早雲の軍配者 | |
富樫 倫太郎 | |
中央公論新社 |
この時代、この地域に馴染みが薄いので、背景を呑み込むのに頭を使ったが、あまりそういう正史は関係なく、小太郎の成長が楽しい。小太郎は学問の才を見出され、北条早雲の直弟子として日本最古の大学「足利学校」へ送り込まれ、若き日の山本勘助らと机を並べながら兵法・占術・陰陽道・医術・観天望気・軍陣の作法など、戦国大名のブレーン「軍配者」に必須の学問を修めることになる。軍配者の職務内容、足利学校の意義など面白かった。この小太郎が後年有名な風魔一族の祖先ということになるわけで、それもまた興味深い。
続編も楽しみ。
・軍配者 THE WEB 軍配者三部作公式サイト
【追記】2011-08-27
その後『北条氏康―信玄・謙信と覇を競った関東の雄』『北條龍虎伝』と続けて後北条氏を取り上げた小説を読んだ。
風魔小太郎の描き方が全然違うのが面白いが、小太郎を足利学校の優等生で"北條の軍配者"とした『早雲の軍配者』はムリがあるだろう。
適当な人物が北條にはいなかったのかな。