レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ソニア・ウェイワードの帰還 その他

2019-03-19 09:07:00 | 
『ソニア・ウェイワードの帰還』 マイケル・イネス 論創社
  元軍医のペティケート大佐は、ヨットの上で、ついさっきまで生きていた妻ソニアが急死しているのを発見する。売れっ子作家である妻の稼ぎに頼っている事実上ヒモのような状態(退役大佐といってもまだ若い)のペディケート、妻に死なれては困るので、遺体を海に捨てて、妻の書きかけの小説を自分で書き続ける。しかし、妻の姿を見たという知人、異変を感じて脅しに出る使用人たち、—--悲喜劇である。たいへん面白かった。


 
『生きている理由』 松岡圭祐 講談社文庫
 タイトルからわかりづらいけど、川島芳子。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』が面白かったのでこちらも読んでみた。
 数奇な運命ゆえにたびたび取り上げられる題材ではある。
 ジャンヌ・ダルクを知り、自分の目標とするけど、皇帝溥儀に会ってみて失望した彼女がとりあえず達した結論は―― まだ話は終わっていない。男二人+元凶、けっこう少女マンガ向きの要素あり。
 


 70年代の戦争映画『遠すぎた橋』がテレビで放映されたので録画した。珍しく連合国側が負けた「マーケット・ガーデン作戦」を描いたもので、大物多数出演したけど興行的には失敗したそうである。私は大昔に見たことが少しはあるが、時間を間違えていて、3時間枠のうちのあとの2時間しか見なかったので当然見ごたえはなかった。今回は、原作をきちんと再読してから見ようと思って図書館検索したら、ない。県内に広げてもない。念のため『遠すぎた橋』を検索したら、原作は『遥かなる橋』の邦題であった。これならば市内にもある。ハヤカワNF、戦記物いろいろ読んだな~懐かしいな~。

 『遠すぎた橋』が封切られたころ、学年誌だったろうか、映画広告のパロディがいろいろ載っていた。『ジョーズ』は、「人間が泳いでいると「おジョーズ」と声をかける人懐こいサメ」。
 「日本料理にはやっぱり箸でなくちゃ!でも箸がない!箸を持ち去ったのはドイツ軍だ!」--『遠すぎた箸』
 こんなギャグを思い出す。

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ダビデ君 アデライトの花 その他新刊

2019-03-10 16:36:54 | マンガ
『思春期ルネサンス!ダビデ君』2巻 黒木雄心 ジャンプコミックス
 週刊誌連載なので2か月に1冊、早いなぁ。
 表紙(正確にはカバー)は今回ミュシャが元ネタ。
 モナリザさんが書いている小説内容のマンガ化の絵がたいへんキレイで好みだ。
 ダビデがミケランジェロで、ヴィーナスさんがボッティチェリ版で、モナリザさんがレオナルドなのだから、ラファエロ由来のキャラがぜひ必要だな!
 (ところで先日『地球ドラマチック』でモナリザを取り上げていた。いくつかあるモナリザの中で、ラファエロのスケッチがいちばん可愛い!やはり模写でも描き手の個性って出るものだと面白い。・・・有名なモナリザがいちばん可愛くねぇ!)


『アデライトの花』2巻 TONO
 奇病「花の病」は広がっていく。
 ハント家の令嬢コロナに弟キューブの感じていた違和感の正体がついに明らかに?
――1巻から読み返してみると、あっそういうことなのか、と納得できる点が多々ある。
 キューブの眼には、一部の人以外は動物の姿で見えるという設定なので、ほとんどのキャラはデフォルメされた動物の顔で描かれている。
 そして、「花の病」、体から花の香がして、体から植物が生えてきてやがて生命を吸い取られるように死に至る、――現実にはかなりグロテスクなのだろうが、もしこれが、よしなが『大奥』の「赤面疱瘡」のようなものであればさらに悲惨に見えるだろう。
 恐ろしい病を「花」で覆う、人間の姿でなく単純化した動物で表す、これらは一見ソフト化のようでいて、実際それで生々しさを避けているのだが、一周まわって、かえってじわじわとした怖さを増している。つくづくTONOさんってあなどれない、天才というよりも奇才。
 あ~また2年経たないと次巻が出ない~~!雑誌と出版社が無事続いてくれますように~~!


『薔薇王の葬列』の新刊が出たついでに(?)原作をまた手にしてみたら、へ~あの「イチゴ」のセリフや腕の傷を利用するエピは原作準拠だったのか~といまさら気がついた。でも、エド4が父に似ていなかった云々は使えないな、あんなにそっくりに描いてあったのだから。
 バッキンガムの離反はどういうふうに描かれるのだろうかな。
 ケイツビーはその点では読んでいて気楽と言える、最後まで忠実だから。(私の頭の中ではアグリッパ犬に見える)


萩尾さんの『王妃マルゴ』も引っ越し先で落ち着いてきちんと続いていてよかった。
ギーズ暗殺までいったら次の年にアンリ3世もそうなるし、ナヴァルのアンリが4世、この話はどこまでなのだろうか。
 ところで「3人アンリ」は結局みんな暗殺されるのだな。


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ブルーレイディスクの謎

2019-03-04 10:00:28 | 雑記
テレビを見る際、ニュースや天気予報以外はたいてい録画してあとで見る。番組によってはブルーレイディスクに保存する。
 かつては多くの紀行番組を、番組ごとに分けていたが、本数も減ってきてからごた混ぜになっている。
 2,3か月ほどまえ、音楽・美術系と、歴史・紀行の二つに分けて入れることにした。しかし半月ほどまえ、後者のBDをダビングのために入れようとすると、「このディスクでは再生できません」と画面に出て戻ってしまった。何度やっても同様、トリセツも役に立たない。並行して使っている、全く同じ種類のBDはなんともないのに。入れた番組のうち、すごく惜しいものは一部しかないのでとりあえず諦めて、再放送の機会を待つ。それにしても謎だ。件のBDに最後に入れたのは『ザ・プロファイラー シェイクスピア』で、この番組は保存したのは初めてなのだけど、まさかこれが原因なんてこともあるまい。
 録画してまだ見ていない番組はたまっている。保存する予定はないけど『刑事コロンボ』がたくさん。NHKBSプレミアムで、人気ベスト20を下から順に放送している。今月中に終わるだろう。なるべくならば放映順に見たいと思っている。
 『世界のドキュメント』の「ルシタニア号」、「プレミアムカフェ」の「大航海時代」、「日曜美術館」の「北斎」、その他。
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ゆうべはラジオ

2019-03-01 08:37:23 | 雑記
ラジオというものはなんとなく好きである。
 ドイツでフライブルクに着いて、部屋に落ち着いて、まず買ったものの一つがCDラジカセだった。
 現在、部屋にCDラジカセはもちろんある。しかしラジオ局は、ごく一部しかきちんと聞こえないのはなぜなんだか、場所のせいなのか、わからん。NHK・FMが音楽メインなのでここがきけたらいいのにダメである。 AMでNHKの第1と第2は大丈夫である。「第2」は教育番組で、ここで語学をよくきいたものである。いまは第一に合わせてある。朝まずつけて天気予報をきく。夜、CDをつけるのでなければラジオにすることもある。音楽をきけるのが一番いいのだが、それは午前2時台の「ロマンチックコンサート」(外国ものメイン?)、3時台の日本もの、そんな時間には基本的に眠っている。(私は夜型ではない) 夜中に起きてそういう時間帯にあたっていることはまれにある。ゆうべ(数字の上では今日だ)は珍しいその機会だった。「ロマンチック~」の終わりごろ目が覚め、次の番組ではピンクレディーの特集だった。私は別段ファンだったわけではないが、懐かしいという対象ではある。眠さがまた段々降りてくるのを感じながら、ほとんどは聞き覚えのある歌をきいて過ごした。
 ラジオがなんとなく好きなのは、ノスタルジックというイメージのせいが大きい。しかしこれも最先端だった時代があるのだ(鉄道と同様)。いまに、テレビすらもそういう感覚になってしまうのだろう。
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