レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「気流」欄の犬と桜の絵

2011-03-31 12:36:11 | 雑記
 読売新聞の読者投稿欄「気流」のカットは(私の知る限りでは)3人ほど担当者がいて、「熊沢厚子」さんが動物の絵を描く。犬やウサギや小鳥、ぷっくりした小動物で可愛い。

 それらとは別に、読者の投稿で載る絵もある。
 いまごろの季節に、「茨城県土浦市」の「木村幸紀」さんによる犬(柴犬?)と桜の絵が掲載されることがこの数年続いている。本日、それが載った。毎朝、よその散歩の柴犬をなでてはいるけど、新聞での常連と再会もやはり嬉しい。

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落ち着かないコミックス収録の仕方

2011-03-30 05:15:00 | マンガ
 桑田乃梨子『888』(スリーエイトとよむ)が最終巻である6巻を出したあとの本誌「コミックバーズ」4月号(2月末発売)に、「スペシャル」として10ページが掲載されたというので、たまに買うこの雑誌をこの際買った。単行本に載った最終回よりも、こちらのほうがよほど終わりらしさがある。--これをラストに置いたほうがずっとしっくりきたろうに、なんでいまごろ本誌に載せる!? 他誌で『ふたごの妖精りるるとるりり』のあと、姉妹編らしき連載が始まっていたので、こういう場合には、たとえ『りるるとるりり』の番外編があとで出ても違和感のない収録先があると思うけど。
 とりあえず、くだんの10ページは縮小コピーをかけて6巻にはさんでおくことにしよう。
 --「コミックバーズ」はBNも販売しているので、もし、いまごろ知って焦った人も大丈夫、のはず。

 でもまあ、上記の場合は、その作家全般にわたって愛読しているので比較的いいほうである。イヤなのは、一部作品のみ集めたい場合に、一部漏れていたり、ぜんぜん別系統のところに入っていたりする場合。
 ずばり言えば、加藤知子『天上の愛 地上の恋』で、いくつかある外伝のうち、『楽園』一つが未収録。なまじこれがあるから、終わったあとに白泉社のHP掲示板でもさらに番外編を希望する声が目立っていたのだと思う。正直言うと、私は既にこのコミックスを所持していないのだけど、文庫化でもされたら買うだろう。(後半で乱調をきたしたし、結末に不満もあるけど、愛着はやはりある。) --そのときは完全版(言葉通り、もれなく収録という意味での)にしてくれよ。 

 そういえば吉田弥生『マジカル・ダイナマイト・ツアー』の文庫は「完全版」と言いながら一つ漏れていた、サッチーvsミッチー話が(これは歴史上の人物パロではないな)。

 かわみなみ『シャンペン・シャワー』は、本編終了のあと間もなく描かれた番外編『ダイヤモンド・ガイ』がコミックスに未収録のままで、2002年ワールドカップで文庫化の際に入るかと思っていたら入らず。2006年にようやく実現した。

 かわみさんで言えば、HCの『アスタ・マニャーナ』はけっこうとんでもない収録だった。表題作とその前編はいいとして、『ノストラ探偵団』と『ダイダイ青年団』のコミックス漏れが押し込んである。かわみ作品としてこれを最初に手にした読者は困惑したろう。

 川崎苑子『りんご日記』はコミックス6巻、あとになって「デラックス版」3巻が出た。もしまた出る機会があれば、『夢の入り口』も一緒にしてほしい。キャラの名前は違うけど、性格や人間関係からして明らかに『りんご日記』の後日譚である。

 佐々木倫子『忘却シリーズ』に1作、『ペパミントスパイ』に2作、収録漏れがある。どうして『動物のお医者さん』以外の花ゆめ作品は文庫化されないのか不思議でたまらない。


2013、11、1に付記
『888』の上記の「スペシャル」は、12年に幻冬舎から出た『桑田乃梨子短編集 やみなべ』(A5サイズ)に収録された。
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御館の乱 その他

2011-03-27 06:33:37 | 歴史
 『関東戦国史と御館の乱 上杉景虎・敗北の歴史的意味とは?』
 著:伊東潤 乃至政彦。洋泉社 歴史新書の新刊。
 
 本屋で1冊だけレジに持っていくことをなんとなくしたくないタチである私が、なにか別の本を手にしてもう1冊探していて見つけた本。
 上杉三郎景虎といえば、ここで何度か話題にしており、『炎の蜃気楼』にハマったころにけっこうなじみになった人物であるので、こんな本があれば読まないわけにいくまい。
 小説家と歴史家の共著。戦国末期、西日本では信長が台頭していたころ東日本での勢力図の中で、武田と上杉と北条(あるいは今川も)の間を行き来し、謙信亡き後の跡目争いで非業の死を遂げた三郎景虎、彼の人生と周囲の関連を史料をもとにたどる。
 私がまえに読んでいた本では、彼の名が「氏秀」であることと、武田で信玄の養子になっていた説の出所である『関八州古戦録』は信憑性が薄いとして、武田にいたのは怪しいとしてあったが、この本では、『古戦録』よりも古い本で言及があることを挙げて、否定できないとしている。--私の妄想設定では、武田行きはなくてもかまわない展開になっているのだけど、信憑性があるならばそれはそれで嬉しい。でもそれ以上に気になるのは、「坂東に隠れなき容色無双の人」という『古戦録』なのだが、もっと古い記述があるのだろうか。これについては、伊東&乃至のこの本においてもぜんぜん疑問をはさんでいない。なんとなく嬉しい。
 あとがきでも、著者たちの景虎への思い入れが大いに感じられるし、かといって勝利者である景勝を悪くもしていないし、公平に扱っている。(クレオパトラ本でも、こういう態度であればローマびいきが読んでも不愉快ではないだろう)
 ひとつ気になるのは、--『ミラージュ』への言及が一言もないこと。前書きに、「御館の乱」なんて大河ドラマ『天地人』以前は歴史ファンでも名前しか知らなかった、と書いてあるのだ。いや、一部には知られてたぞ、と言いたくてたまらない・・・。もしかして、一部ファンのマナーの悪さを伝え聞いていて敢えて無視したのかとちょっと勘ぐってしまう。
 伊東潤氏は、景虎を小説でも出す予定だそうで、期待している。

 もう一つ。
『英国中世ブンガク』 桜井俊彰 勉誠出版 99
 この本は『アーサー王の死』のときに言及した。文学や歴史はこーーんなに面白いんだぞ!という叫びが伝わってきて好ましい本である。
 しかし、二つツッコミ。
 引用「 どこの国でもそうだが、文学というやつはただ武骨、勇ましい、忠義というだけでは、男どもはともかく世界人口の半分を占める女性にはそう易々とは通用しない。『三国志』オタクにあまり女性がいないのもうなずける。」
 このあと、その点アーサー王物語は恋愛要素が多いので女受けもする、という文脈である。
 「『三国志』オタクにあまり女性がいない」に対して、--んなことねーよっ!!!と言いたくなる人々は大いに違いない。(ネットで、「歴女」にムカツク!という主旨の投稿に対しての同感意見の中に、『三国志』はまだ侵略されてませんなんて声があって、これまたどこを見ているのかと思った) この著者、昨今の「歴女」ブームをどう思っているのやら。新選組ファンが女の子主流であることにもびっくりするんだろうか。
 もう一つツッコミ。シェイクスピア史劇の章で。
「いま一つだけ確信を持って言えるのは、イギリス人が自国の歴史におけるリチャード三世を語るとき、シェイクスピアの『リチャード三世』の影響を全く排除することはもはや非常に困難だということだ。
 善くも悪くもあまりに強烈なリチャード三世像がシェイクスピアによって作られてしまっている。ちょうど日本人が足利尊氏や徳川家康を時代によっては否定的に見たり肯定的に見たりはしても、吉良上野介に対する評価はどういじくろうが変わりないように、リチャード三世へのイギリス国民のイメージもずっとこのままだろう。」
 いや、吉良だって変わるだろう。私の知っているうちでは清水義範がある。最近出た『義にあらず』という小説は吉良の妻視点らしいし。よしなが『大奥』での描かれ方をぜひご覧にいれたいものだ。
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ムダなもの

2011-03-26 16:21:36 | 雑記
 女子トイレにおける「音姫」、水の二度流しなんて、節電・省エネの求められるこの機会に撲滅したい習慣だと思う。
 冬に薄着で暖房、夏に不要の厚着(?)で冷房も同様。

 レジ袋以上にムダだと思うのは、
・飲み物パックについているストロー
  自宅で飲むならばコップにあければ済むので不要。レジ袋はゴミ出しなどに使い道があるけど、ストローはほとんとないのでは。(強いて言えば、夏休みの工作? ヤクルトの容器を使う例があったな。)
・洗剤についてる計量スプーン
 いくつも使ってるうちに無用にたまる。そもそも、なくても問題ない。
 


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レックバリ『悪童』

2011-03-24 13:30:26 | 
 集英社文庫から出ているスウェーデンのミステリー「エリカ&パトリックの事件簿」シリーズの第3弾。
 スウェーデンの海辺の町で、作家のエリカと刑事のパトリックが出くわす数々の殺人事件と共に、様々な人間模様が描き出される。
 エリカは産後まもなく、育児ノイローゼ気味。「ママ友」のシャロットの娘の遺体があがり、殺人事件としてパトリックがその捜査にあたる。シャロットの母と隣人との執拗ないがみあい、シャロットの夫である医師ニクラスにも父との確執がある。
 各章の冒頭に置かれている過去話、甘やかされた令嬢アグネスが、本編にどうからんでくるのかという関心が今回はたいへん強かった、もっと言えば、この最悪な女にいつ天罰が下るのかという期待!
 --ほんと、フィクションにおいて私の出会った女たちの中で、あぜんとするほど道徳心のカケラもない、「悪女」などという言葉では足りないワースト3は、『エデンの東』(原作)のアロン&キャルの母ケイト、『ローマ』におけるアティア、そしてこの『悪童』のアグネスである。 キライというレベルとはまた違う、凶悪女ども。
 (ついでに言えば、嫌いな女は、チョーサー『カンタベリー物語』の『学僧の話』のグリゼルダ、『狭き門』のアリサ、だいぶニュアンス違うけど永井路子『茜さす』の山城楓である)

 ところで、読んでいてヘンに思ったのは、エリカに対するパトリックの言葉遣い。「おまえ」「俺」? 前作までは「君」だったような気がするんだが。--訳者が変更になってるんだな。アマゾンで見ると、1作目の読者レビューで翻訳が読みにくいという感想がいくつもあった。そのせいだろうか。でも、言葉遣いには統一が欲しいものである。かつで『修道士カドフェル』が、3人が邦訳にあたっていて、ところどころ代名詞が違っていた。同じ人間関係の間での代名詞なんて話し合って統一しておくべきだろうに。

 この『悪童』、一難去ってまた一難、という幕切れ。エリカの妹のDV夫がいつ罰を受けるのかとも期待していたのだけど、これまた悲惨で、反面ザマミロの展開に。 こりゃ早いところ次巻を出してくれ。

 『エデンの東』はハヤカワ文庫全4巻、これはお勧め。

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テルロマ実写!? パトラ伝記マンガ

2011-03-22 05:53:34 | ローマ
 ネットでは、『テルマエ・ロマエ』が実写化決定!とのニュースがある。
 マンガからの実写は珍しくないとはいえ、どうやって!?と思わずにいられない。
 私の好きなマンガの例では『動物のお医者さん』、『セーラームーン』がある。
 前者は、特別よくも悪くもなかったと思う。ハマったキャストもあった。
 後者は、暴挙だ・・・と思ったものの、実際に見たらそれほどおかしくもなかった。ミュージカルで耐性がついていたこと、そもそも特撮ノリを目指した話であったこと、--そしてなんといっても日本人の話であること!
 --その点で『テルロマ』はどうなんだ。ハリウッドでとかイタリアでとかいうならばまあわかる。でも「フジ」でっていったいなんなんだ。ローマ人であるルシウスの世界と、「平たい顔族」の対比が重要なんだから、日本人に髪そめさせてガイジンとして見ろというのでは失笑ものだろうに。不安だ。(もっと不安なのは、話題性に乗じてのマンガ引き延ばしだけど。正直、打ち切り以上に私は引き延ばしを憎む!)
 このたびの震災に対して漫画家からの応援メッセージ絵があちこちで発表されている。ヤマザキマリさんのは、ご本人のブログとコミックビームのほうに載っている。「平たい顔族」のじいさんがいつもにも増していい味である。

 小学館の学習マンガ伝記で『クレオパトラ女王』が出ている。さっと立ち読みした限りでは、まあまあの感じ。絵やキャラデザイン良。遺言状の件で、カエサリオンに触れてなくてショックは受けているけど難癖はない。オクタ、多少陰険そうではあるけど凶悪ってほどでもない。パトラ視点のものとしては許せる程度。
 アントニウス「フン、戦場に出たこともない若僧め」
 オクタ「フン、知性のかけらもない体育会系のおっさんめ」 との内心のやりとりがそれらしくて笑える。
 それにしてもだ。一般向け書籍やドラマにおいては、ローマサイドの作品が珍しくなくなっているにも関わらず、児童書である「学習マンガ」の伝記という世界では、やはり「カエサル」や「アウグストゥス」ではなくて「クレオパトラ」なのだな。「世界の歴史」ならばローマ主軸が常だけど、個人を主人公にするならば。そりゃ、彼らが子供相手のお手本にしやすいとも思わないし教育上悪い要素はたっぷりではあるけれど。(実際に子供向け伝記になっている人々だって「偉い人」ばかりではないけど) しかし、第一印象刷り込みというものは大きいので、なにかすっきりしないものを感じる。

コメント (5)
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なんとかドーティル

2011-03-20 06:59:33 |   ことばや名前
 アイスランドのミステリー『魔女遊戯』が先月集英社文庫から出た。しかしここで書こうとしているのは感想そのものではない。

 アイスランドでは、現代でも「姓」がなく、名前+父称を使うという。ロシア人のなんとかヴィッチ、なんとかヴナにあたる部分で、○○ソン、○○ドーティル で○○の息子・娘 を意味する。
 気になるのは、社会生活での呼び方だ。
 ロシア人の場合、たとえば『罪と罰』の主人公を例にするが、「ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ」に対して、ごく親しい人々は「ロージャ」と呼び、かたくるしい場合は「ラスコーリニコフさん」、その間の段階は「ロジオン・ロマーヌイチ」。(こういう呼びかけがロシア文学の長ったらしさを少しばかり増しているのでないだろうか) 
 アイスランド人の場合、ファーストネーム呼びするほど親しくない間柄ではどういう呼び方をするのだろう?
 上述の小説で、主人公トーラ・シグムンズドッティルに対して初対面のドイツ人が「フラウ・グドムンズドッティル」と呼びかけているのだけど、こういう呼び方はヘンでないのだろうか。トーラといきなりは呼べないとなるとこれしかないかもとは思うけど。ううむ?

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マンガつぶやき 888

2011-03-16 13:28:17 | マンガ
本来の予定では、
15日 『ブロンズの天使』5巻(文庫)
16日 プリンセスGOLD
17日 まんがタイムファミリー
が発売なのだけど、遅れてるだろうか。ここ数日外出できていないのでわからん。
 中野京子さん監修のマンガのオペラ、2月発売のぶんは留意していなかったけど『さまよえるオランダ人』が出ているらしい。

 『ブロ天』は、コミックスはいかにも少女マンガらしいソフトで華やかな色彩の装丁であったけど、文庫は赤と黒を基調としている。
 『赤と黒』をさいとうちほさんが描いてもハマりそうだ。

 先月出た桑田乃梨子『888』(スリーエイト)の6巻=最終巻で登場してきたキャラ「一文字こだま」、見た途端にこの格好はシュロッターベッツ!と思った。くわたん、萩尾マンガのネタをよく使うね。 桑田作品にたびたび出てくるキザな男キャラには、声が花輪クン(菊池正美)で浮かぶけど、これは「僕女」なので、う~ん、安直にセーラーウラノスで緒方恵美だろうか。(マンガでは、ウラノス=天王はるかの一人称は「わたし」か「オレ」で、「僕」はないけどね)

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まだ読んでないけど『アーサー王の死』

2011-03-13 15:25:25 | 
 ちくま文庫の『アーサー王の死』が要り用になって、BOで買った。しかし帰宅後それが見つからない。さんざん探したあと、図書館で借りることにして予約を入れて、「手配中」になったーーところで、出てきてしまった。すでに「取り置き済み」になってからキャンセルするのもナンなので、借りてはきた、早く返そう(ほかに予約者がいるのではないから急ぐものでもないけど)。
 これはまだ読んでないけど、先だって、『英国中世ブンガク』by桜井俊彰 (勉誠出版 99)という本を読んだ。「ブンガク」をわざわざカタカナにしていることから察しがつくように、おかたい先入観ではなく、親しみやすく紹介している本である。
 アーサー王はいちばんの話題。
 アーサー王といえば英国と思われがちだけど、英仏はいろいろな意味でかなり混じりあい重なりあっているので、これらの物語もフランスの要素が大いに入っているのだと説明する。
 「どこの国でもそうだが、文学というやつはただ武骨、勇ましい、忠義というだけでは、男どもはともかく世界人口の半分を占める女性にはそう易々とは通用しない。」 しかしアーサー王物語には、不倫を含めて恋愛要素が多分にあって、だから女性受けもすると言う。
「アーサー王物語のこうした華やかな部分こそ、武骨なイギリス人が最も苦手としているところであり、あの色恋ごとには手間暇かけることを惜しまない、それゆえ騎士道をヨーロッパで最も花開かせたフランス人の手を借りるところが大きかったのである。」
 筆者によると、武骨で生真面目なガウェインがイギリス代表、色男ランスロットがフランス的、ということである。

 そういえば、サマセット・モームはエッセイで、「イギリス人は感傷的ではあっても好色ではない」とか、「女のために破滅した男をフランス人は称賛するが、イギリス人は阿呆だと思う。『アントニーとクレオパトラ』なんて史実だと知っていなければとても信じられない」と書いていたな。こういう場合、「~~人」の中に女という人種も含まれているのか、性別逆の視点だとどうなるのか、という点が気になるところではある。
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目>胃?

2011-03-10 09:20:13 | ドイツ
 『ヘタリア』の「日めくりスクールカレンダー」2011は、各国のことわざ・格言がところどころ載っている。10月がドイツ。12載ってるうち、作者私が知っているものが二つ。「ひとは努力する限り迷うものだ」は『ファウスト』(神のセリフ)つまりゲーテ、「ワインと女と歌を好まぬ者は一生バカである」はルター。単語を手掛かりに大独和で見つけたのが二つ、「ベーコンを求めてソーセージを投げる」(エビでタイを釣ろうとする)、「4つの目は2つの目よりもたくさん見える」(三人寄れば文殊の知恵)。探し方によってはもっと辞書で見つかるのかもしれない。
 「目は胃よりも大きい  あまりお腹が減っていなくても、おいしそうなものを見たら食欲が生まれてしまうこと。ドイツ料理があまりおいしそうに見えないのは禁句」 ・・・私もこれにはおおいにツッコミたい。日本料理にこそふさわしい言葉だと思う。
 20年以上まえ、ラジオのドイツ語講座で、日本人女子学生がドイツ人家庭のパーティーでスシを披露する場面で、日本経験のあるそこの息子が「寿司はすばらしい食べ物だよ。なにより美的なんだ」と言っていた。口調もはっきりと耳に残っている。寿司を目にするたびに、なるほどエステーティッシュだよね、と思う。アイスバインにマッシュポテトにザワークラウト、ほぼブラウン系で皿が埋まったドイツ料理も私は好きだけど。もちろんドイツ料理が彩りを無視してるというつもりはないけど。
 あ~ソーセージ食べたい。

 ドイツ料理の話題なので付記。
 先月、読売新聞の「うまい!」(世界各地のささやかな美味いもの紹介)から。
 「かつてドイツ領だった東西プロイセン、シュレージエンなどの郷土料理の店「マーエルヘン」がベルリンにある。ドイツにとって2度の大戦の結果他国領となった「失われた故郷」の味だ。」
 西プロイセン出身の祖母と、東プロイセンに住んでいた母から経営者が味を受け継いだ。
「目玉料理は東プロイセンの中心都市だったケーニヒスベルクの名を冠した「ケーニヒスベルク風肉団子」。牛肉の団子にホワイトソースのかかったもの。「団子に入っているアンチョビが隠し味」
 「以前は同郷人が集まり故郷に思いをはせることもあったが、今は客の3分の2がドイツの「伝統の味」を求める外国人」。
 『ヘタリア』のまえのED『まるかいて地球』のプロイセンバージョンで、「ケーニヒスベルガー・クローセ」は、「レモンの皮とアンチョビを入れるのがミソなんだぜ」と言っているな。
 これも気乗りする。
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