読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

虚けの舞―織田信雄と北条氏規

2011-08-31 | 時代小説
虚けの舞―織田信雄と北条氏規
クリエーター情報なし
彩流社
『朝鮮出兵最前線の肥前名護屋の陣で、落魄の身となった宿命の2人の男が出会った。彼らの使命は血脈を伝えること。信雄が歩んだ悲喜劇と天才氏規の苦渋の日々の回想を通して、本能寺の変から国盗り最後の小田原合戦までを描く。』


織田信雄と北条氏規、戦国武将としての敗者である。
意図してか意図せざるのかわからないが(本書では意図したと見ているわけだが)彼らの血脈は伝えられた。
そもそも敗者の物語って面白くはないのだなぁ。
とりわけあの信長の二男のくせに信雄のあまりに凡庸な虚けぶりは同情も同感も持ちえないのだから。
そして、その二人を何故1冊の本で描きたかったのかがわからない。
片方ずつもっと盛り上げて描くことはできると思うのだが。



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帰還 (古着屋総兵衛影始末 第 11巻)

2011-08-31 |  佐伯泰英
帰還 (新潮文庫 さ 73-11 古着屋総兵衛影始末 第 11巻)
クリエーター情報なし
新潮社
『大黒丸は信之助の待つ琉球泊湊へ寄港した。薩摩・清の二重支配に喘ぐ琉球での自由な交易を目指す総兵衛に立ち塞がったのは、薩摩藩であった。総兵衛らは示現流の遣い手集団院外団を撃破し、六隻の軍船を連ねる十文字船団との海戦に勝利して、勇躍江戸帰還を果たす。そして遂に宿敵柳沢吉保との最終決戦に突入する──。感涙滂沱、破邪顕正の最終巻。新たに一章を加筆し堂々の完結。』


なるほど強い敵がいなければ物語は続けられない、で、古着屋総兵衛影始末最終巻。
堪能しました。
来月はいよいよ新の第2巻『百年の呪い』楽しみです。

海戦作品が続きましたが、『見知らぬ海へ』の方が時代は前。
わくわく、はらはら度は完全に上です。

強大な人間や船を造形するのは、実はお話の面白みを奪っているような…。
伊那衆しかり。






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見知らぬ海へ

2011-08-30 |  隆慶一郎
見知らぬ海へ (講談社文庫)
隆 慶一郎
講談社
『戦国末期、好きな釣りに出ている時、城が敵の攻撃を受け、父と兄を失った男がいた。魚釣り侍と揶揄された向井正綱だが、遺志を受け継ぎ、北条水軍との駿河湾決戦で向井水軍の長として頭角を現していく。迫力溢れる戦闘場面、戦乱の世での父と子の生き様、徳川家康をも唸らせた、海の武将を描く歴史小説。 』


未完なので読まずにいたのだが、ついに手を出した。

やっぱりすごいなぁ。
ぐいぐい惹きこまれて一気読み。

ほんとうに未完が、そして夭折が惜しまれる。


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うまや怪談

2011-08-30 | 国内ミステリー
うまや怪談 (神田紅梅亭寄席物帳) (ミステリー・リーグ)
愛川 晶
原書房
『高座で「罠」を打ち返し、怪談噺で謎を解き、ついには「あの人」を引っ張り出して…動き出す木彫りのねずみ、落語競演会で仕掛けられた「陰謀」学校での「妙ちきりんな事件」と義兄の結婚問題、そして師匠と十五センチの謎と駐車場で見たもの、これがあんなでそんなことに…。大好評「本格落語」シリーズ第三弾。』


暑いし、怪談もいいかなぁと…(笑)
落語や落語界の裏話的な内容が楽しい。
TVでしか観た(聴いた)ことがないのだけれど、寄席に行くのもいいかなって思わせてくれる。



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堂島物語

2011-08-29 | 時代小説
堂島物語
富樫 倫太郎
毎日新聞社
『コメがゼニを産む大坂・堂島。十六歳と遅れて商家に入った貧農の倅・吉左は丁稚、手代、番頭、そして暖簾分けを許され店を持つという奉公人が夢見る出世の道は閉ざされていた。しかし、持ち前の度胸と才覚で、盛衰の激しい米問屋の世界で、自らの運命を切り開いてゆく。 』



富樫 倫太郎の著作を探して本書。

面白い題材だったのに、展開が安易で、興醒め。

これが2007年で、早雲の軍配者が2010年…ほんとかなと思ってしまう。
編集者のウデかな?





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天佑、我にあり―天海譚 戦川中島異聞

2011-08-29 | 時代小説
天佑、我にあり
海道 龍一朗
講談社
『最強騎馬軍団を抱える武田信玄と、無敗の四天王を率いる上杉謙信。両軍は、川中島という狭隘地で数度相まみえた。最大の戦いとなる四度目の決戦から、はや四百五十年。いったい、誰が勝者だったのか。まれにみる緊迫、そして、史上もっとも「難解」といわれる合戦を、精緻な分析と大胆不敵な構成で描ききる、渾身の歴史長編小説。』


今さら感のある第4次川中島の戦いを海道龍一朗さんが描ききって見事!
大部を一気読み。

副題が「天海譚 戦川中島異聞」となっているように、天海が将軍秀忠と家光に語るというスタイルを取っていて、戦自体は『甲陽軍鑑』を則っているものの中立な立場で観ているところが新味。
信玄と謙信のこの戦に突き進んだ心情というものを突き詰めようとしていて、好感が持てた。
まあ、それが現代人の目線から見た心情であって、当時はそんなはずではないという反論はあるのかもしれないが。


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国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ

2011-08-27 | 時代小説
国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ (小学館文庫)
河治 和香 かわじ わか
小学館
『浮世絵師歌川国芳と娘登鯉をめぐる人間模様
前作『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。 天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人気を博した歌川国芳。ついには国芳も奉行所に呼び出され、顔見知りらしかった遠山の金さんと全面対決へ。さて、その顛末はいかなることに!? 国芳と妙ちきりんな弟子たちとが織りなす浮世模様を、国芳の娘の絵師・登鯉の目から格調高く描く。 』


国芳の娘が主人公となれば面白くないわけはないのだが、この娘侠侠(きゃんきゃん)してるばっかりで、風情がない。
もうちょっとテンポを落とせば面白い話になるかも。


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軍師・参謀―戦国時代の演出者たち

2011-08-27 | 歴史小説・歴史
軍師・参謀―戦国時代の演出者たち (中公新書)
小和田 哲男
中央公論社
『下剋上の世を生き抜く戦国大名の補佐役として、戦場の天候を占い、種々雑多なジンクスを統轄するなど、陰陽道をはじめさまざまな知識を駆使した軍師・参謀―その実像はカリスマ性をもって語り継がれてきたため、いまだ謎につつまれている。戦国時代の名軍師とされる山本勘助、山中鹿介、真田幸村、竹中半兵衛、雪斎らの事績を洗い直し、果たした役割を明らかにするとともに、戦国武将にとって合戦とは何であったのかを解明。 』


『軍配者』シリーズを読み、史実としての軍配者=軍師はどういうものだったのか知りたくて本書。
小和田さんは軍師と参謀を分ける。

時代小説中で誇張されたり創作されたりしている軍師は多いわけだが、それは何も昨今のエンタメ時代小説ばかりではなく、すでに江戸時代には始まっていて、今巷で高名な軍師たちも事実はそうではなかったということがけっこう多いということを知り興味深かった。

足利学校での軍師養成課程の実際は『早雲の軍配者』でのリアルな表現とそう遠くはなかったようで、本書でいまいち具体性を感じられないという方はフィクションであることを理解された上で読んでみられるのもいいかと思う。


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北條龍虎伝

2011-08-27 | 歴史小説・歴史
北條龍虎伝 (新潮文庫)
海道 龍一朗
新潮社
『伊豆、相模の両国を治め、さらに武蔵国を攻略する北條氏。いま、その根城・河越城は、関東の諸勢力八万五千の大軍に囲まれていた。城を守るのは、焔虎の異名をとる猛将・北條綱成だったが、味方はわずかに三千。北條家三代目の惣領として氷龍と仰がれる北條氏康は、これを救うのか、見捨てるのか。氏康、綱成の絆と北條氏を関八州の覇者へと導いた乾坤一擲の戦い。 』


龍は北條氏康、虎は綱成である。
1521年(氏康・綱成6歳)~1546年(河越夜戦・31歳)までを取り上げる。
二人の成長、信頼、関東の情勢等を淡々とした筆致で出来得る限り史実に即した形で描いている(最近はやりのエンタメ時代小説とは一線を画す)
海道龍一朗さん、初めて読んだが信頼できる作家だと思う。

後北条氏を取り上げた小説は『早雲の軍配者』『北条氏康―信玄・謙信と覇を競った関東の雄』に続き、3冊目。
風魔小太郎の描き方が全然違うのが面白いが、小太郎を足利学校の優等生で"北條の軍配者"とした『早雲の軍配者』はムリがあるだろう。
適当な人物が北條にはいなかったのかな。

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全宗

2011-08-26 | 時代小説
全宗(小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ)
火坂 雅志
小学館
『甲賀出身で比叡山の薬樹院に学んだ施薬院全宗は、師・曲直瀬道三を踏み台に豊臣政権の中枢に食い込む。秀吉の筆頭侍医となった全宗は竹中半兵衛、黒田如水、石田三成等の名だたる側近の中で異彩をはなち、天下統一、世継問題に重要な鍵を握った。今まで歴史の表面に登場したことがない、知られざる名参謀の野心と乱世を見事に描ききった話題の傑作長篇。 』


軍師つながりで…本書。

とはいえ全宗なる人物、寡聞にして全く知らなかったが、施薬院全宗は秀吉のブレーンの一人だったようだ。

小説としては稚拙な感じは否めないが、未知の内容だったので面白く読んだ。


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