読んだ本の数:29
読んだページ数:10383
恋するソマリア (集英社文庫)の感想
このところ紅海でソマリアの海賊に襲われているという話を
聞かなくなって、以前『謎の独立国家ソマリランド』を読みたかったのも忘れて、なんとなく目についた本書、その文庫化かと思ったのだが第2弾の文庫化だった(汗 高野さんがソマリアに恋しているという状況はとてもよくわかったし(野生のライオンに恋しているようなものだそうだが)いつもながら文章がとっても面白く、楽しい読書だった。第3弾もあるのかもしれない。
読了日:06月28日 著者:高野 秀行
ガイコツは眠らず捜査する (創元推理文庫)の感想
「まさか骨に感情移入させられるとはね!」解説の大矢博子さんのことばだが、ほんとに! 嫌味のないユーモアミステリーで、気に入っている。シリーズ2作目で、本国では5作目まで出版されているらしい。次作の翻訳が待たれる。
読了日:06月27日 著者:レイ・ペリー
ピラミッド: 最新科学で古代遺跡の謎を解く (新潮文庫)の感想
古代遺跡の発掘・・・小学生のころから好きでシュリーマンなどわくわくしながら読んだものだし、TVももちろん(河江さんのふしぎ発見も)観るのが好きだが、本書、一般人向けの本だと思うが、どうしてこんなに読み辛いのだろう。『ピラミッド・タウンを発掘する』を読み終えられずにいたのに、その文庫化が本書だと知り愕然。(新情報は追加されているそうだが)
読了日:06月26日 著者:河江 肖剰
シリーズ<本と日本史>2 遣唐使と外交神話 『吉備大臣入唐絵巻』を読む (集英社新書)の感想
もう少し『吉備大臣入唐絵巻』について詳述されるのかと思ったが、奈良時代に遣唐使に派遣された後近世にかけて神話化する様子(吉備真備のみならず阿倍仲麻呂なども)について書かれている。絵巻はボストン美術館展で観たが、その過程の絵巻なのだ。黙阿弥に『吉備大臣支那物語』があるらしいが、近年上演はされていないのか観たことはない。遣唐使は日本だけではなく、周辺国すべてから送られていたということに虚を突かれた。言われてみれば当然のことなのだが。
読了日:06月25日 著者:小峯 和明
人魚ノ肉 (文春文庫)の感想
文庫になったので読む。伝奇小説というか恐怖小説というか・・・。ただ木下さんだけに歴史はちゃんと押さえているのだよね。そしてその恐怖の描写は秀逸。幕末の京都、確かに人魚の肉を食べたのではないかと思われるほどの気違いじみた血なまぐさい時代。私は好きじゃない。
読了日:06月24日 著者:木下 昌輝
北条早雲 - 疾風怒濤篇 (単行本)の感想
5巻シリーズ最終巻。東のあれこれは動きがつかみきれず苦労したが、最後小太郎が出てきて(知った人に会ったみたいに)ほっとした(笑) 軍配者、読み直そうかな。
読了日:06月24日 著者:富樫 倫太郎
企画展だけじゃもったいない 日本の美術館めぐりの感想
近場だとあそこはなんで入れなかったんだろうと思うこともあるけれど、全国102館を紹介している。いろいろなところがいろいろなものをお持ちで面白い。美術館そのものの建築も興味深いものが多い。もちろんよく行く美術館もあれば、お名前をよく見る(企画展で作品を借りている)美術館もあるが、高知県立美術館がシャガールを1200点以上もお持ちだとは知らなかった。行くことはないだろうが、メモしておきたい。
読了日:06月21日 著者:浦島茂世
牧神の影 (ちくま文庫)の感想
1944年作。暗号ページは斜めに読んで(読んだところで私に益はないだろうという読みで)読了。これだけの登場人物でこれだけの物語を設えるのはほんとうに感心する。題名が・・・これは暗示していないか?
読了日:06月19日 著者:ヘレン マクロイ
ヴィジュアル・クリフ 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
古臭い催眠商法がネタで少々びっくり。キャパ嬢ってすごいんだね。
読了日:06月18日 著者:佐藤 青南
能舞台の赤光 多田文治郎推理帖 (幻冬舎文庫)の感想
シリーズ2作目。本格推理を時代小説に落とし込もうという試みは努力賞といったところ。能舞台のあれこれは面白かった。
読了日:06月18日 著者:嶋神 響一
紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官の感想
(あくまでも私見だが)明るく楽しく法医昆虫学を語ってもらえればよかったのに、こうも深刻な救いようのない犯罪に突っ込んで、ましてや赤堀先生の過去の情報など要らなかった。読後感非常に悪し。
読了日:06月17日 著者:川瀬 七緒
霧の中の虎 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の感想
このところマージェリー・アリンガムの作品が次々と翻訳されているので、とりあえず図書館にあった本書を。プロットは面白そうだったのに全く違う筋になり、名探偵の登場も全く意味をなさず、サスペンスも全く腰砕けでどうすりゃいいの。クリスティと並ぶ女流推理作家だったらしいが・・・。霧の都ロンドンが霧にまみれていたころのお話。
読了日:06月16日 著者:マージェリー アリンガム
鳩のなかの猫 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想
ポアロの登場のさせ方が独特で面白かったが、ミステリーあるいはサスペンスとしては平凡。クリスティの教育や教師、学校の在り方への思いが興味深かった。本筋とは関係ないけれど。
読了日:06月16日 著者:アガサ・クリスティー
警視庁捜査二課・郷間彩香 パンドーラ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
このテイストには慣れてきたけど、彩香が年齢に比して幼いのがはまれない原因だと思う。こんな犯罪が起きていれば怖いね。たぶん誰も気づかないのだろうし。
読了日:06月14日 著者:梶永 正史
安土唐獅子画狂伝 狩野永徳 (文芸書)の感想
『洛中洛外画狂伝』の続編? この人ほど絵を描くということを上手に書く人はないんじゃないかとは思うのだけど、永徳のギラギラを書くことのみに傾注している印象で、物語としてあまり好きになれなかった。ま、桃山の絵師たちの総出演は楽しかったが。
読了日:06月13日 著者:谷津 矢車
女學生奇譚 (文芸書)の感想
確かに奇譚で、奇妙な物語。これは著者の希望で書いたのか、編集者の希望なのか。徳間書店としては新しい路線で行きたいのかもしれないが、この続きが出ても私は読まないなぁ。
読了日:06月13日 著者:川瀬 七緒
一夢庵風流記 (新潮文庫)の感想
『慶次郎、北へ』を読んだのでこちらも読み直したくなって。10年ほど前に読んだのだが細部ほぼ忘れていたけれど、その間に歴史を知ることが多くて、前はどういう読みかたをしていたのだろうと逆に思う。慶次郎はとにかくステキだけれどね。
読了日:06月12日 著者:隆 慶一郎
古代史で楽しむ万葉集 (角川ソフィア文庫)の感想
先達はあらまほしきものなり。万葉集を自分自身で読もうとしたところでその意味も意義もわからないだろう。的確に古代史と絡めつつ読み進んでいけるのは非常にありがたく思う。
読了日:06月11日 著者:中西 進
慶次郎、北へ 新会津陣物語 (時代小説文庫)の感想
『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』の佐々木功さんの作品。一発屋で終わったらどうしようと思ったが(失礼!)いきなり文庫で出すにはもったいないくらいの物語である。関ケ原時点での上杉の(直江の)謀がとても濃密で面白かった。もちろん慶次郎も素晴らしい。
読了日:06月10日 著者:佐々木功
警視庁捜査二課・郷間彩香 ハイブリッド・セオリー (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
面白い警察小説を探してなんとなく。軽すぎてどうかと思ったけど↓を読むと本作が変わったようなので、機会があれば前作を読んでみよう。
読了日:06月10日 著者:梶永 正史
平城京の感想
安部さんとは相性がよくないが、平城京なのでいちおう目を通す。平城京の土木工事の困難さはよく伝えていると思う。歴史小説を期待したが、やはり時代小説で疑問点多数。間違った場所に実在の有名人を出すのは諸刃だと浅学の私でも思うのだが、フィクションと割り切って読むのならいいだろうか。
読了日:06月08日 著者:安部 龍太郎
親指のうずき (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想
トミーとタペンスにしてはそう悪くなかったが(中年になったせいか)、"用心"を怠って当然のようにサスペンスに巻き込まれるバカは嫌い。
読了日:06月05日 著者:アガサ・クリスティー
北天に楽土あり: 最上義光伝 (徳間時代小説文庫)の感想
最上義光の通史である。ほぼ知らない人だったので通史はありがたかったのだが、波乱万丈の生涯を1冊にまとめたため天野さんをしても熱い物語にはなり損ねたと思う。エピソードを限って深く描けばよかったと惜しむが、そうなったらそうなったで"知らない人"にはついていけなかったかな。
読了日:06月05日 著者:天野 純希
ギフト (双葉文庫)の感想
某古書店でなんとなく手に取って。けっこう感情移入してしまってキツイものもあったけれど、まずは十分な読み応え。彼らのその後が気になります。10年くらいたって彼らが私立探偵事務所でもやってたらいいかなぁ(単なる妄想)
読了日:06月04日 著者:日明 恩
応神天皇の正体 (河出文庫)の感想
積読消去で目を通したが、極めて納得できる説というわけにはいかない。考古学的な資料でも出てこない限り、憶測の屋上屋を重ねているに過ぎないように思う。
読了日:06月03日 著者:関 裕二
鷗外「奈良五十首」を読む (中公文庫)の感想
本書は鷗外が大正6年~11年帝室博物館総長であったときに毎年11月の正倉院展(当時は選ばれた人しか観られなかった)の間奈良に滞在した折りに制作した短歌五十首に解説を試みた、平山城児氏が昭和50年前後に発表されたもの。浅学とも言えないくらいで、奈良の古のことも知らなかったので非常に興味深く読んだ。『正倉院御物の大部分が、光明皇后によって父不比等追善のために納入されたもの』という記述があるが、正倉院は夫聖武天皇追善のために建てたと承知しているが、その御物の大部分は不比等追善のために納入したのだろうか。
読了日:06月03日 著者:平山 城児
万葉集から古代を読みとく (ちくま新書1254)の感想
やまとことばを漢字で書くための工夫&苦労・・・あまり意識していなかったので目からウロコ。万葉集から古代<史>を読みとくと空目していたので、そこは予定外。"正史"に載らない古代史が万葉集には表れているのではと期待したので。
読了日:06月02日 著者:上野 誠
ブラック・コーヒー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想
戯曲だとは気が付かずに図書館で借りてきてしまった。シェイクスピアでもそうなのだが、実演を観た(観劇)後でなければどうも戯曲は読み辛い(想像力の欠如か) 小説版があるようなのでそちらを読みたい。
読了日:06月01日 著者:アガサ クリスティー
もの言えぬ証人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想
ワイヤヘアド・テリアのボブがかわいかった。犬好きはぜひ! って違うか・・・ツッコミどころはいろいろあれど、楽しんで読めた。ヘイスティングズは本作を最後に『カーテン』まで登場はないらしい。長編なのだが小品という印象。
読了日:06月01日 著者:アガサ クリスティー