![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/ac/9778d04714674ce59fdaaa16c981b1ae.jpg)
『私だけのハッピー・エンディング』を吉祥寺バウスシアターで見ました。
(1)これは、前に見た『50/50』の女性版といったらいいでしょうか、大層元気溌剌で明るい性格の30歳の女性マーリー(ケイト・ハドソン)が、検診で、大腸ガンを患っていて、それも余命半年であることを宣告されてしまいます(『50/50』のアダムの場合は、5年後の生存確率が50%ですから、まだましなのかもしれません)。
『50/50』のアダムは公共のラジオ局に勤めていますが、それと同様に、マーリーも広告代理店で活躍していますし、友人もいます〔『50/50』ではカイルの存在が大きかったところ、こちらでは仲良しが何人も(注1)〕。
また、『50/50』では、セラピストのキャサリンが恋人になりましたが、本作でも、マーリーの主治医ジュリアン(ガエル・ガルシア・ベルナル)が恋人となります。
さらには、両人には、大層心配する両親がいます。『50/50』では、父親がアルツハイマーでしたが、こちらでは父親とマーリーとの折り合いが良くありません。それで、両作において活躍するのは、必然的に母親になります(注2)。
でも、相違点もあります。例えば、本作にはファンタジックな要素も挿入されており、なんと神様(ウーピー・ゴールドバーグ)が出現するのです(注3)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/1b/95f257dee450893f9c6b2b59e3043661.jpg)
それに、ラストは大きく違っていると言えるでしょう(注4)。
全体として、『50/50』の二番煎じといった感は否めませんが、マーリーの生き生きとした(?!)明るさもあって、マズマズと言った出来ではないでしょうか。
主演のケイト・ハドソンは、昨年春に見た『キラー・インサイド・ミー』において、主人公の幼馴染ながら結局は殴り殺されてしまうという大変な役柄を演じていましたが、本作においては持ち前の明るさを縦横に発揮して、難病物特有の暗さを跳ね返していて、逆に末期癌患者には全く見えないという難点はあるものの、よくやっているのではないかと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/fa/4f0c8ebce57bc11fb43fa4db1c51cd4e.jpg)
主役のマーリーの恋人役を演じるガエル・ガルシア・ベルナルは、昨年の『ジュリエットからの手紙』が印象的でしたが、そちらでも本作でも、人の良さそうな好青年という役柄に実にうまくはまっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/78/72e8ff735d3609ded0922237caa1adae.jpg)
もう一人、マーリーの母親役のキャシー・ベイツは、『わたしの可愛い人―シェリー』における主人公の同業者役が印象に残っているところ、本作においては、この母親にしてこの娘ありとの関係(その恰幅のいいこと!)からしても、適役なのでは、と思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/56/13b7070dd702a680f694518542b61aa4.jpg)
(2) 『50/50』については、かかるに違いない多額の医療費のことに全く触れられていないと不満をもらしましたが、本作では、驚いたことにその問題が取り上げられているのです。
ただし、一つは、神様(ウーピー・ゴールドバーグ)がマーリーの願いを聞きとどけてくれるというファンタジックなやり方で、もう一つは、病院が開催するチャリティー・パーティーという現実的なやり方で。
(3)青森学氏は、「関係性を失いひとり世界から取り残される主人公であっても、その想いは周囲の人間の心に仕舞われることに自分の生きた証を見るヒロインになにか心に温かいものを感じた」などとして70点をつけています。
また、渡まち子氏は、「難病ものにありがちな湿っぽさがないところがいい」として50点をつけています。
(注1)独身のアーティストのサラ(ルーシー・バンチ)とか、妊娠中で、マーリーが亡くなると同時に、出産するルネ(ローズマリー・デウィット)など。
(注2)仕事からマーリーが自分の家に戻ると、そこでは母親がキッチンでステーキーを焼いています。母親は、「何か手伝いたいの」と言い訳をするところ、マーリーは、「放っておいて」と怒ります。これは、『50/50』のアダムが、煩いからと母親に余り連絡しないのに対応するでしょう。
(注3)マーリーは、夢の中で、神様(ウーピー・ゴールドバーグ)から、3つの願いを適えてあげると言われ、2つの願いはスグにしてしまうものの(“空を飛びたい”とか“100万ドル欲しい”と言います)、3つめのお願いはせずに目覚めてしまいます。
物語の展開にともなって、2つの願いは上手く実現するのですが(ハンググライダーの1日券が懸賞で当ったり、100万ドルの保険が下りることになったりして)、ラストになると、3番目の願いが“愛”だったことがわかります。
(注4)マーリーは、もしかしたら効果があるかもしれない治療法(ただし副作用が強い)を、充実した毎日を過ごしたいとして拒否することで、半年後に亡くなってしまうのです。
とはいえ、自分のお葬式を、対岸から神様(ウーピー・ゴールドバーグ)とベンチに腰掛けながら楽しそうにマーリーが眺めているシーンを見れば、見ているこちらも和んでくること請け合いです!
★★★☆☆
象のロケット:私だけのハッピー・エンディング
(1)これは、前に見た『50/50』の女性版といったらいいでしょうか、大層元気溌剌で明るい性格の30歳の女性マーリー(ケイト・ハドソン)が、検診で、大腸ガンを患っていて、それも余命半年であることを宣告されてしまいます(『50/50』のアダムの場合は、5年後の生存確率が50%ですから、まだましなのかもしれません)。
『50/50』のアダムは公共のラジオ局に勤めていますが、それと同様に、マーリーも広告代理店で活躍していますし、友人もいます〔『50/50』ではカイルの存在が大きかったところ、こちらでは仲良しが何人も(注1)〕。
また、『50/50』では、セラピストのキャサリンが恋人になりましたが、本作でも、マーリーの主治医ジュリアン(ガエル・ガルシア・ベルナル)が恋人となります。
さらには、両人には、大層心配する両親がいます。『50/50』では、父親がアルツハイマーでしたが、こちらでは父親とマーリーとの折り合いが良くありません。それで、両作において活躍するのは、必然的に母親になります(注2)。
でも、相違点もあります。例えば、本作にはファンタジックな要素も挿入されており、なんと神様(ウーピー・ゴールドバーグ)が出現するのです(注3)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/1b/95f257dee450893f9c6b2b59e3043661.jpg)
それに、ラストは大きく違っていると言えるでしょう(注4)。
全体として、『50/50』の二番煎じといった感は否めませんが、マーリーの生き生きとした(?!)明るさもあって、マズマズと言った出来ではないでしょうか。
主演のケイト・ハドソンは、昨年春に見た『キラー・インサイド・ミー』において、主人公の幼馴染ながら結局は殴り殺されてしまうという大変な役柄を演じていましたが、本作においては持ち前の明るさを縦横に発揮して、難病物特有の暗さを跳ね返していて、逆に末期癌患者には全く見えないという難点はあるものの、よくやっているのではないかと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/fa/4f0c8ebce57bc11fb43fa4db1c51cd4e.jpg)
主役のマーリーの恋人役を演じるガエル・ガルシア・ベルナルは、昨年の『ジュリエットからの手紙』が印象的でしたが、そちらでも本作でも、人の良さそうな好青年という役柄に実にうまくはまっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/78/72e8ff735d3609ded0922237caa1adae.jpg)
もう一人、マーリーの母親役のキャシー・ベイツは、『わたしの可愛い人―シェリー』における主人公の同業者役が印象に残っているところ、本作においては、この母親にしてこの娘ありとの関係(その恰幅のいいこと!)からしても、適役なのでは、と思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/56/13b7070dd702a680f694518542b61aa4.jpg)
(2) 『50/50』については、かかるに違いない多額の医療費のことに全く触れられていないと不満をもらしましたが、本作では、驚いたことにその問題が取り上げられているのです。
ただし、一つは、神様(ウーピー・ゴールドバーグ)がマーリーの願いを聞きとどけてくれるというファンタジックなやり方で、もう一つは、病院が開催するチャリティー・パーティーという現実的なやり方で。
(3)青森学氏は、「関係性を失いひとり世界から取り残される主人公であっても、その想いは周囲の人間の心に仕舞われることに自分の生きた証を見るヒロインになにか心に温かいものを感じた」などとして70点をつけています。
また、渡まち子氏は、「難病ものにありがちな湿っぽさがないところがいい」として50点をつけています。
(注1)独身のアーティストのサラ(ルーシー・バンチ)とか、妊娠中で、マーリーが亡くなると同時に、出産するルネ(ローズマリー・デウィット)など。
(注2)仕事からマーリーが自分の家に戻ると、そこでは母親がキッチンでステーキーを焼いています。母親は、「何か手伝いたいの」と言い訳をするところ、マーリーは、「放っておいて」と怒ります。これは、『50/50』のアダムが、煩いからと母親に余り連絡しないのに対応するでしょう。
(注3)マーリーは、夢の中で、神様(ウーピー・ゴールドバーグ)から、3つの願いを適えてあげると言われ、2つの願いはスグにしてしまうものの(“空を飛びたい”とか“100万ドル欲しい”と言います)、3つめのお願いはせずに目覚めてしまいます。
物語の展開にともなって、2つの願いは上手く実現するのですが(ハンググライダーの1日券が懸賞で当ったり、100万ドルの保険が下りることになったりして)、ラストになると、3番目の願いが“愛”だったことがわかります。
(注4)マーリーは、もしかしたら効果があるかもしれない治療法(ただし副作用が強い)を、充実した毎日を過ごしたいとして拒否することで、半年後に亡くなってしまうのです。
とはいえ、自分のお葬式を、対岸から神様(ウーピー・ゴールドバーグ)とベンチに腰掛けながら楽しそうにマーリーが眺めているシーンを見れば、見ているこちらも和んでくること請け合いです!
★★★☆☆
象のロケット:私だけのハッピー・エンディング
私、この映画を先に観たので、『50/50』の方が二番煎じっぽく見えてしまって、こっちの方が好きです。やっぱり、それだけ似てるんですよね。
おっしゃるように、どちらの映画を先に見るかで、受ける印象がかなり異なってくるのでしょう!
「ふじき78」さんとは逆に、クマネズミはこちらの映画が『50/50』の“二番煎じ”に思えてしまいました。