レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『新・地球絶景紀行』10月に開始

2019-09-24 07:14:40 | 地理
 紀行番組については「地理」カテに入れることにしている。
 外国の紀行番組が減っているのは淋しいことだとここでたびたび書いている。BS-TBSの平日朝7時台が紀行番組の再放送枠であることも。9月に『地球バス紀行』をやっていて楽しみだったが、10月は日本国内の鉄道旅ものになる。
 しかしなんと、『地球絶景紀行』が「新」として再開。
「新・地球絶景紀行」
  ヨーロッパの時には見るつもり。
  でも昔のぶんの再放送だってやってくれていいんだよ~~!

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祝、復刊『あさぎ色の伝説』

2019-09-17 06:54:18 | 新選組

マンガカテにしたほうがよさそうな気もするけど「新選組」に入れてみる。

『あさぎ色の伝説』が「和田慎二傑作選」の一環として秋田書店から2巻本で出た。それぞれ本体2500円、税込みだと合わせて5400円になる。単純にページ等で言うならばかなり高い。「復刊ドットコム」よりはだいぶましであるが。
 「花とゆめコミックス」で出た4巻目はかなり稀少なものと言われており、私自身も、買ったかどうか記憶にない。
 『菊一文字』は、タイトルを見ただけでは、読んだかどうかわからなかったが、読んだら思い出した。長らく埋もれていた名刀が、奇妙な老人経由で入手されるという展開は、司馬・結束路線の影響?
 物語の内容の時間軸で並べると、
試衛館の鷹→風のまつり唄(結成まで)→水鏡(芹沢派粛清よりあとの文久3年)→風車(池田屋の少し前)ははっきりしている。
発表順ならば
風車(76年)→試衛館の鷹→水鏡→風のまつり唄(78年)
 ここで10年もブランクがあり、
菊一文字→夢桜 は88年~90年に「花とゆめEPO」に断続的に掲載されている。これらは作中に何年と記載はないが、総司の病がまだばれていないので池田屋より前だろう。(近年の研究では、池田屋喀血はなかった説が有力のようだが、『あさぎ伝』はたぶん伝統的なゴホゴホでいっていただろう)
「花とゆめEPO」を私はほとんど買ったことはなく、でも『菊一文字』『夢桜』は読んでいるということは、・・・やはり4巻は買ったのだろうか。
『夢桜』で、トシが部屋で静かに筆を手にしているところに総司がドタバタ騒がしいので~~のコミックリリーフは楽しい場面。(↑俳句ひねってるんだな、と通にはわかるという心地よさもある) 桜を秘密にしておくエピもいい。こういうシーンを覚えていなかったことからすると、4巻は買ってなくて雑誌の立ち読みですませたのか?という気もしてくる。
 いまとなってはどうでもいいけどね。

 2004年の大河便乗で、あのころ新作旧作ともに毎月毎月新選組マンガがコミックスリストに並んだ。どうしてあの時に『あさぎ伝』も復刊しなかったのかと不思議でならない。(まぎらわしい題の『試衛館の鬼』がコンビニ本で出たのはけっこうなことだった)
よく指摘されることだが、「オケが転がった話」は紹介されずじまいだし、斎藤一の正体も謎めかしていたし、総司と芹沢が風呂に入っているところにはいってきた女(あのシルエットは女にしか見えん)は何者だったのか、なにかの伏線だったのか? いろいろと残念である。
 ところで、『あさぎ色の伝説』の本当の初登場は、

75年別冊マーガレット3月号なのである。
 75年には週刊マーガレットで木原さんの『天まであがれ!』(※)も連載された。前年に草刈正雄主演の映画『沖田総司』もあったし、そのころいわゆる「沖田総司ブーム」だった。そして77年にはテレビドラマ『新選組始末記』(数回しか見てないけど)。76年には宝塚で『星影の人』。
 作者がネコと一緒に出てきて「お待たせいたしました!ヒゲクマ初の時代劇ロマン!さて始めよう!」(「ヒゲクマ」とは当時別マで使われていたニックネーム。読者から募集して決められていた)「時は幕末~嵐の中の静けさを保っていた」と講釈師のように作者が語り、ネコに「わかる?」と問い、「ぜんぜん」と答えるネコ、「わからない人は社会科の教科書を読もう」
「その動乱のまっただ中~血みどろの幕末にあってさわやかな笑顔を残した青年 その名は沖田総司!」と指さす作者、そこで「え?」と振り返る総司、たしかそのあと「しじみ売りの佐平さんか」とつながったと思う、――つまり現在の『風車』である。「うちのしじみが売れた・・・こんな嬉しいこと初めてや」までで中断していた。(病気のためと当時発表されていたが、実は、その時に限って締め切りが厳しく、続きを載せる必要もなしと宣告された、とあとで作者が明かしていた、これは某同人誌での再録を見た、元々どこに載ったものか知らんけど。『風のまつり唄』2年くらいで完結させたいと書いてあったので始まるころだったのだろう)
 その次の号(別マ4月号)で、これまた記念すべき『超少女明日香』の第1作目前編が載った。(後編で、洗濯物を干しながら明日香が「燃えよわが剣わが命~」と歌っていた) 『明日香』は好評を博して長く続いたことは周知のとおり。(「フラッパー版」までは私は知らん)
 76年にララで連載化、しかし78年に『風のまつり唄』終わりでまた中断。ラストの次のページに「こんなはずじゃなかった 予定ではいまごろ池田屋事件を描いているはずなのに 構想練り直しじゃい!」と当時の挿絵つきコメント。
 ―――復刊するならば、それにあんな高額なものにするならばなおさら、そういうコメントページや、描き変えられた別マ版のページなども収録してもらいたかった。
 最初に載っている、「ようやく始められる・・・」のコメント付きカットはララでの開始の際のものだったのだろう(「宝塚とは無関係!」とあることからも時期が合う)、これが載っているならばなおさら、中断時のもの(「構想練り直し」)も入れてバランスとってほしかった。
 数年まえに出た『Z(ツェット)』完全版は、コミックス未収録だった最終話まではいっていただけでなく、ララの閉じこみピンナップや予告カットまで、2ページ使ったマンガ形式予告はもちろん(「だいじょうぶです 蘇我馬子という人もがんばっています」)、ばっちり載っていた(それらが一つ残らず見覚えのあった私)、よくここまでやった、偉い!。
・・・・・・あのくらいにやってもらいたかった!

 ブログ内検索しても、『あさぎ伝』別マ版の詳細、『Z』完全版について出てこない。どうも信用できないけど、ダブってもいいから書いた。でも遡って読んでみても、ない。『Z』完全版は、電子で出たのが2013年なので紙本は遅くとも13年、そのころ「完全版」「愛蔵版」について話題にしているのに、そこで『Z』に触れていないのは我ながら奇妙なことだ。
※ 『天まであがれ!』については、作者は2,3年かけるつもりでゆっくり描いていたらアンケートが悪くて(「おかげで単行本は売れましたが」)打ち切り宣告され、ケンカして30週もぎとったという。山南事件のあと大政奉還までは年表ですっとばした。
 
 新選組マンガで未完は、『俺の新選組』by望月三起也、『無頼』by岩崎陽子、『ひなたの狼』by斎藤岬もある。『俺新』と『ひな狼』は、芹沢派粛清で第1部完で5巻というまったく同じパターン。4作のうち半分が作者が故人になってしまっているよ・・・。

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このごろラジオ

2019-09-13 11:39:51 | 雑記
このひと月ほど、CDを全然使っていない。ラジオをきいている。
 うちにはCDラジカセが二つあり、新しいほうはCDは使えるけどラジオがだめになったようだ。古いほうは、CDがだめでラジオは大丈夫。それでなんとなく、このごろはラジオ。NHK・FMは音楽番組が多いのでたいていそれ。朝5時と昼前に放送される『弾き語りfor you』は、リクエストに応えてピアノアレンジを聞かせる番組で好きだけど、どちらかといえば夜にゆったりとききたいタイプである。平日朝6時台の
『古楽の楽しみ』は、中世からバロックの音楽を扱っている。土曜は『ビバ!合唱』。土曜午後の『アニソンアカデミー』は、2時間もあるので毎回・全部とはいかないけど、きけたらラッキーな感じである。
 金曜の午後に4時間(平日だと『クラシック・カフェ』)『オペラ・ファンタスティカ』という番組があり、今日は『ドン・カルロ』。全部は無理なので第一幕くらいききたいものだ。

 フライブルク留学中、ラジオはよく聞いていた。部屋に落ち着いて真っ先に買ったものの一つがCDラジカセだった。どういう局があるのかどんな番組があるのかまったくわからなかったが、なんとなく、「SWR4 」SuedWestRundfunk 訳するなら、南西第四放送といったところだろう、そこに合わせていた。アパートにただで配布されていた地元新聞というより市内報に近いものと一緒にいつもはさまれていたエデカ(スーパーのチェーン店。隣にあった)の広告冊子にテレビ欄はついていたけどラジオの情報はなかった。でもそれなりに楽しんでいた。
 先日きいていた音楽番組で、流した演奏の出典が「南西ドイツ放送」と出てきたのでたいへん懐かしかった。
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メロディ 劉備徳子 ロカ女

2019-09-10 08:20:13 | マンガ
よしなが『大奥』は、単行本が出たらその直後の本誌メロディで「続きが読める!」が常なので、私もたいていそれにのっかり、年に1度くらいは買うことが多い。前回は、ひかわさんの連載再開と共に「メモリアル」冊子という付録がありそれ目当てで買ったので、珍しく2号続いた。しかし、『八雲立つ』は話がよくつかめなくてナナメ読みだ、樹さんは好きなほうだけど。『蜻蛉』(これで「かげろう」でなく「せいれい」とよませている)は、絵がみづらいし中華ものは苦手でほぼとばしている。
 読み切りの『みるくとアリス』by樫野宇季、『兵隊さんと月夜のワルツ』byつぐみ屋 が良かった。背景は違うけど、自分の意志を通すということは共通している。
 『姫君の条件』のころの朔野安子さんは、かわいいけどうまくはない絵で、私の中では遠藤淑子さんを連想させる分類だった。久々に見たらだいぶ洗練された絵になっていた。
 『大奥』の続きでは、家茂の代わりに自分が産む!決意をした和宮(ニセモノ)だけど、既遂にならないうちに家茂の訃報、――続く。
 中澤「私が代わりに和宮様のお相手をしてもよかったのですが」のあとの一コマ(簡略顔の天璋院)、「そうか」「ハイ」(ああいう気の強い女実はキライじゃない)――このへんはけっこう笑える。天璋院(男)はここで内心けっこう驚いていただろう。「お相手」を選ぶ際には当然容姿も条件にしていただろうし、中澤は明らかにそこは落ちるし。
 初代(?)黒木――赤面疱瘡の予防に尽力した黒木様とその女房は美形ではなかったのに(でも本人たちは互いに「いい男」「いい女」と思っているという、たいへん微笑ましく幸せな二人であった)その息子の青史郎はかわいいのが謎だったけど、そのまた息子が大奥で違和感なく活躍できるための設定だったのかと納得できた。
 17巻で、ネコ「さと姫」をかわいがっている天璋院がかわいかった。


仲野えみ子『劉備徳子は静かに暮らしたい』
 4巻が先月出ていることに気がついておらず、いまごろ購入。新キャラの「超川出雲」(ちょうかわ・いずも)が保育士という設定が納得できておかしい。玄徳の子を抱えている図がデフォ(?)なので。私にとって三国志は白井版がいちばん印象が強いからよけいに「趙雲子龍」=子守である。
 次巻で終わりということだ。


『ローカル女子の遠吠え』5巻
  そもそも駒倉葛尾さん目当てで買い始めて、駒さんの連載が終わったあとも、好きな連載が多かったのでしばらく買っていた、しかし姉妹誌の整理統合のためにそれらが激減してしまったので購読はやめた月刊誌が「まんがタイムスペシャル」である。「好きな連載」は、①単行本買うほどではない:2本、②単行本出ない:2本、③単行本買ってる:1本 だったのが、その①の一つは終わり、②は二つとも終わったので買うのをやめたのであった。そして③が『ロカ女』を指す。4コマ誌はコンビニにもあるのでちょこちょこ立ち読みはしているが。
 元モデルの卵で長身美女の水馬さんのワイルドさが楽しい。登山につきあいたくはまったくないけど。
 巻頭にはキャラ紹介が恒例だけど、今回は静岡県地図とそれぞれの出身が載っている。つくづく広い県だと思う。私が行ったのは沼津だけだが、文学だけに限っても、井上靖、若山牧水、芹沢光治良の記念館があるし。
 桐島は例によってムカつくキャラ。りん子の天敵(とりん子が思っているけど先方ではむしろかまってくる)五樹は、静岡の出だけど東京になじんでいる。明らかに雲春より顔も収入もいい。桐島が彼にアタック(死語?)してばっさりふられたらいい気味なんだけど、と何回も私は書いている気がする。
 ツナ缶は重宝なものである。静岡ありがたい。
りん子さんの仕事大好きっぷりは少佐並かも。
 


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『ある人生』等

2019-09-04 06:54:00 | 
『ある詩人の死』 ダグ・アリン 光文社文庫
 「英米短編ミステリー名人選集Ⅳ」。
 なにかのアンソロジーで面白かった作家なので選んだのだろう。
 解説によると、「シリーズ・キャラクターが多すぎる」ことが不利な作家だそうだ。(「主人公を一人に絞ったほうが知名度があがりやすいのに」――私は西村京太郎を数作読んだことがあるが、戸津川警部の個性というものが感じられず、同じキャラである必然性が理解できない) 『ダンシング・ベア』が収められている吟遊詩人タリファーをもっと読んでみたい。


『ある人生』ローベルト・ゼーターラー
 「新潮クレストブック」で『キオスク』をまえに読んだしここでも言及した。
 オーストリアの村、私生児アンドレアスは母を亡くして義理の伯父にひきとられ、そこでこきつかわれながらたくましく成長して独立し、骨身を惜しまず働き、恋をして結婚し、しかし死別する。幸せのささやかな、しかしやけになったりもしないで淡々と真っ当に生きていく。特別に変わったことはないけどそこがかえって非凡に感じられる小説である。


『方丈の孤月 鴨長明伝』梓澤要
 伝というけど小説。かなりヘタレな長明。
 歌にのめりこむ後鳥羽院のエキセントリックな激しさに密かに共感を覚えているあたりが興味深い。
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大奥 軍神ちゃん

2019-09-01 10:06:44 | マンガ
柳原満月『軍神ちゃんと呼ばないで』6巻 『ここから風林火山』2巻
 前者では、(女謙信のデフォなのか)お互いの正体を知らないまま逢引していたお虎とハル、虎の側では相手が宿敵だと知る。都では関白の妹に迫られる。
 後者は「戦いはこれからだ」エンド。やはり諏訪姫がヒロインポジションになったけど、けっこうボケのはいったキャラ。
 それにしても、『クレオパトラな日々』でも言えるけど、あからさまな巨乳よりも、お虎のちっぱいのほうがかえってエロスを感じる。

『大奥』17巻
 家茂があまりにけなげで泣ける。
 新刊が出る時には「この続きがメロディ最新号で読める!」が常で私もその機会にはなんとなく買う。ああついに・・・。


 いまのところ慶喜は、頭よくても性格の悪い男という扱いなのだが、冷たいまま終わるのだろうか。

 「人の親になるのにその子の父と母でなくてはならない訳では決してないのだという事」という家茂のセリフは、実の親の虐待がしばしばある昨今、よけい重い。さらには、男女でなくてもいい、と作者はきっと思っているだろう。

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