読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

古書の来歴

2010-05-20 | 海外ミステリー
古書の来歴
ジェラルディン ブルックス
武田ランダムハウスジャパン

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『100年ものあいだ行方が知れなかった稀覯本「サラエボ・ハガダー」が発見された――
連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐさまサラエボに向かった。
ハガダーは、ユダヤ教の「過越しの祭り」で使われるヘブライ語で祈りや詩篇が書かれた書である。
今回発見されたサラエボ・ハガダーは、実在する最古のハガダーとも言われており、500年前、中世スペインで作られたと伝えられていた。
また、ハガダーとしてはめずらしく、美しく彩色された細密画が多数描かれていることでも知られていた。
それが1894年に存在を確認されたのを最後に紛争で行方知れずになっていたのだ。
鑑定を行ったハンナは、羊皮紙のあいだに蝶の羽の欠片が挟まっていることに気づく。
それを皮切りに、ハガダーは封印していた歴史をひも解きはじめ・・・・。

異端審問、焚書、迫害、紛争――
運命に翻弄されながらも激動の歴史を生き抜いた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリ。 』


ハンナの古書鑑定家としての素養、仕事ぶりには少々疑問を差し挟みたくはあるが、面白い小説である。

少しの事実を元に大きくフィクションの羽を伸ばす様は見事と言うほかはない。

著者には、ピューリッツアー賞を受けた若草物語の南北戦争に行っていて不在がちな父を描いた「March」という小説があり、邦訳刊行が予定されているそうだ。
こちらも楽しみ!

サラエボ・ハガター、本物を見に行きたくなりますよね!



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謎解き フェルメール

2010-05-17 | その他
謎解き フェルメール (とんぼの本)
小林 頼子,朽木 ゆり子
新潮社

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『現存する作品、わずか30数点。その1点1点を読み解き、人間フェルメールの真実の姿に迫る。フェルメールのどこがすごいのかを真正面から知りたい人のためのフェルメール講座。『芸術新潮』2000年5月号特集を再編集。』


世評の高いフェルメールだが、好きではない。
食わず嫌いもいけないかなと本書を手に取ってみたが……やはり好きにはなれない。

だってね、ここだけの話、ブスでしょ?ヾ(・・ )ォィォィ


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孤愁ノ春ー居眠り磐音江戸双紙(33)

2010-05-13 |  佐伯泰英
孤愁ノ春ー居眠り磐音江戸双紙(33) (双葉文庫) (双葉文庫 さ 19-38 居眠り磐音江戸双紙 33)
佐伯 泰英
双葉社

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『桜の季節を迎える頃、佐々木磐音とおこん夫婦は、隅田川沿いの小梅村にある今津屋の御寮にその身を移していた。神保小路の尚武館道場の門には竹矢来が組まれ、小梅村の御寮や両国西広小路の今津屋にも田沼一派の役人がその目を光らせる中、旅装束の磐音とおこんが夜の帳にまぎれ小梅村をあとにする。 』


家基さまが殺され、大きく舞台は転換。

家基の死(1779年)から田沼の失脚(1786年)までは7年。
7年間もの旅の空なのだろうか。

おこんさんがおこんさんらしさを取り戻しているのがうれしい。

読者もおこんさん同様磐音さまを信じていくしかないのだなぁ。

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甲骨もじであそぶ ちゅうごくの十二支のものがたり

2010-05-07 | その他
甲骨もじであそぶちゅうごくの十二支のものがたり
おうよう かりょう,せき とみこ
JULA出版局

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甲骨文字って、考古学の世界でだけ見るものだと思っていたのだけれど

具象と抽象の間にあって、楽しい。かわいい!

十二支以外の文字も豊富。

なかなかめっけもんでした。


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アリス・イン・ワンダーランド

2010-05-07 | その他小説
アリス・イン・ワンダーランド (竹書房文庫)
脚本 リンダウールヴァートン
竹書房

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『アリスは19歳になった。退屈な男・ヘイミッシュから求婚されるも、困惑して逃げ出したアリスの前に、懐中時計を持った白うさぎが現れる。彼女は白うさぎを追って穴に転がり落ちた。そこは<アンダーランド>と呼ばれる不思議な国。ドードー鳥、ヤマネ、太った双子・トウィードルダムとトウィードルディーたちが、アリスを呼び寄せたのだ。彼らは独裁者・赤の女王による暗黒時代を終わらせるべく救世主を求めていた。預言の書によれば、「来るべき<フラブジャスの日>に、金髪の戦士が<ウォーパルの剣>で女王の操る怪物ジャバウォッキーを倒す!」という。そこに描かれた姿は紛れもなくアリスだ……!やがて赤の女王が放った追っ手を逃れ、タルジーの森に逃げ込んだあり巣は、奇妙な帽子屋マッドハッターに出会う。マッドハッターはアリスの再訪を心待ちにして、何年もお茶会を続けていたのだった……。 』


元々「不思議の国のアリス」は嫌い。
変なものがいっぱいでていくるだけで、ぜんぜんわけがわからなくて…。
ディズニーのアニメも(主要な場面のスチールは見知っているけれど&主題歌も歌えるけど)見たことがない。

大ヒット中の映画「アリス・イン・ワンダーランド」のノベライズが出ているので、モノは試し、読んでみた。

あとがきに『ダーク・ファンタジーの巨匠がナンセンス・ファンタジーをヒロイック・ファンタジーの手法で語り直した映画』とあって、確かにそういう観点はよくわかる。
この映画、よく原作の著作権者が許したものだとも思うけど…(・・;)

白の女王が調合していた薬、赤の女王を治すためのように思えたけど、どうなるのかしらね。
アリスとマッド・ハッターの恋の行方は?
いろいろ気になるファンタジーです。

映画も見てみようかな。


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ヴァルド派の谷へ―近代ヨーロッパを生きぬいた異端者たち

2010-05-04 | 宗教
ヴァルド派の谷へ―近代ヨーロッパを生きぬいた異端者たち (historia)
西川 杉子
山川出版社

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『ピエモンテの谷に住む異端の末裔ヴァルド派。宗教的迫害を生きぬいてきた彼らが、存亡の危機を迎えたのは、17世紀末、時代はすでに「啓蒙の世紀」。谷を守るため、ヨーロッパの啓蒙空間をかけまわるヴァルド派と、彼らを支えたヨーロッパ諸勢力の意外な結びつきを通して、錯綜するヨーロッパの近代を考える。 』


ヴァルド派の存在を知らなかったので、とても興味深く読んだ。
著者自身がヴァルド派の存在に気づく経緯は面白いが、その後の研究内容(?)は隔靴掻痒の感を免れ得ない。
ヴァルド派についての研究はすでにヨーロッパでは先達がたくさん居るのではないのか?
まあ、日本語で平易に書いてもらえるとわかりやすいわけではあるが…。

著者自身の現実的な、ある意味冷徹な目は楽しい。






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想い雲―みをつくし料理帖

2010-05-04 | 時代小説
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
高田 郁
角川春樹事務所

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『土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった―。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。 』


3作目。積読になっていたのをようやく読む。

淡々とした日常に陥ってしまっていて、波乱万丈を期待すると肩透かし。
この程度が安心できると思うか、物足りないと思うか…。
今後の展開も迷うところだろう。

料理は相変わらず美味しそう。





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喜娘

2010-05-03 | 時代小説
喜娘 (新人物文庫)
梓澤 要
新人物往来社

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『帰国を前にして皇帝代宗に謁見した第十四次遣唐使一行の前に、ひとりの娘が現れた。第十次遣唐大使として入唐しながら帰国できず、唐の朝廷に仕えて一生を終えた藤原清河の娘である。その忘れ形見・喜娘を父の故国日本へ連れてゆくよう申し渡される…。
帰国した喜娘たちの運命を軸に、日唐交流の秘話とロマンを描く歴史文学賞受賞の表題作「喜娘」、梅の老樹から浮かび上がる下級官人の数奇な過去「惜花夜宴」、ほかに「夏の果て」、「すたれ皇子」、「嘉兵衛のいたずら」の三篇を収録。
 平城京に生きる人々の息吹が今に甦る秀作集。 』


天平時代のお話。歴史小説なのか、時代小説なのか。

面白くないとも言えないけれど、感動からはほど遠い。
こういうこともあっただろうなという程度の思いしか抱かせない。
何が足らないんだろうなぁ。


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暁英 贋説・鹿鳴館

2010-05-02 |  北森鴻
暁英 贋説・鹿鳴館
北森鴻
徳間書店

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『作家の津島好一は、進まぬ筆に悩んでいた。新作のテーマは、鹿鳴館―誰もがその名を知っている建築物。調べてみると資料が極端に少なく、設計図さえまともに残っていない。鹿鳴館は謎に包まれたまま建造され、その謎をまとったまま歴史から消えた建物と言えようか。しかし津島は、ある人物との邂逅をきっかけに、堰を切ったように物語を紡ぎ出し始める。明治十年、日本政府に雇い入れられた若き英国人建築家―のちの鹿鳴館建造担当者―ジョサイア・コンドルは、横浜港に降り立ち、外務卿井上馨らと対面する。工部大学校造家学科教授兼工部省営繕局顧問としてのコンドルの多忙な日々が始まった。日本趣味の昂じたコンドルは画家河鍋暁斎に弟子入りし、「暁英」という雅号をもらう。一方でコンドルは、来日の仲介をした国際商社ジャーデン・マセソン社から、ある密命を帯びていた。それは、銀座煉瓦街の設計を担当した後に忽然と姿を消した、ウォートルスというアイルランド人建築技術者の消息を調べることだった。コンドルはやがて、時代が大きく動く際に必然的に生じる、濃くて深い闇の中に、自分が足を踏み入れてしまったことを知る―。鹿鳴館とは、何だったのか。そして明治とは、果たして何だったのか。 』


とうとう読んでしまった北森鴻の絶筆。
ほとんど完成稿とはいえ、謎がすべて解かれたとは言えぬ…。

北森鴻が好んで取り上げる明治初期。
洋風建築好きにはなじみのコンドルであり、辰野金吾たちなのだが、生きた物語としての彼らを知らなかった。
もちろんほんとうにこうであったとは言えないが、匂いくらいは…。

作中の作家津島好一はどうなるのだろう。
ほんとうに急逝が惜しまれる。


河鍋暁斎って江戸期の人とばっかり思っていた(・・;)



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天平に輝く吉備真備公

2010-05-01 | 歴史小説・歴史
天平に輝く吉備真備公 〔吉備人選書3〕 (吉備人選書 (3))
高見 茂
吉備人出版

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『天平の時代を駆け抜けた日本を代表する政治家であり文化人だった吉備真備。その生涯と真備がもたらした影響に、ゆかりの地・岡山県真備町で研究を続ける著者が、数多くのエピソードと豊富な写真を基に分かりやすく迫る。』


NHKの古代史ドラマスペシャル「大仏開眼」を見て、にわかに興味を持った吉備真備。

本書、ジュニア向けのような文章だが、ただの偉人伝ではなく、伝承と事実を分けて伝えるように努めてはいる。
が、ドラマで描かれた以上の吉備真備についての歴史資料はあまりないということがわかる。

先日「大遣唐使展」@奈良国立博物館で見た「吉備大臣入唐絵巻(ボストン美術館蔵)」の写しが日本にあることがわかったのは収穫。

大遣唐使展」@奈良国立博物館は6月20日まで。

余談だが、NHKで絵巻エンターテインメント 吉備大臣入唐絵巻の謎に挑戦を4月29日にやっていたみたい。5月3日に再放送があるので忘れないように見なくっちゃ!

ついでに、歴史秘話ヒストリアで5月19日に「日本を救った遣唐使吉備真備」の放送があるらしい。
必見?

また日曜美術館では5月2日に遣唐使・美の遺産がある。

遷都1300年祭で、いろいろな情報が豊富になって、家に居ながらでも恩恵を被れるってありがたい!





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