THE TEST DRIVE!! クルマ好きによる試乗記&動画 (旧クルマ本を斬る!)

車の試乗記&レポート、インプレ、動画、お薦めの本等。OCNブログサービス停止に伴い、こちらに引っ越しました!

三菱 FTO GRに試乗! 当時の三菱の中では望外に走りが楽しい一台 

2018-08-31 15:44:58 | 三菱

*文章は当時のものです。

 

◎走り:★★★★

 三菱初のハンドリングマシンであり、インテR登場まではベストFFマシンの名を冠していたFTOは、パワフルなNAエンジン、軽快なハンドリング、ゲーセン感覚のINVECSーⅡ等、かなり走りの楽しい車です。すばやいシフトタイミング、軽快な足回り、吹けのいいエンジンと、思わずそのままワインディングに持ち込みたくなるほどFANな車でした。

◎居住性:★★★

 中は、はっきりいって狭いです。三菱も、スペック的にはなかなかスポーツカーっぽくなってきましたが、コックピットはタイトというより、単純に”狭い”といった印象です。フロントのグラスエリア上部が低いのが原因の一つでしょう。後部座席は、あるだけありがたい、といったレベルです。しかし、この手の車にとっては、たいした問題にはなりません。アグレッシブなスタイルに、FANの動力性能。あとは、2人乗れて、トランクにゴルフバッグが入れば充分です。

◎まとめ:★★★

 FTOは、三菱のなかでは私は一番好きな車です。無機質な車が多かった三菱車のなかで、初めて走りに対する情熱を感じた車です。残念ながら、その特異なスタイルから市場ではいまひとつ人気のない車ですが、斬新なリアビュー等、かなりお気に入りです。

ニューモデル速報 第155弾 MITSUBISHI FTOのすべて
三栄書房
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スバル インプレッサWRXに試乗!(初代GC/GF型) 元祖下克上の名車!

2018-08-24 15:27:10 | スバル

*文章は試乗当時のものです。

◎概要:

 当時の同期の愛車。当初、彼は年代物のフェスティバに乗っていました。とてもいい車で、居住性も高く、私も好きな車ですが、いかんせん古さは隠せず、普通にコーナーを曲がる時でもはでにタイヤを鳴らす天然Fドリマシンでした。さすがに氏も旧MR2にでも買い換えようとこつこつお金を貯めていたようです。ところが、いったいどうやって貯めたのか分かりませんが、貯金額は日に日に増え、それに伴い購入対象も旧MR2から新型MR2へ、さらに”ミッドシップでスキーに行くのは自殺行為に近い”と気づいた氏は、四駆のインプレッサへと購入対象をかえました。275馬力でドリフトを企む私は、インプレッサならSTiがいい、と魔の世界へとささやきかけますが、”275馬力もいらない”と私の誘いを断ちきり、さらには”240馬力もいらない。レガシーのセダンで充分”と、まるで常識人のような事まで言うようになりました。もちろん、まだまだ氏には、はじけて欲しいと願う私はインプレッサ購入へ向け、悪魔の誘いをささやき続けましたが、そんな彼が280馬力の新型インプレッサを購入しようとは誰が予測できたでしょうか・・

◎走り:★★★★★

2リッターにして280馬力をたたき出し、1260kgの軽いボディを四輪駆動で加速するこの車は、間違いなく国産最強クラスの1台です。数々のラリーシーンで優勝を飾り、舗装路、ダート、スノー等ステージを選ばず、常に矢のごときスピードでドライバー及び同乗者を目的地へと運ぶこのマシンはまさにゲレンデエキスプレスと呼ぶにふさわしい車です。この車と対等に戦えるのは、インプレッサと同じコンセプトでつくられながらも外見にえげつなさがにじみでている三菱ランエボくらいしかないでしょう。中身のえげつなさはインプレッサも五分だと思いますが。

◎居住性:★★★★

 スポーツカーどころか、その辺のチューンドマシンよりはるかに高性能なこのマシンは、しかし同時に4ドアセダンとして4人がちゃんと座れる居住性をも兼ねそろえています。ルックス的にもランエボと違い、比較的普通のセダンの形をしているので、車にそれほど詳しくない人が見れば、ドコモの営業車と同じ車にのった常識人に見られるところがポイントで、実家に帰っても隣近所のひんしゅくをかうこともなく、安心して帰省できるというものです。もっとも、少し近くでみれば、そのボコボコとボンネットに空いたエアスクープや、暴走族のようなエンジン音から、このマシンがカタギの人間の乗るマシンではないことがすぐに分かります。羊の皮をかぶった狼、でも牙と爪が少々はみ出してるようなたたずまいが、氏にピッタリである、と個人的には強く思う次第です。

◎まとめ:★★★★★

 いろいろと書いてきましたが、インプレッサが優れたマシンであることは誰もが認めるところであり、氏も非常に満足し、大切にしているようです。本当ならインプレッサの唯一の弱点である燃費の悪さに氏が苦しむはずで、私もそんな氏の姿を心待ちにしていたのですが、残念ながら氏のマシンは燃費もとてもよいということで弱点がなくなってしまい、さみしい今日この頃です。そんな幸せな氏の唯一の悩みは、16インチの大径ホイールのため、スタッドレスタイヤがとても高価なことだそうで、チェーンにしようか15インチにしようか迷っていることだそうですが、冬のスキー場をサインツのように四輪ドリフトで駆け抜ける氏の姿を心待ちにしている私個人としては、ぜひ16インチスタッドレスにしてもらいたいと思う次第です。
 しかも、一時期氏のクルマは、心ない人により盗難されましたが、2週間後に無傷で発見!という奇跡の生還を果たし、氏の愛情もよりいっそう深まったことでしょう。

ハイパーレブ Vol.222スバル・インプレッサ/WRX No.13 (NEWS mook ハイパーレブ 車種別チューニング&ドレスアップ徹底)
三栄書房
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ダッジ バイパーに試乗!(動画あり) フェラーリより目立つV10,8Lのスーパーマッスルカー!

2018-08-17 00:08:37 | ダッジ

*文章は試乗当時のものです。

 アメリカに来たら是非やってみたかったことが2つある。1つは本物のレーシングカーを操縦すること。そしてもうひとつが、スーパーカーをレンタルすることだ。日本ではArtでスーパーカーがレンタルできることは有名だが、そのためには入会金が必要だし、レンタル代も安くない。その点、さすがは自動車大国アメリカ。いたるところにスーパーカーをレンタルできる店があるのだ!フェラーリ、ポルシェ等、お約束のスーパーカーはもちろん、コルベットやプロウラー、はてはハマーまで、およそアメリカでしかお目に掛かれない珍車まで勢ぞろい。車好きとしては、まさにヨダレもののラインアップ。・・・しかし、料金の方は、残念ながら安いとは言いがたい。コルベットで大体$200以上。360モデナやディアブロに至っては、24時間で$2000以上!借りれる訳がない。。。
 で、色々とWebで探し回った挙句発見したのが、こちらのDream Car Rentals!通常のレンタカー店は24時間単位で貸し出しだが、ここは最短 5時間からレンタル可能!その分、価格もリーズナブルになっている。今回は出張のついでということでラスベガスでレンタルしたが、同店はハワイのマウイやサンフランシスコにもあるそうなので、機会のあれば一度試してみてはいかがでしょうか。
 さて、数ある魅力的な車たちの中から今回私が選択したクルマ。それは、ダッジバイパーだっ!!やっぱ、アメ車といえばこれでしょう。トラックベースの8リッターもある途方もない大排気量。超分かりやすい凶悪スタイル。これぞ、マッスルカーの頂点と言える一品です。当日、予定通り午前中に仕事を終えた私は、丁度ヒマを持て余していた同期と共に、ストリップ沿い・スターダストホテル前の同店に直行。裏ビデオ屋のような怪しい佇まいに多少ビビリながらも、店に足を踏み入れたのであった。ちなみにレンタル代は、保険・税金込みで約$300。決して安くはないが、これもクルマ人生の1ページを飾る貴重な思い出と、清水の舞台からダイビングしたのであった。

概要
 クライスラー、いやアメリカが誇るマッスルマシンの頂点。コブラの再来。それがダッジバイパーだ。”でっかいことはいいことだ”と言わんばかりに搭載されるエンジンはV10、8リッター。毒々しい真紅にペイントされた明太子のようなパワーユニットから発生される出力は、パワー400馬力以上、トルク70kg以上。しかも驚いたことに、トラック用に開発された巨大なエンジンをなんとフロントミッドに搭載する(ウソだと思ったら、下の写真をみて欲しい)。2m近い横幅に対し、車高は1190cmと超ワイド&ロー。最近フルモデルチェンジされ、スタイリングが大幅に洗練されたが、私は断然、この旧モデルの方が好きだ。やはりワルならワルで、分かりやすい格好をしてもらいたい。

 

居住性★★
 書類にサインを済ませ駐車所に降りると、そこには真紅のボディーにゴールドホイールという近寄りがたさ満点な毒蛇が、ズボボボボボとアイドリングも勇ましく待ち受けていた。いやー、乗り込むのに緊張を伴うクルマなんてNSX以来だ。あの時はもっぱら”高額なスポーツカー”というのが緊張の主な要因だったが、今回はなんというか、タイに旅行にいって観光地でボアを首に巻いて記念撮影するような、いや確かに金払って希望したのは俺だけど、それでよかったのかホントに!?という生命のカラータイマーの点灯と微かな後悔を伴う緊張感である。
 しかし、このバイパーというクルマ、タダモノではない。いや、タダモノではないのは3歳児でも分かるくらい分かりやすいルックスだが、アメリカンなテキトーさ加減においてもタダモノではないのだ。まず、ドアノブがない。ドアは、窓から内側に手を入れて空けるのだ。え?そんなの窓が閉まってたらどうすんだよ!テキトー言ってんじゃねーよと思ったあなたは甘い。下の写真を見て欲しい。まず、このクルマには窓ってもんがない。ついでに、屋根もない。ぶわっははははは。なんじゃこのクルマは。まさしく万年晴れの砂漠の町、ラスベガスにふさわしい。さて、乗り込んでまず誰しも思うだろうことは、”内装やすっぽーぃ”。チリはあってないし、隙間も広いし、何よりプラスチックの質感が軟質プラスチックみたいでチープ感に拍車をかける。とても1千万円のクルマとは思えない。コストうんぬんというより、あきらかに手を抜いたというかんじだ。助手席側のコンソールのフタに至っては、コドモでも容易に折り曲げられるほど、もう笑っちゃうほど薄い。噂によると、日本輸入仕様はマシな内装に変更されているらしいが、まあこのクルマに乗る人は、内装には期待しないほうが無難だ。
 さて、走り出してからのインプレは事項に廻すとして、走行中の居住性について先にコメントしたい。えー、まず街中を走り出して10分もして気が付くことだが、足元が熱い。まじで熱い。そりゃまあ、8Lエンジンをフロントミッドに搭載してるんだから、必然的に足元はエンジンの熱に晒されるであろうことは明白なんだが、それにしても熱い。革靴を通しても、尋常じゃない熱気が伝わってくる。
 もう一つ特筆すべきは、風の巻き込みだ。もう、男らしいまでに巻き込みまくり。80kmくらいになると、隣と会話することすら不可能。昨今、オープンカーのインプレで”驚くほど巻き込みが少ない”とか目にすると、結構色々なオープンカーに乗ってきた俺としては、”何言ってんだ、普通のオープンカーは案外風を巻き込まないもんだよ、大げさな。”と思っていたが、すいません私が悪うございましたと土下座したくなるほどの怒涛の巻き込みだ。これもオーナーになる人は覚悟しておいて欲しい。

 

動力性能★★★★★
 さて、いよいよ注目の動力性能をレポートしたい!
 まずは、ゆっくりとクラッチをあわせスタート。トルクは売るほど余ってるので、当然アクセルオフ、クラッチを繋げるだけで巨体は動きはじめる。ボンネットの先端など当然見えるはずもなく、慎重に車線に合流。ではクルマの流れにあわせて加速するべく、1速でアクセルを踏みしめずきゃきゃきゃーーーーーーとホイールスピンの嵐!!急いで2速にシフトアップ、試しにアクセルを踏み込むとまたしても幅広タイヤをスピンしまくりながら、前の車が急接近!!だーははははは、なんじゃこりゃ!暫く笑いが止まらなかったクルマはスーパー7以来だ。半クラも使わずに、2速でもアクセルを踏み込むだけ(しかも停止状態じゃなくて、走ってるのに!)ホイールスピンするクルマは初めてだ。しかし、ホイールスピンしてもコントロールは比較的容易だ。
 さて、こんな面白い車を街中試乗だけで終わらせるのはもったいないので、今回はラスベガス中心地から車で30分くらいのところにある、レッドキャニオンのシーニックループという場所に向かった。ここは、その名の通り真っ赤な岩や、縞々模様の岩肌等、奇岩がゴロゴロしている観光地だ。僅か30分ほど車を走らせるだけで、こんなに面白い自然とめぐり合えるとは、改めてアメリカの雄大さを認識する。まぁ、クルマ好きにとっては雄大な自然はあくまでオマケであって、奇岩を巡るために用意してある一方通行の観光道路”シーニックループ”の方が本題な訳だ。一方通行、しかもアメリカにはめずらしいワインディングという事で、テストドライブにはもってこい。実際には、想像したよりも道幅が狭いので、あまり無茶はできなかったが、ストレート加速等、色々試せたので良いとしよう。
 さて、パーキングに駐車して、軽くアクセルを煽ってみると、意外や意外、大排気量エンジンらしからぬ、フォン!!という乾いたレーシーな音をたてる。吹け上がりも予想以上に鋭い。じゃ、交通量が減ったところを見計らい、コースイン。とりあえず空いている直線でアクセルを踏みしめる!と同時に、まさに怒涛のトルク!車体ごと巨人が投げつけるがごとく加速!!同乗者が”ぃやーーーーふぅーーーぃ!!!”と奇声を上げるのも分かる気がする。ターボにはない、大排気量ならではの淀み無きリニアな加速。感覚的にはカマロの同一直線状にあると言える。インプレッサのブラックホールに吸い込まれるような感覚とは違う。恐怖感より、圧倒される感覚が強い。
 さて、ではブレーキングもチェックとばかりにコーナー奥めでフルブレーキング・・・うぉ、とまらねえ!結構、ハンドリングが軽快なので油断してたけど、車重は結構あるので、ブレーキはあまり効かない。あぶない、あぶない。以後、ちょっとオトナしめに走りました。でも、フロントミッドシップはダテじゃないですね。図体の割には、ハンドリングは軽快でした。

 


 いよいよ今回のハイライト。0-100mile(160km)加速に挑戦です。しかも、一般道。

 見通しの良い直線を選択し、前後にクルマがないことを確認して、バイパーを停車。隣にはデジカメを準備した、心持ちホホの引きつった同乗者。ドルルルルルルと肉食獣さながらの唸りを発するマシンは、静かに手綱が解き放たれる時を待ちます。

 1速にギアを叩き込み、軽くアクセルを吹かす。ニヤッっと助手席の同期に向けてスマイル・・それを合図に、クラッチを放しながらアクセルを踏み込む!

 マッドマックスのようにキュワワァーー軽くホイルスピンさせたあと、バイパーは咆哮を上げ、イッキに加速!自然と口から発っせられる自分の笑い声を耳に、僅か5秒後には60mile(約100km)に到達!

 そのまま2速に叩き込む!助手席の同期の首がガックンと揺れるのも構わず、そのままメーターを睨みながらつま先に力を込めます。70・・・80・・・ストレートのエンドが迫ってきます。厳しいかっ・・?

 横殴りの巻き込み風で、既に隣と会話は不可能。意を決して、ハンドルを握りしめます。90・・・100!!

 僅か10秒足らずの時間ですが、こうしてバイパーは私が今までハンドルを握ったなかでは間違いなく最強の動力性能を堪能させてくれたのでした。 

結論

 帰路につくころには、すっかり日は落ちていました。砂漠性気候のベガスは、夜になるとイッキに温度が下がります。昼間はあんなに熱かった日差しも、こうして夜のとばりが落ちてくると、懐かしくさえ感じます。屋根も窓もないので、吹きすさぶ風が体温を奪います。日中は苦痛だった足元の熱気も、皮肉なことに今は丁度こたつのように貴重な熱源です。渋滞が始まると、次第にクラッチを踏む足が苦痛に感じてきます。どこからでも引き出せる、ありあまるパワー。確かにこの動力性能には目を見張るものがありますが、それは単調なものであり、この短い試乗の帰り道には、既にこのクルマに飽きてきている自分がいました。出掛けにマンタンにしたはずの燃料計の針が、すでに半分の位置をさしていることからも、このクルマの非日常性が伺えます。確かにディアブロをも上回るトルクは伊達じゃない。しかし、今ひとつ深みに欠けることも事実です。
 しかし、このクルマの真骨頂は動力性能ではありません。この短い試乗の間、何人の人に声をかけられたでしょうか!通行人は歓声を上げ、対抗車線のRVのおっちゃんはパッシング、パーキングでは注目のマト、ハーレーの兄ちゃんは負けじとアクセル吹かします。過剰なまでに飾り付けられたこの街で、これほど人の注目を引く、しかも暖かい、好意的な視線を集めるクルマは他にありません。シンプルな発想、分かりやすいアピアランス、見えない部分の安っぽさ、そして、何者にも負けない圧倒的なパワー感。アメリカ文化の全てがここに凝縮されています。

 僅か5時間にも満たない短い試乗でしたが、ダッジバイパーは私のクルマ遍歴の貴重な1ページとして、永遠に記録されるでしょう。安くない金額を投資した甲斐は、十二分にあったと思います。

 

 

 

 


マツダデミオ1.3L 2002年モデルに試乗 ルーミーで中々楽しい一台

2018-08-10 23:57:46 | マツダ

 

*文章は新車試乗当時のものです。

○概要
 コンパクトワゴンとしてデビュー以来、大ヒット!バブルの大敗でボロボロになったマツダの屋台骨をかなり回復させた、立役者。それがデミオだ。コンセプトは初代フェスティバに近く、居住性を最優先させたコンパクトカー、というもの。今回は、実家に帰省するためにレンタルしました。ちなみに私はミニバン系の車に詳しくないので、参考として実家のマーチ1.3と比較してみます。

○居住性★★★
 さて、気になる居住性からチェック。さすがに広さがウリのコンパクトワゴン、車のサイズの割に車内の容積は大きめで、大人4人が苦もなく乗車可能。前席も後席も足元に必要充分なスペースがあり、BMWコンパクトより快適なくらいです。マーチより、ちょっと広いかんじ。特に後部座席の座面がちょっと高くなってるのがポイントで、おかげで後部座席に座っても前が見やすいため、閉塞感がありません。しかも、軽自動車より横幅が広いので、横方向の余裕もあり、快適。ラゲッジスペースはマーチよりデミオの方が余裕があり、ボストンバッグも3個くらいは余裕で積めそう。車高は最近のミニバンの中では低いほうですが、ヒップポイント自体が低いため、頭上の余裕は結構あり、コブシ2個は余裕。しかも、車高が高くないことで都内のタワーパーキングも入れるし、高速コーナーでの安定性にも貢献してます。総合すると、結構◎。マーチも悪くないけど、4人乗って出かける時は、デミオの方が楽そうです。

○動力性能★★
 今回は1.3をレンタル(1.5もあります)。結論から言うと、街乗りレベルでは充分です。それなりに走るので、パワー不足はあまり感じません。これは、車重が意外と軽いことも貢献しているのでしょう。高速道路も、意外とそれなりに走行でき、120kmくらいなら結構快適に走れます。この辺は、マーチより優れてるポイントです。ただ、エンジン自体は高回転まで回すと、途端に騒々しくなりますし、それほどパワーも出てません。最大のネックが、ATとの相性が良くないのか、”おいおい、そんなとこでキックダウンするか?”と思うほど、結構頻繁にキックダウンするので、なんだか落ち着きません。まあ、あくまでユックリ走行する分には問題ないでしょうけど、高速の合流や信号からの加速等、ここ一番って時には、イマイチ頼りない気がします。
 

●ハンドリング★★★

なかなか良いと思います。軽い車重と低めの車高のおかげで、普通のセダンなみのハンドリングを確保しており、街乗りは楽々、高速のレーンチェンジも不安なく行えます。車体がコンパクトなので、街中の取りまわしも楽勝。ただ、高速コーナーはハンドルの手応えが希薄で、結構不安です。また、ブレーキもストロークは深い割にはカックンブレーキで、ちょっと使いづらいです。

 ちなみに車高が低めのせいか、高速での横風の影響は少なめでGoodでした。ただ、路面からのロードノイズは大きく、乗り心地もそれなり、といったかんじです。

○結論★★★
 結論としては、車の物理的パッケージング(サイズ、中の広さ等)は大変優れてますが、エンジン等ハードウェア的には、価格なり、と言ったとこです。何しろ100万円以下で買えるので、費用対効果として考えれば、なかなか良いのではないでしょうか?マーチよりも広いし、ビッツより走りも楽しいです。で、価格も安い。そう考えれば、結構お買い得です。
 ただし、広いといっても当然最近のセダンほどは広くないし、内装はハッキリ言って安っぽいです。エンジンも回すとガサツです。あと、運転しやすさ、という点ではマーチの方が一歩上手ですので、運転初心者や高齢者には断然マーチがオススメです。
 まあ、デミオもデビューしてから結構年月が経ちますので、最近のライバルと比較すると粗が目立つのもしょうがないでしょう。むしろ、健闘してるほうです。そろそろ次期デミオも登場しそうなので、そちらに期待ですね。

ニューモデル速報 第500弾 デミオのすべて
三栄書房
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マツダ・ロードスター1.8RS(NB)に試乗! 1.6よりトルクフルで運転しやすい

2018-08-03 23:46:19 | マツダ

*文章は販売当時のものです。

○概要
 世界のライトウェイトオープンスポーツカー、マツダロードスターが待望のパワーアップ!それも、可変バルブで160馬力というから、期待も高まるというもの。世界中のスポーツカーファンの多くがこう夢見ていただろう・・・ロードスターにVTECエンジンが搭載されれば!と。それがついに現実化か!?○居住性

●居住性★★★

 当然、前述の1.6モデルと一緒。但し、今回は晴天に恵まれたので、高速道路以外は基本的にオープンでドライブした。やはり、オープンは楽しい!特にロードスターは、MR-Sに較べて開放感が強いので、オープンエアを堪能したい人には、まだまだロードスターは侮れないチョイスだ。ただ、今回のロードスターで最大の欠点が1つ。それは、乗り心地が悪いこと!いや、別にスポーツカーに快適な乗り心地を求めている訳ではないのだが、なんというか、不必要な乗り心地の悪さみたいなものを感じる。これは、すべて扁平率の低い16インチタイヤのせいである。1.6モデルに較べ、明らかに路面の突き上げが大きいし、ワダチにもハンドルを取られやすい。なんというか、不整地での挙動が不安定なのだ。今回は6時間レンタルなので横浜から逗子まで足を伸ばしてみたが、正直帰ってきた時にはグッタリしてしまった。これは私がトシだからではないハズだ!多分・・・

○動力性能★★★
 さて、今回の注目ポイントは、何と行ってもエンジン!期待に胸を膨らませ、アクセルオンでドライブ開始。ほほう、さすが1.8Lパワフル・・・かな??うーん、ちょっとトルクは太いかもしれないけど、あまり変わってないなあ・・・というのが正直なところ。待ち乗り運転には充分なパワー感で、運転は楽。高速道路や坂道で全開にしてみると、そのままパワーは衰えることなくレッドゾーンへ。これまた過不足を感じさせない。思うに、ロードスターにはこれくらいのパワーがベストマッチだと思う。車中が軽いので、それなりのエンジンでも充分スポーティな走りを実現できるのだ。むしろ、使い切れるパワーとしては、S2000のような過剰ぎみなパワーより楽しいとも言える。ただし、スペックほどのパワフルさは感じられない。エンジンの吹けも、スムーズとは言えず、ちょっと古臭いラフなかんじ。ただし、古き良きオープンスポーツの雰囲気を求める人には、不満はないだろう。

○結論★★★
 結論としては、ロードスター1.8Lは結構オススメの1台だ。MR-Sのようなトルク感はないが、それなりに高回転まで吹けあがるエンジンとライトウェイトらしいハンドリング、そして絶対的な車重の軽さが、運転する楽しさを教えてくれる。1.6Lの方がレスポンスがシャープで通好みだが、待ち乗りやドライブはトルクに余裕がある1.8Lの方が快適。また、1.8の方がドライバーの腕に関係なく、誰でも楽しいスポーティな走りが体感できるだろう。確かにS2000と比較してしまうと、モノが違うとしかいいようのない差をあらゆる面で感じてしまうのは事実。でも、気軽に、かつ自分が使いきれる範囲内でオープンスポーツを楽しみたいスポーツカー好きにとっては、ロードスターこそベストチョイスで、S2000はただのスペックオタクに感じてしまうかもしれない。それだけ、ロードスターには魅力があるということだ。

スピリット・オブ・ロードスター ~広島で生まれたライトウェイトスポーツ
池田 直渡
プレジデント社