読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
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逆説の日本史 (3) 平安建都と万葉集の謎

2006-08-30 | 歴史小説・歴史
逆説の日本史 (3)

小学館

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『「軍隊と平和憲法」論争の原点は平安京にあった・意表を衝く問題提起の根底にあるものとは、「天皇(家)および平安政府の軍備放棄というのは、日本史上極めて重大な、エポックメーキングな出来事である」(あとがきより)。なぜか。著者はその理由の一つは「言霊」であると説く。日本人固有の言霊信仰という新たな視点から、日本史の真実に迫る。解説・大月隆寛。
目次
第一章/道鏡と称徳女帝編
-愛人騒動をデッチ上げた「藤原史観」
称徳女帝に生涯独身を強制した時代の掟/「乱倫の女帝」の愛人関係を検証/藤原仲麻呂と大炊王は「奇貨おくべし」を再現しようとした!?/対朝鮮半島の外交政策が原因だった称徳女帯のクーデター/「道鏡巨根説」「道鏡愛人説」を生んだ歴史家の錯覚/愛人関係を否定した称徳女帝の詔勅/「皇帝」になろうとした藤原仲麻呂の野望/「道鏡皇帝」を決断した称徳女帝のある事情/ユートピアを実現しようとする「外来思想修正の法則」/皇帝史観と表裏一体の「藤原史観」 ほか

第二章/桓武天皇と平安京編-遷都を決意させた真相と風水説
遷都反対派を一掃した「藤原種継暗殺事件」/「平城京~長岡京~平安京」遷都は怨霊対策/平城京と奈良の大仏を捨てた天皇家の贅沢/「エリコ返還」と「平安遷都」に共通する宗教の力/風水説により設計された平安京と江戸/「迷信」ではなく「科学」としての陰陽道/長岡京の「鬼門」に位置する平安京 ほか

第三章/『万葉集』と言霊(コトダマ)編
-誰が何の目的で編纂したのか
恋人の名を口にできない古代人のタブー感覚/言論の自由を封殺し続ける「コトダマ信仰」の世界/戦後平和は「平和憲法」によって守られたのか/「祝詞」化している外国製日本国憲法/コトダマが支配する「憲法第九条問題」と「言葉狩り」/本名と通称を使い分けさせた名前のタブー/「原万葉集」に犯罪者の歌が掲載された謎/「正史」に記載されなかった『万集』の成立事情 ほか   』

このシリーズの繰り返しの多い論の進め方には(2)でうんざりしているのだが、平安建都(つまりは捨てられた平城京)に興味があるので読んでみた。
しかしながら、面白かったのは『「軍隊と平和憲法」論争の原点は平安京にあった。日本人固有の言霊信仰という新たな視点から、日本史の真実に迫る。』という点。
「こんな軍備ではアメリカ軍に負ける(のだから戦争するのは間違っている)」とは誰も言えなかった(言うとそれを願っていると思われるから)…日本人の思想というか日本教の有り方ってなんとかならないものか。

福岡の「海の中道大橋」は「もし自動車事故が起こったら」と考えては(コトダマのせいで)事故が起こる事を願っていると思われるから欄干の強度を上げておかなかったのだろうか?(そのせいでオリンピック国内立候補地の選挙に敗れたのだと噂されているが)
吉野川第十堰の可動堰化問題は「150年に一度起こるかもしれない水害」に備えるためだと説明されたが、コトダマは「起こる事を願っている」と判断しないんだろうか。

因習にとらわれずに合理的に生きているように思っている私でさえ、指摘されてみればコトダマに囚われている部分があると思う。
現代人である自分が未だに言霊思想に多かれ少なかれ染まっていることをきちんと自覚した上で、論理的な思考をする努力をしていかなければならないと思う。
憲法改正問題などその際たるものだろう。
これは「言霊」の感想文じゃないんだけどね(苦笑

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