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『Dr.パルナサスの鏡』をTOHOシネマズ六本木で見ました。
『ダークナイト』のジョーカー役が忘れられないヒース・レジャーとか、『パブリック・エネミーズ』で活躍したばかりのジョニー・デップなどが出演するとあって、公開されてから1週間もたってはいませんでしたが、見に行ってきました。
この作品の物語は、設定が現在で舞台はロンドン。ただ、そこに登場するのは、「Imaginarium」という幻想世界を見させてくれる道具を操る見世物一座で、それは馬が牽いて移動したりしますから、どうしても19世紀以前の感じが付きまといます。
加えて、その座長・パルナサス博士の年齢が1000歳だとか、さらには悪魔も登場しますから、マア現代のお伽話でしょう。
この映画の特徴は3点あると思います。
・まず、かってない豪華メンバーが登場すること。
すなわち、主役のヒース・レジャーは、この旅芸人一座の客寄せ人を演じますが、撮影途中で亡くなってしまい、ジョニーデップ、ジュード・ロウ、そしてコリン・ファレルがその代役を務めています。
と言うと、継ぎ接ぎのかなり変な映画だと思われかねませんが、「Imaginarium」に設けられている鏡の向こう側の世界にヒース・レジャーが飛び込むと、この3人になり替わるというように描かれていますので、全く違和感なく受け止めることができます。
・次に、その鏡の向こう側の幻想世界が、常識では考えられないくらい突拍子もないものに描かれているということ。
まあCGの世界ですからどんなものでも描けるのでしょうが、デズニー映画とはまた質の違った面白さがあると思いました(あるいは『チャーリーとチョコレート工場』の世界に類似しているのでしょうか?)。
ただ、そのファンタジックな世界で、3人が縦横に活躍すると、この映画の本来の主役であるヒース・レジャーの影がかすんでしまう結果ともなりかねないのですが。
・最後に、パルナサス博士の娘役で登場するリリ-・コールです。
この女優は、1月下旬の『週刊文春』のグラビアにも登場しています。それによれば、ケンブリッジ大で学ぶ才媛である一方で、スーパーモデルでもあるとのこと。秋川リサによく似た感じの顔つき(「ドール顔」というそうです)で、まだ21歳ですからこれから活躍することでしょう!
こういう映画は見ていると、なぜか無性に嬉しくなってきてしまいます。
無論、問題がないわけではないでしょう。
現代のお伽話とはいえ、どうしてこんな話を今しなければならないのか、いきなりうらぶれた見世物一座が現れても、唐突過ぎてなかなか物語に入っていけないではないか、悪魔がマジで登場するにはもう少し何等かの手続きが必要なのでは、などなどです。
とはいえ、やはり、鏡の世界の素晴らしさの前には何を言ってみても始まりません。ただただ、その幻想の比類なさを楽しむべきでしょう。
評論家の皆さんも、おおむねそんな感じでいるようです。
おすぎは、「「ところがどうでしょう。オープニングからこれはスゴイ!!何時もと違う、いや、そんなことよりスクリーンに目が釘付けになってしまいました」と高く評価します。
渡まち子氏も、「複数一役は他の映画でも時折みかけるが、ルックスの変化を人間の欲望の多様性として用いると、物語と絶妙にシンクロする。苦肉の策とはいえ、結果的にこれが本作のエッセンスになった」などとして65点と、マズマズの評点です。
ですが、前田有一氏は、「鏡の中の世界は、まさにテリー・ギリアムワールドで、本作最大の見所。よくこんなものを思いつくなと思わせる、不思議なファンタジー世界の具現化には、誰もが驚かされるに違いない」としながらも、ジョニー・デップらについて、「彼らが出てくるたびにかなりの違和感というか、ヒースの死という現実に戻されてしまう」として55点氏か与えません。
さらに、福本次郎氏となると、「パルナサスがいざなう空間は、目を見張るような色彩やめくるめくようなスリルを味わせる映像とは程遠く、絵本に描かれているような控え目な描写」となっているが、「撮影途中で亡くなったヒース・レジャーの役をジョニーデップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルといったスターが演じることで、CGに回す予算がなくなったのかと変な勘ぐりをしてしまうのだが。。。」と、相変わらずピンが1本はずれたような論評をして50点です。
★★★☆☆
象のロケット:Dr.パルナサスの鏡
『ダークナイト』のジョーカー役が忘れられないヒース・レジャーとか、『パブリック・エネミーズ』で活躍したばかりのジョニー・デップなどが出演するとあって、公開されてから1週間もたってはいませんでしたが、見に行ってきました。
この作品の物語は、設定が現在で舞台はロンドン。ただ、そこに登場するのは、「Imaginarium」という幻想世界を見させてくれる道具を操る見世物一座で、それは馬が牽いて移動したりしますから、どうしても19世紀以前の感じが付きまといます。
加えて、その座長・パルナサス博士の年齢が1000歳だとか、さらには悪魔も登場しますから、マア現代のお伽話でしょう。
この映画の特徴は3点あると思います。
・まず、かってない豪華メンバーが登場すること。
すなわち、主役のヒース・レジャーは、この旅芸人一座の客寄せ人を演じますが、撮影途中で亡くなってしまい、ジョニーデップ、ジュード・ロウ、そしてコリン・ファレルがその代役を務めています。
と言うと、継ぎ接ぎのかなり変な映画だと思われかねませんが、「Imaginarium」に設けられている鏡の向こう側の世界にヒース・レジャーが飛び込むと、この3人になり替わるというように描かれていますので、全く違和感なく受け止めることができます。
・次に、その鏡の向こう側の幻想世界が、常識では考えられないくらい突拍子もないものに描かれているということ。
まあCGの世界ですからどんなものでも描けるのでしょうが、デズニー映画とはまた質の違った面白さがあると思いました(あるいは『チャーリーとチョコレート工場』の世界に類似しているのでしょうか?)。
ただ、そのファンタジックな世界で、3人が縦横に活躍すると、この映画の本来の主役であるヒース・レジャーの影がかすんでしまう結果ともなりかねないのですが。
・最後に、パルナサス博士の娘役で登場するリリ-・コールです。
この女優は、1月下旬の『週刊文春』のグラビアにも登場しています。それによれば、ケンブリッジ大で学ぶ才媛である一方で、スーパーモデルでもあるとのこと。秋川リサによく似た感じの顔つき(「ドール顔」というそうです)で、まだ21歳ですからこれから活躍することでしょう!
こういう映画は見ていると、なぜか無性に嬉しくなってきてしまいます。
無論、問題がないわけではないでしょう。
現代のお伽話とはいえ、どうしてこんな話を今しなければならないのか、いきなりうらぶれた見世物一座が現れても、唐突過ぎてなかなか物語に入っていけないではないか、悪魔がマジで登場するにはもう少し何等かの手続きが必要なのでは、などなどです。
とはいえ、やはり、鏡の世界の素晴らしさの前には何を言ってみても始まりません。ただただ、その幻想の比類なさを楽しむべきでしょう。
評論家の皆さんも、おおむねそんな感じでいるようです。
おすぎは、「「ところがどうでしょう。オープニングからこれはスゴイ!!何時もと違う、いや、そんなことよりスクリーンに目が釘付けになってしまいました」と高く評価します。
渡まち子氏も、「複数一役は他の映画でも時折みかけるが、ルックスの変化を人間の欲望の多様性として用いると、物語と絶妙にシンクロする。苦肉の策とはいえ、結果的にこれが本作のエッセンスになった」などとして65点と、マズマズの評点です。
ですが、前田有一氏は、「鏡の中の世界は、まさにテリー・ギリアムワールドで、本作最大の見所。よくこんなものを思いつくなと思わせる、不思議なファンタジー世界の具現化には、誰もが驚かされるに違いない」としながらも、ジョニー・デップらについて、「彼らが出てくるたびにかなりの違和感というか、ヒースの死という現実に戻されてしまう」として55点氏か与えません。
さらに、福本次郎氏となると、「パルナサスがいざなう空間は、目を見張るような色彩やめくるめくようなスリルを味わせる映像とは程遠く、絵本に描かれているような控え目な描写」となっているが、「撮影途中で亡くなったヒース・レジャーの役をジョニーデップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルといったスターが演じることで、CGに回す予算がなくなったのかと変な勘ぐりをしてしまうのだが。。。」と、相変わらずピンが1本はずれたような論評をして50点です。
★★★☆☆
象のロケット:Dr.パルナサスの鏡
幻想的な世界に浸っているはずが、しっかり現実に引き戻されましたね。
そこも含めてヒース・レジャーを記念する映画だな~と思いました。
「Imaginarium」という装置を「鏡」に置き換える題名には、疑問もあるように思います。この装置に入る人の希望的な環境をあらわす世界を楽しめばよいのでしょうが、装置としてのパルナサス博士の想像の世界がどこまで拡がって柔軟なのかということで、お客の満足度が違うのでしょう。入場するお客をもっと取らないと、経営も厳しそうだし、入場者や興業場所の選択など、その運営指針もあまりよく分かりません。
この辺の説明不足があるようであり、どうも背景の時代が一貫していないようでもあり、悪魔との取引などでもストーリー的にはやや物足りないところがありました。この辺は、クマネズミさんの感覚に通じそうです。しかし、この映画は、そうしたことを論っても意味がないのでしょう。
登場する美女はあまりタイプではなかったのですが、映画の雰囲気には合っていたように思います。CGも含めて幻想的な世界を楽しみ、時代的な情緒を楽しむのがよいのでしょう。イギリスの映画は、総じて画面が綺麗でがあっていいですね。だから、あまり理屈をいわずに、おとぎの不思議世界の雰囲気を楽しみましょう。
玖堂シキと申します^^
私も観てきました!!
大好きなヒース・レジャーの遺作ということで
公開と同時に映画館へ直行。
ヒースのことを思うとすごく複雑な気持ちです。
この映画は観終わった後にスッキリ!!という感じではありませんでした;
むしろ考えれば考えるほど謎は深まるばかり。
そこがテリー・ギリアム監督の良さなのかもしれませんね^^
乱文失礼しました~
この映画は詰めていくとよく分からない点だらけですが、おっしゃるように「理屈をいわずに、おとぎの不思議世界の雰囲気を楽し」むべきなのでしょう!
この監督にありがちな説明不足や唐突な展開はありつつも、その独特な世界に圧倒されました。
しかし、福本氏の批評は全く以って的を得ていないというか、別の映画を観ていたとしか思えないような・・・
テリー・ギリアム監督作品というよりは、ヒース・レジャーの遺作という印象が深いです。
ギリアム監督作品にしては、ごちゃごちゃ感が弱かったように感じました。
豪華俳優陣が飾り立ててくれたのも、正にヒースを偲ぶからにほかなりませんものね。