読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

三内丸山は語る―縄文社会の再検証

2006-02-24 | 歴史小説・歴史
三内丸山は語る―縄文社会の再検証

新泉社

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『衣食住の獲得、男女間の営みが基本となる自治社会、とりわけ、生殖、子育て、台所仕事、食事、農作業、手仕事に価値をおく社会であった三内丸山遺跡。これを自然共生の視点から解読し、縄文文化について明らかにする。 』

昨年奈良国立博物館で「曙光の時代-ドイツで開催した日本考古展」を見て、三内丸山遺跡を私的に"再発見"し、知りたいと思ったので読んでみた。
本書はジャーナリストが書いているのであるが、様々な書物を丹念に集め、読みこなし、そのエキスを採っている。といえば聞こえがいいのだが、いろいろな説の中からある説を採っている過程が恣意的で、根拠を示さない。
また妙に現代社会への批判に結び付けようとするのが不快(縄文社会は平等、菜食は健康的等)
ジャーナリストとしての資質にも疑問を抱いてしまった。

さらっと学校の教科書で学んだ縄文時代だが、研究が進むにつれ面白い存在だと思う。


三内丸山遺跡公式ホームページ
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私の嫌いな10の言葉

2006-02-20 | その他
私の嫌いな10の言葉

新潮社

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『「相手の気持ちを考えろよ!人間はひとりで生きてるんじゃない。こんな大事なことは、おまえのためを思って言ってるんだ。依怙地にならないで素直になれよ。相手に一度頭を下げれば済むじゃないか!弁解するな。おまえが言い訳すると、みんなが厭な気分になるぞ」。こんなもっともらしい言葉をのたまう大人が、吐気がするほど嫌いだ!精神のマイノリティに放つ反日本人論。 』

哲学者・中島義道氏の著作である。本職の哲学の方でどのような仕事をされているのかは存じ上げないのだが、この手の本をたくさん出している。
ざっと読んで9割共感、1割そうかな?ってとこかな。
じっくり突っ込みどころを探して読んだりはしていない。
大いに共感したのは中島氏に倣って引用すれば
『変なことに、五〇歳を過ぎてますます私は「老成」とか「成熟」とかとは正反対の方向に進んでいく自分を感じます。社会と折り合いをつける賢さを学ぶことはますますなくなり、ますますあれも厭だ、これも厭だ、あれも気に入らない、これも気に入らない……と偏屈になっていきます。ますます他人といることがわずらわしく、ほとんどの他人が気に入らず、そういう自分の不寛容さはもっと気に入らず、しかしどうしようもない……とずんずん社会的に未成熟な人間に転落していくのを感じます』
そう、若い頃は理不尽さに"泣き寝入り"していたものが、きちんと指摘せずにはいられない今日この頃・・・。まだ50は過ぎてないけどね。

以下の10の言葉を他人にも言われたことがない、自分でも思ったこともない人はこれはもう"大人社会"に立派に適合している人で・・・お友だちにはなりたくない。

1 相手の気持ちを考えろよ!
2 ひとりで生きてるんじゃないからな!
3 おまえのためを思って言ってるんだぞ!
4 もっと素直になれよ!
5 一度頭を下げれば済むことじゃないか!
6 謝れよ!
7 弁解するな!
8 胸に手をあててよく考えてみろ!
9 みんなが厭な気分になるじゃないか!
10 自分の好きなことがかならず何かあるはずだ!

自分なりの嫌いな10の言葉を捜してみるのも面白いかもしれない。
まずひとつ「バカなふりしてればいいのよ」
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ファニーマネー

2006-02-19 |  ユーモアミステリー
ファニーマネー

文藝春秋

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『刑事時代の親友が爆殺された。被害額600万ドルに及ぶイカサマを調査していた最中だった―友は口を封じられたのだ。凄腕のイカサマ暴き屋トニーは友の遺志を引き継ぎ、仇を討つべく問題のカジノに乗り込む!62歳のヒーローのクールな活躍を描く痛快シリーズ第二作。軽快なユーモアも利いた最高に楽しいミステリをどうぞ。 』

第1作を読んでいないのだけど、書店で平積みしてあったので、買ってみた。
コン・ゲームなのかと思ったらけっこうなハードボイルドで、死体がいっぱい出ちゃうとこがちょっと残念なんだけど、これがアメリカといえばアメリカ?
トニー・ヴァレンタインの私生活が動いていくところも楽しみなシリーズになりそう。
これを読んでラスヴェガス(またはその他の都市のカジノ)に行く人はあほぉだと思うけどね(笑)
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心のなかの冷たい何か

2006-02-16 |  若竹七海
心のなかの冷たい何か

東京創元社

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『失業中のわたしこと若竹七海が旅先で知り合った一ノ瀬妙子。強烈な印象を残した彼女は、不意に電話をよこしてクリスマス・イヴの約束を取りつけたかと思うと、間もなく自殺を図り、植物状態になっているという。悲報に接した折も折、当の妙子から鬼気迫る『手記』が届いた。これは何なのか、彼女の身に何が起こったというのだろう?真相を求めて、体当たりの探偵行が始まる。』

久しぶりの若竹七海である。第2作の処女長編がやっと文庫になったということで・・・(面白くない可能性を)恐る恐る読んでみたのだけど、面白かった!
人物描写、2重構造の作り方などさすがである。
ミステリというよりホラーな話なのだが、巻末の著者による文庫版へのあとがきにもあるが、『犯罪は虚構のお楽しみだ。現実にでしゃばって欲しくない。』
これが書かれた15年前から現実は追い越してしまっている。
いまや16歳の女の子の尊敬する人が「グレアム・キング」で、母親にタリウムを飲ませて意識不明の重態に陥らせ、補導される時代なのである。
いやはや
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国家の品格

2006-02-15 | その他
国家の品格

新潮社

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『日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的提言。 』

大ベストセラーである。ベストセラーは読まないことにしているけれど、祖国は国語が面白かったので読んでみた。
多少我田引水気味なところが気にならなくもないけれど、評論家でも教育学者でも社会学者でもない数学者の藤原正彦さん(新田次郎さんの息子)の肌身の感覚というものが伝わってきて、面白く読めた。
日本の、日本人の今のありようを見ていて危機感を覚えないオトナはいないだろう。
決して昔はよかったという年寄りの回顧談と思うなかれ!

出版社の内容紹介に『すべての日本人に誇りと自信を与える』とあるが、逆だろう。ここまでアメリカナイズしてしまった日本人にどうやって日本人の自覚を取り戻させるか、アメリカ追随一辺倒の首相の改革を是として受け入れてしまっている日本の社会にどうやって独自路線を見出す道を歩ませることが出来るのか、前途を考えるとき絶望的になる。この本が広く読まれていることが救いになるのだろうか。
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滝田ゆう落語劇場

2006-02-13 | その他
滝田ゆう落語劇場

筑摩書房

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朝日新聞の書評で面白そうだったので買ってみた。
落語38席を漫画で、というもの
滝田ゆうさんの漫画がほのぼのいい味出してるんだとは思うのだけど
うーん 落語で聴く(見る?)方が世界が広がるような気がする
杉浦日向子さんの風流江戸雀も川柳を漫画にしたものだったけど、やはり同じように絵にしてしまうと限定されてしまって面白みが広がらないような気がする。

私は落語は落語で楽しむほうが好きみたい
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祖国とは国語

2006-02-09 | その他
祖国とは国語

新潮社

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『国家の根幹は、国語教育にかかっている。
国語は、論理を育み、情緒を培い、すべての知的活動・教養の支えとなる読書する力を生む。
国際派の数学者だからこそ見えてくる国語の重要性。
全身全霊で提出する血涙の国家論的教育論「国語教育絶対論」他、ユーモラスな藤原家の知的な風景を軽快に描く「いじわるにも程がある」、出生地満州への老母との感動的な旅を描く「満州再訪記」を収録。

国語教育絶対論(国語教育絶対論;英語第二公用語論に;犯罪的な教科書;まずは我慢力を;産学協同の果ては ほか)
いじわるにも程がある(お茶の謎;ギーギー音;ダイハッケン;科学は無情;ネギよ来い ほか)
満州再訪記 』

最近「国家の品格」がベストセラーの数学者藤原正彦さんの著書である。へそ曲がりな私ゆえ、こちらを読んでみた。昔数学関係のご本を読んだ気もするが・・・。

種々雑多な文章が集められているので、ちょっと印象が散漫になったのがどうかなとは思うけれど、とりあえず表題作の「祖国とは国語」! これを全国民に読んでもらいたい!小学生以下のお子さんのいらっしゃる家庭では特に!!
私はナショナリストではない。
でもね、例えば小学校で英語を学ばせるという今の教育。これは間違っていると強く思う。語学は手段であって目的ではない。自分が伝えたいものがはっきりあった上で、それを伝える手段が例えば英語に過ぎない。小学校から英語を学んで、スラングで会話できるようになったとして(それも結局ムリだとは思うが)、それが何の意味があるのだろう?例え英語を母国語としている人たちと同じように話せるようになったとしてそれがなんの意味があるのだろう?伝えるものを持たない、アイデンティティーが確立していない人間を作ってなんの意味があるのだろう?
大げさでなく「あぁ、この人に文部科学大臣になってもらいたい」と強く思った。

ぜひ、ご一読を!!
Comments (5)
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おもいっきり手抜き料理―らくして、おいしく、ここまでできる

2006-02-03 | その他
おもいっきり手抜き料理―らくして、おいしく、ここまでできる

大原照子

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『鍋4個、基本調味料5種類など調理器具、調味料も超シンプルにして、気取らない、がんばらない、手も力も抜いて、ひたすらくつろぐ大原流、簡単アイディア料理集。

1 まず、台所をおもいっきりシェイプ・アップ
2 秘密のおまじない調味料
3 むずかし風洋風料理をあっという間に作るタネあかし
4 手抜き料理のすぐれもの素材
5 電子レンジの使いどころ
6 おもてなしも、もう気楽に! 』

55m2の暮らし替え―スローライフの舞台作りの著者、大原照子さんは家庭料理研究家という肩書きなのだけど、いったいどんな料理をつくられているのかと興味があったので買ってみた。
私も台所道具を増やすのは無駄だと日頃感じているので「台所のシェイプアップ」の章はなるほどと面白かったのだけど、お料理のレシピの方はこんなものなの?っていう感じ。要するにこの程度の"手抜き"はすでにやってるというか~ヾ(・・ )ォィォィ "おもいっきり"というところを期待したのだけれどねぇ。あの世代の方の中では"おもいっきり手抜き"になるのかもしれないけど。
ただ同じ手抜きをするにも、いろいろ試された上でブランドにこだわっていらっしゃるのがさすがというか・・・
マッシュポテトのフレークはいくらなんでもあまりにまずそうな気がして使ったことがなかったのだけど、大原さんお勧めのブランドを探してみたいと思うけど、地方では手に入らないかもしれない。

これまで真面目に(馬鹿正直に)料理学校で習った方法で料理をつくっているという方は参考になるかも。
料理に命かけてる方はお読みにならないほうがいいかも。

これを読んでいたら家族に白い目で見られた(;^_^A アセアセ・・・

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緋友禅―旗師・冬狐堂

2006-02-02 |  北森鴻
緋友禅―旗師・冬狐堂

北森鴻

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『わたしは宇佐見陶子と申します。
骨董業―といっても旗師といいまして、店舗を持たずに競り市から競り市へ、骨董店から骨董店を渡り歩いて品物を仕入れ、流通させるバイヤーのような存在なのです。
骨董の世界は、魑魅魍魎の住処と言われます。
時に悲劇が、時に喜劇が、ない交ぜに流れて人々を押し流してゆく。
そうした光景が日常的に観察される世界です。
騙しあいと駆けひきの骨董業界を生き抜く美貌の一匹狼。
古美術ミステリー。
◆陶鬼◆「永久笑み」の少女◆緋友禅◆奇縁円空の4編』

やっと文庫になったので早速読んだ。
期待に違わずどれも面白い。
陶鬼は萩焼、「永久笑み」の少女は埴輪、緋友禅は友禅の楊枝糊置きの手法、奇縁円空は円空仏についての薀蓄が語られる。
ミステリとそれらの薀蓄が一体化した世界。
ぜひお試しあれ。
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