レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ビブリオミステリーズ

2018-08-25 09:44:08 | 
『ビブリオミステリーズ 3』
 歴史ミステリーというジャンルで該当本を探した際に、アン・ペリーという作家が出てきた。ヴィクトリア朝を舞台にしたシリーズものが二つあり、記憶喪失の刑事(あとで警察やめた)モンクを中心にしたもの、もう一つがピット刑事。トーマス・ピットは妻がいいとこの出で、その妹は伯爵夫人にまでなっている。そういう妻やその妹が上流階級にもつてをつくって情報収集に役立ってくれている。
 どちらのシリーズも邦訳の出ているものはごく一部であるけど、読んだ限りでは、地位・身分のある人たちの間の事件なので、体面を守ろうとする人々相手なので捜査もしにくいという特徴がある。時代が時代だし、作者も女だし、女の不自由さや偏見の眼に対する抗議の気持ちが強く反映されている。
 上記のシリーズ以外で、『フランス革命夜話』にはスタール夫人が脇で出てくる。
 市内の図書館で検索すると、共著やアンソロジーの類もいくつかある。そのうち一つがこの『BIBLIO MYSTERIES 3』。これに含まれるジョン・コナリー『カクストン私設図書館』、・・・有名文学の主人公たちが形をとって集まっている場所、楽しい。作品の結末を変えてしまいたい欲求、よくわかる。小路幸也『話虫干(はなしむしぼし)』もその仲間(?)と言える。
 この本でいろいろな作品が紹介されているので、読みたいものがまた増えた。
 きのう借りてきたのは『文学刑事サーズデイ・ネクスト』、架空のロンドンで、どうやらこの世界では『ジェイン・エア』が違った結末になっているらしい。それが我々のしる展開に変えられるのか、先を読むのが楽しみである。
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室町繚乱 枕草子 阿刀田高

2018-08-18 20:11:25 | 
阿部暁子『室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君』 集英社文庫
 副題の語るとおり、南北朝時代。後醍醐の子・後村上帝(母・阿野廉子)の娘の透子は、乳母一人を伴として吉野を抜け出すが、人買いにかどわかされそうなところを助けたのは、宿敵・義満と、後の世阿弥たる鬼夜叉だった。
 もちろん私の頭には木原さんの過去の名作『夢幻花伝』が大いに浮かんでいたので、そして『一休さん』アニメをほとんど見ていないので、義満の「オレ様」なキャラになんの違和感もないのだった。
 コバルトでも日本史ものを書いていたというのでそちらも市外図書館から借りた。(なぜかアマゾンの中古で高値がついている。)
『室町少年草紙』と『戦国恋歌』。前者は上記の『室町繚乱』と同じ平面上のものと見て違和感がない、少し前の時期。『戦国~』は信長と濃姫というごくポピュラーな題材。出た当時目にしたような気はするが、挿絵が好みでないのでさほど気をひかれなかったのであろう。


『枕草子のたくらみ』山本淳子 朝日新聞出版
 一条天皇に愛された中宮定子は洗練されたサロンを持ち、そこで活躍したのが清少納言。しかし兄の失脚等でその宮廷は没落してゆく。その後、かつての輝かしさを後世に伝えるべく筆をふるった、それが『枕草子』。
 田辺聖子『むかし・あけぼの』を読んでいればおおいに納得できる見方。


阿刀田高『怪しくて妖しくて』
 短編の名手であるこの作家はほとんど読んでいるが、借りることが多いのであまり貢献してはいない。
 『いろいろな幽霊たち』のオチ、立場によってはオイオイなんだけど、私としては、それでよろしい!ハッピーエンド!と言いたい。
 ところで、小説家が歳くってくるとフィクションらしいフィクションを書かなくなる、エッセイふうのものや講釈本に傾いてくるというのはたびたびある。作家自身の希望なのか、編集・読者側の要求なのか。
 私が最初に読んだ阿刀田本は『ギリシア神話を知っていますか』だったかもしれない。その後、旧約聖書、新約聖書、シェイクスピア、漱石、神曲、コーラン、百人一首、古事記等、「~知っていますか」は出ている。プルタークも扱っている(これは確実に購入した)。
 里中満智子さんが、マンガギリシア神話、旧約聖書、そして古事記ときたので阿刀田高化してる~と思ったものだ。
 里中さんがプルタークをタネにしてくれても歓迎するぞ。
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録画保存とレーベルの楽しみ等

2018-08-12 14:08:43 | 雑記
 私はニュースや天気予報以外のテレビはたいてい録画で見る。見たあとブルーレイディスク(以下BD)に保存することも多い。

 2年前の9月にデッキが壊れて新しいのを買ったが、それにはBDへ保存する機能がなかった。古いほうがいつのまにか治っていた(--このへんはわけわからん)が、BSに対しては使えない状態になっていた。そして今年の2月、J○ムとの契約を一部解除したのでJのデッキも持っていかれて、コードをいろいろと付け直してみたら、BSもちゃんと見られるじゃないか、録画してBDへの保存もできるじゃないか! 
 おととしの9月から約1年半の間に放映されて、保存できなくて残念だった番組はいくつかある。そのうち一部は再放送されて取り返せた。
 『地球絶景紀行』の、特に「ホーエンツォレルン城」、「ザクセン・スイス」、この番組は再放送が稀だが全然ないわけではないので、そのうちリクエストしておこう。
「地球絶景紀行」


 カセットテープというものが一般的だった時代には、「カセットレーベル」が雑誌のとじ込み付録になることがあったし、私も思いついたように凝っていた。
 現在、BDレーベルでは、内容を反映するようにいろいろ貼っている。紀行番組だとその地の写真、旅行パンフから切りぬくのがいちばん簡単だけど、ガイドブック等からコピーすることもある。
 『映像の世紀プレミアム』で、『独裁者3人の狂気』はヒトラーとスターリンとムッソリーニが扱われていて、ムッソリーニはちょっと珍しいのでこの回は保存した。鑑賞に堪えないがこの3人を参考書からコピー。
 『悪女伝説』という番組でシシィとマタ・ハリだったので、適当な写真目当てで2冊もマタ・ハリ本をまた借りてしまった。
 「世界遺産」がマリー・アントワネットの特集だったので、シェーンブルンやヴェルサイユならば新しく本をわざわざ探さなくても充分ある。


「プレミアムシアター」
 NHKのBSプレミアムの、第1週目以外の月曜(実質的には日曜の夜中)に「プレミアムシアター」というクラシック音楽の番組がある。コンサート、オペラ、バレエをやっている。なぜか今月はあまり放送がなく、終わりの週に『ローエングリン』をするだけ。
 BBC主催の夏の恒例コンサートの「プロムス」、最終日のクライマックスには『威風堂々』『ルール、ブリタニア』等の愛国的な曲で盛り上がるのが常らしい。--しかしなぜか今年はこれが放送予定にはいってない。
 今回は保存しておこうと思っていたのに。「ルール、ブリタニア」を歌う歌手はコスプレするのが慣例らしく(私が見たのは2回だけだが)、一昨年はペルーの男性歌手がインカの皇帝のようなかっこう、去年は北欧の女性歌手がヴァルキューレ姿だった。今年はなにか期待しているのに。

 






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「まる」便箋を買い、ラムネを飲んだ

2018-08-05 15:19:13 | 雑記
おととい数年ぶりに某所へ行った。駅にあった書店、もともとたいした規模ではなかったが、それが100円ショップになっていた。「柴犬まる」のグッズが置いてあったので、レターパッドを一つ買った。「MARUTARO」

 今週末は金曜から「七夕まつり」である。上記の某所の帰りにラムネは飲んだ。夏祭りならどうしてもこれがないと気がすまない。ほんとはもっと屋台のたくさん出ている通りに足を伸ばして、ケバブ等買いたかったのだが、そのためにジップロックまで用意していたのだが、疲れてパスしたのは心残りである。 
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キオスク レディ・モリー 渇きと偽り

2018-08-01 06:32:29 | 
『キオスク』 ローベルト・ゼーターラー
 図書館の「新着図書」の日常点検で見つけたドイツ語作品。
 30年代のオーストリア。田舎の少年フランツは、家庭の事情、いわゆる「大人の事情」でウィーンに働きに出る。母の知人がキオスクをやっているのでそこの店員にしてもらった。客の好みをよく覚えること、扱っている新聞をしっかり読むことなどを教えてくれる雇い主は、実は反骨精神の持ち主。常連客の中にはあのフロイトもいる。博士と言葉をかわして初恋(?)をのりきるフランツ、しかし時代は褐色に染まりつつあった。
 マンガ化ならば山下友美さんにやってほしい。



バロネス・オルツィ『レディ・モリーの事件簿』 論創社
 新刊というわけではなく、いまごろ知っただけ。
 『紅はこべ』が有名な作者だけどミステリーが先にあり、『隅の老人』と並ぶシリーズがこれ、初の女性探偵キャラだそうだ。
 ワトスン役の「私」メアリーの傾倒ぶりも微笑ましく、少女マンガでもやってもらいたいものである。



ジェイン・ハーパー『渇きと偽り』
 ハヤカワミステリ。文庫でも先月出た。
 オーストラリア産という珍しさで読んでみた。
 捜査官のフォーク(35)は、幼馴染のルークの葬儀のために故郷に帰ってきた。ルークは生活苦のために妻子を殺して自殺したーーとされているが、彼の親はそれに不審を抱き、フォークに調べを頼む。
 フォーク自身もかつてGFが不審な死を遂げてその犯人と疑われた過去があった。その際にアリバイを偽証してくれたという借りが故人にはあるのだった。
 




 過去の事件の真犯人がクズすぎる、こちらが明るみに出ないのはすっきりしない。
コメント (2)
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