のフランス映画「ジェーンとシャルロット」を観に行った。

2018年、東京・茅ヶ崎・京都。シャルロット・ゲンズブールは、
母であるジェーン・バーキンを見つめる撮影を開始した。伝説的
歌手セルジュ・ゲンズブールのパートナーと娘であり、それぞれ
の時代をセンセーショナルに彩るフレンチアイコンでもあったジ
ェーンとシャルロット。特異な環境下で家族の形を築いてきた母
娘の間には、他者を前にした時につきまとう遠慮のような感情が
あり、2人は自分たちの意志とは関係のないところで距離を感じ
てきた。両親が別れた後、父セルジュの元で成長したシャルロッ
トには、ジェーンに聞いておきたいことがあった。異父姉妹のこ
と、次女である自分よりも亡き長女ケイトを愛していたのではな
いかという疑念、公人で母であり女である彼女の半生とは一体ど
んなものだったのか。

フランスの女優シャルロット・ゲンズブールが初監督を務め、母
ジェーン・バーキンの真実に迫ったドキュメンタリー。誰もがよ
く知るようにジェーン・バーキンもシャルロット・ゲンズブール
も有名な女優で歌手、そしてジェーンはセルジュ・ゲンズブール
(作曲家、歌手、音楽プロデューサー、監督、俳優、とマルチに
活躍した)のパートナーであり、シャルロットはセルジュが溺愛
した娘である。母娘2代に亘ってフレンチアイコンだったという
のはすごいことだと思う。
映画は日本から始まる。ジェーンの日本公演のシーンだ。リハー
サルのシーン、ジェーンがファンの人たちに丁寧にサインをして
いるシーンが映し出される。ジェーンの顔のしわや手のしみもシ
ャルロットはしっかり撮っている。ジェーンとシャルロットがテ
ーブルを挟んで向かい合って話している。ジェーンはシャルロッ
トに対して「私はあなたに気後れしているところがあったの」と
言う。何となくわかる。
ジェーンは続ける。「あなたはかなり早い時期から秘密主義で、
友達やボーイフレンドのことも話してくれなかった」。シャルロ
ットはとてもシャイで、20歳くらいまで彼女にインタビューを
するのは至難の技だったとフランスのリポーターが言っているの
を聞いたことがある。それは母親のジェーンに対しても同じだっ
たのだと思うと、シャルロットらしい。舞台はパリのジェーンの
自宅、ブルターニュの別荘、ニューヨークのシャルロットの自宅、
と移っていきながら、2人の赤裸々な様子が映し出される。
笑顔やファッションがそっくりな2人。シャルロットの顔はセル
ジュ似だが、スリムなプロポーションやささやくような声はジェ
ーン似だと思う。撮影にはシャルロットの次女ジョーも同行して
いるが、ジョーもシャルロットそっくり。シャルロットのパート
ナー、イヴァン・アタルや異父妹ルー・ドワイヨン(ジェーンと
ジャック・ドワイヨン監督の間の娘で、女優で歌手)の名前は出
てくるが、映像には登場しない。これはあくまでもジェーンとシ
ャルロットの映画なのである。
映画パンフレットにシャルロットと内田也哉子の対談が載ってい
て、私はとても違和感を抱いた。どうしてこの2人なのか、別の
対談相手はいなかったのか、と。内田也哉子は有名女優・樹木希
林と有名ミュージシャン・内田裕也との間の娘で、立場が似てい
ると書いてあった。いやいくら有名人、セレブ夫婦の間の娘とは
いえ、立場が似ているとは思えない。夫婦の知名度や偉大さがま
るで違うし、娘同士のスケールも違う。これ誰が編集したの?と
思ったし、誰とでも対談すればいいってもんじゃないだろう、と
とても不満に思った。

ジェーン・バーキンは今年の7月16日に76歳で亡くなった。私
はジェーンはもっと長生きすると思っていた。90代とか。ジェ
ーンの出演映画は多分4作くらいしか観ていないと思うが、この
「ジェーンとシャルロット」が遺作になった。シャルロット、
この映画を撮ってくれてありがとう。


暑くて床でグタッとしているベル





























コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バトル・オブ・サブマリン

2023-08-19 22:04:56 | 日記
2022年のポーランド映画「バトル・オブ・サブマリン」。

1940年5月、ポーランド軍の潜水艦「オジェウ」の艦長ヤン・グラ
ジンスキー少佐(トマシュ・ジェンテク)はキールを出港したドイツ艦
隊シャルンホルストやグナイゼナウなど3隻への攻撃命令を受け取る。
閉塞感に満ちた艦内に緊迫した空気が流れる中、総勢65人の乗組員
たちは魚雷の恐怖や続発するトラブルによって心身ともに疲弊してい
き、敵艦3隻をたった1隻で迎え撃つという絶望的な戦いに身を投じ
ることになる。

実話に基づいた物語で、ポーランド国防省が全面協力した、第2次世
界大戦を舞台に、ドイツ艦隊に立ち向かうポーランド潜水艦の死闘を
描いた戦争サスペンス。まず、タイトルの「バトル・オブ・サブマリ
ン」でアクション映画を期待すると物足りないと思う。邦題が悪い。
これはバトル映画ではない。地味で暗くて悲しい物語で、私にはおも
しろかった。
1940年、連合国軍がダンケルクの戦いに向けて準備を進めている頃、
ポーランドの潜水艦オジェウにある命令が下る。それはキールを出港
したドイツ戦艦シャルンホルストやグナイゼナウなど3隻から成る艦
隊を攻撃せよというものだった。オジェウの乗組員たちは、密室の艦
内で魚雷の恐怖や数々のトラブルにさらされ、心身ともに追い詰めら
れる。やがてオジェウの前に、シャルンホルストらドイツ戦艦が現れ
る。
物語はわかりづらいという訳ではないのだが、舞台が潜水艦の中なの
でとにかく暗く、65人もの乗組員がそれぞれ何をしているのかが見え
にくい。余程の潜水艦マニアならわかるのかもしれないが。そしてこ
の映画は会話劇である。65人の乗組員たちの会話に次ぐ会話で成り
立っている感じ。私は会話劇が好きなので、とても興味深くおもしろ
かった。潜水艦な中ではあちこちが故障したり不具合が起きたりで、
乗組員たちは対応に追われる。まだ若い乗組員が多く、彼らの悲壮感
が漂ってくる。
次第に酸素濃度が低くなっていく様子は、観ていてこちらも息苦しく
なってくるし緊張する。潜水艦の上に皆が出てきて外の空気を吸うシ
ーンは本当にホッとする。思い切り空気を吸ったり、タバコを吸った
り。そしてまた中に戻らなければならないのだが、やっぱり戦争は怖
い、と思う。どうしてこの人たちがこんな目に遭わなければならなか
ったのだろう。ラストシーンはとても重たく悲しい。オジェウは今で
も海の底に沈んでいるのだろうか。ハンサムな人が2人くらいいたが、
俳優の名前がわからなかった。



映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング


コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

王宮の夜鬼

2023-08-14 21:46:43 | 日記
2018年の韓国映画「王宮の夜鬼」。

咬まれると白目になり牙が生え、人の生き血を求める"夜鬼"へと
豹変する謎の疫病が蔓延する朝鮮時代。存亡の危機に陥った朝鮮
に帰還した王子イ・チョン(ヒョンビン)は、至る所に蔓延る夜鬼
の群れと戦う朝鮮随一の武官、パク従事官(チョ・ウジン)らと出
会い、彼らと行動を共にすることになる。一方、国を掌握しよう
と企む国王の側近であるキム・ジャジュン(チャン・ドンゴン)は、
国家転覆を謀り、夜鬼を利用して最終手段に打って出る。

時代劇+ゾンビものというアクション・サスペンス。朝鮮王朝の
第2王子イ・チョンは王宮を嫌い、侍従のハクス(チョン・マンシ
ク)と共に旅に出ていた。しかし旅の途中で凶暴に人を襲う人々
と遭遇し、驚く。王宮随一の武官、パク従事官らはその「夜鬼」
と呼ばれる者たちを退治していたが、イ・チョンとハクスも行動
を共にすることになる。一方、国王イ・ジョ(キム・ウィソン)の
側近であるキム・ジャジュンは密かに王座を狙っていた。
国王の後継ぎである第1王子は、キム・ジャジュンの罠にはめら
れ自害してしまうが、イ・チョンは国王になる気はないと言う。
王宮に興味を持てなかったのだ。やがて夜鬼は大量に増殖してい
き、王宮の人々は夜鬼の討伐に追われていく。イ・チョンは死ん
だ兄の妊娠中の妃をパク従事官やハクスと共に必死に助け、守ろ
うとする。
朝鮮王朝を舞台にしたゾンビものという組み合わせが目新しくて
おもしろかった。もちろんゾンビという言葉は出てこないが、凶
暴になって人に食らいつく疫病ということになっている。韓国の
ゾンビものはいくつか観たことがあるが、韓国映画は意外とゾン
ビが好きなのだろうか。アクション映画としてもなかなか良かっ
た。私は時代劇(どこの国のでも)が好きなので、昔の衣装で剣や
弓矢で戦っている姿にとても魅力を感じる。
ヒョンビンとチャン・ドンゴンというイケメンスターが出演して
いるのもいい。チャン・ドンゴンは悪役だったが。このキム・ジ
ャジュンという男はかなりの策士である上に、迷いなく次々と人
を殺していく。自分が国王になるためなら何でもする男だ。イ・
チョンの侍従であるハクスは心配性でちょっと口うるさいが、イ
・チョンのことをとても大切に思って仕えている。シリアスな物
語の中でハクスの存在はちょっとユーモアを感じたが、その最期
はかわいそうだった。屋根の上でイ・チョンとキム・ジャジュン
が一騎討ちをするシーンもとても良かった。



映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とんかつDJアゲ太郎

2023-08-09 16:38:46 | 日記
2020年の日本映画「とんかつDJアゲ太郎」。

渋谷の老舗とんかつ屋の3代目・揚太郎(北村匠海)は、特に熱中する
ものもなく、キャベツの千切りをする毎日を送っていた。ある時、弁
当の配達を頼まれたアゲ太郎は初めてクラブを訪れ、そこで密かに憧
れていた女性・苑子(山本舞香)に出会う。音楽でフロアを盛り上げる
DJたちのプレイに刺激を受け、これまで味わったことのない高揚感
に心を動かされたアゲ太郎は、苑子のハートを射止めるため、とんか
つ屋の仕事もDJも精進し、豚肉もフロアもアゲられる「とんかつDJ」
になることを決意する。

イーピャオ、小山ゆうじろうによるギャグ漫画の実写映画化。渋谷の
老舗とんかつ屋の3代目・揚太郎は、特にやりたいこともなく、キャ
ベツの千切りばかりの日々を送っていた。父親(ブラザートム)からは
まだとんかつを揚げさせてもらえておらず、「これじゃ揚太郎じゃな
くてキャベツ太郎になっちゃうよ」とぼやいていた。アゲ太郎はよく
友人の満夫(加藤諒)や錠助(栗原類)たちを部屋に呼び、向かいの家を
双眼鏡で見ていたが、かわいい女の子・苑子に憧れていた。
ある時アゲ太郎は弁当の配達で初めて足を運んだクラブで苑子に出会
う。そしてフロアを盛り上げるDJたちに刺激を受け、いい加減そう
なDJ・DJオイリー(伊勢谷友介)に弟子入りする。父親に「とんかつ
もフロアもアゲられるとんかつDJになる」と宣言するが、豚肉も機
材も触ったことのないアゲ太郎を多くのハプニングが襲う。
くだらなさそうなコメディ映画かと思ったが、割とおもしろかった。
とんかつとDJの組み合わせがいい。どういう発想なのだろう。アゲ
太郎や友人たちの「さえない、もてない、やる気ない」人生に光が射
してくるところはおもしろい。しかし師匠であるDJオイリーもやる
気がなく、アゲ太郎はなかなか上達しない。更にクラブの本番で大失
敗をやらかし、アゲ太郎もDJオイリーもダメDJの烙印を押されてし
まう。
アゲ太郎と友人たちはDJコンテストに出場しようと決意し、特訓に
励み、別の仕事をしていたDJオイリーも戻ってくる。アゲ太郎のキ
ャラクターがおもしろく、北村匠海がよく合っていた。とんかつと
DJの青春映画で、なかなか良かった。



映画評論・レビューランキング
映画評論・レビューランキング
コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする