『暴れん坊将軍』の中の懐かしい顔ぶれ

　これを「新選組」カテゴリーにするのはまちがっている。


　BS朝日で平日の午後に『暴れん坊将軍』の再放送をしている。地上波で早朝にもやっているが地上波はあとのほうのシーズンで、BSはまだ初期のぶん。
　この番組は1978年に始まった。当時なかなか評価が高かったことを覚えている。
　「土方役者」の栗さんがセミレギュラーで、お試御用兼公儀介錯人の山田朝右衛門（浅の字を使うこともあるけどこのドラマでは朝）の役。それで私は時々見ていたのだった。
　41話『切腹！酒飲み代官』は、録画していたけどビデオカセット（時代を感じる･･･）が途中までしかなくて前半しか見ていなかったのだ。脚本・結束信二、監督・松尾正武というおなじみの人たちで、朝右衛門の行動もちょっと用心棒の旦那を思わせるものだときいていたので、今回見られて嬉しい。それで、『血風録』の山崎、坂口さん（「赤影さん」）が出ていることにも気がついた。私は『血風録』を初めて見たのは79年に始まった上映会で（『天を斬る』は78年のテレビ神奈川での放送）、だから『暴れん坊将軍』初期のころには『血風録』のメンバーが出ていても気がつかなかったのである。
　44話『鮮血！拝領の剣』では悪役ゲストが名和宏、『燃えよ剣』の芹沢（『血風録』ではゲストで桂小五郎）。
　ウィキペディアでエピソードリストを見ると、同じ東映だけあって出演者に懐かしい名前がぞろぞろ。（監督に河野寿一、松尾正武という名前もある）『燃えよ剣』での島田魁（史実とはかなり違うキャラだけど）の波多野博、斎藤一の玉生司郎、『血風録』の芹沢の遠藤辰雄、等々はくりかえし書いてある。
　チョイ役だけどレギュラーである「め組」の「鉄」の井上茂は、多くの役でくりかえし登場していた、新選組にいたり討幕派（「井上君」と呼ばれていたな）だったり、『鬼の通る町』では板前。
　57話『百鬼！一刀両断』は、朝右衛門が徳田新之助の正体を知ることになる話で、結束脚本だし朝右衛門が活躍するしで楽しみにしている。

　ホームズがアイリーン・アドラーをthe womenと呼んでいたように（？）、私が「あのシリーズ」と言えば『血風録』～『燃えよ剣』（間に『俺は用心棒』『天を斬る』等）を指すのである。

『母の日に死んだ』『挑発する少女小説』

ネレ・ノイハウス『母の日に死んだ』　創元推理文庫
　ドイツ・ミステリのオリヴァー＆ピアのシリーズ。舞台がフランクフルト近郊でわりに知った地名が多い。
　多くの里子を受け入れてきた富裕な老人が殺害され、複数の変死体も発見される。過去の多くの女性失踪事件とも関連が浮上した。
　
　解説によると、ドイツではクリスマスに殺人が多いそうだ。ふだん会わない家族が顔を合わせるので問題が出てきてしまうと。『ポアロのクリスマス』あたりでも似たようなことが書いてあった。『人形の家』がクリスマスを背景にしているのも、家庭とは幸福だけでなく偽善・取り繕いを抱えたものであることを表しているのだろう。――家族が集まるといえば日本で正月、年末年始なんだが、この時期に家庭内殺人が多いということはあるのだろうか？
　
　まえに書いたことがあるが、ふしだらな母を持った男がのちにそういう女たちを殺していくという話がミステリーでたびたび見受けられる。これもそれに類似している。貞節さや母性に反する女への憎悪、･･･だからといってなんで天誅を下す権利があると思うんだか。


斎藤美奈子『挑発する少女小説』　河出新書
　ここでいう「少女小説」は『アン』『若草物語』の類。
　「家庭小説」＝良妻賢母を育てるという目的とも言えるものの、現に少女たち女性たちに支持され続けてきた作品たちがそんな都合のいいものであるだけのはずがない！というわけで、レジスタンスを読み取っていく本である。
　取り上げた９作品、『大草原の小さな家』以外は読んでいる。
　『あしながおじさん』は高校時代に読んで、続編がけっこう毛色の違った面白さを感じたことを記憶している。再読したくなった。
　『ふたりのロッテ』で、両親の離婚で生き別れた双子は分断ドイツが重ねられている？という指摘は甚だ興味深い。

　ですます体で書かれていることもあって、斎藤美奈子さんのほかの著書よりもソフトで読みやすい感じ。

雨の日曜日・・・は昨日のこと

　朝方は冷えることの多いこのごろ。
　以下、きのうの話：
　今日は選挙で昼から雨の予報なので、午前に出かけて投票を含めて４か所の用事を済ませて戻る。帰りのころにはもう降っていた、フード付きのコートにしてよかった。

　月初めによくある、とにかくなにか投下しておきたいための間に合わせ。