『マチェーテ』を渋谷東急で見てきました。
評判が高いにもかかわらず、ごく僅かの映画館でしか公開されなかったので見逃してしまったところ、11月下旬からこの劇場で1日1回だけ上映されると聞き込んで、早速行ってきました。
(1)冒頭、メキシコの捜査官マチェーテが、誘拐された女性を救出しようと、刀を振り回しながら敵陣に乗り込んで、銃を構える敵の男たちの首や手首などをバサバサちょん切ったりしながら突き進み、件の女性(それが全裸なのです!)を救出したと思いきや、逆にその女性に裏切られて重傷を負い、さらには、メキシコの麻薬王によって、目の前で自分の妻の首をアッサリと刎ねられる憂き目に!
マチェーテ役のダニー・トレホの実に容貌怪異な風貌と、麻薬王に扮するおなじみのスティーヴン・セガールの巨大な体を目の当たりにすれば、いったいどっちが主人公なの、おまけにどちらもいとも簡単に人の首を刎ねるものだから、見ている方は目が回ってきて、→潤ツ!
すると、突然に話はアメリカに飛んで、日雇仕事を確保しようとよろよろ歩くマチェーテの姿。そこから話は進みに進んで、マチェーテの兄の牧師が、麻薬王側のブースなる男に磔にされて惨殺されると、ブースに操られていた上院議員(ロバート・デ・ニーロ)がブースを射殺し、その上院議員は、結局はブースの娘に撃たれるなど、乱れに乱れ、~~。
ついには、マチェーテと彼を支持する不法移民たちと麻薬王たちとの対決に行き着いて、壮絶な戦いが繰り広げられ、……。
主役が、普通だったらとても映画に出られそうもないほど壊れている容貌の俳優ダニー・トレホ。不法移民であることは納得させられるものの、なんと映画の中では正義の味方。気は確かなの、この映画は。
他方、『トラブル・イン・ハリウッド』でプロデューサー役を演じたロバート・デ・ニーロならば、正義の味方であっても不思議ではないところ、この映画では人種差別主義者のいやらしい政治家。身動きのできないメキシコ人を不法移民狩で射殺するなどの無軌道ぶりを見せてくれるのですから、いやはや。
セガールだって、あの巨大さ、あの強さからして、マチェーテのサポート役にうってつけのところが、一番の悪役ですからマアおそろしい。それにしても、東洋系の女をいつも脇に従えているのはどうしてなの。
B級映画お定まりの美女軍団も、ジェシカ・アルバ(政府職員)、ミシェル・ロドリゲス(不法移民支援組織の女ボス)、リンジー・ローハン(ブースの娘)という具合。
ジェシカ・アルバには、シャワーシーンありーの、ラストでダニー・トレホと抱き合うシーンありーの用意周到さながら、こんなのアリかなあ、嗚呼。
ミシェル・ロドリゲスは、顔面を撃たれたはずにもかかわらず、左眼に眼帯をつけただけで、ビキニスタイルに機関銃という出で立ちでクライマックスに登場するのですから、唖然。
“お騒がせセレブ”のリンジー・ローハンは、アレまあ!マチェーテと裸でプールの中でいちゃついた挙句、ラストでは、修道女姿で、父の仇である上院議員に銃弾を撃ち込むものの、そんな恰好はこの映画とどんなつながりが、などと問うのは愚も愚、大喝!
こんな映画にアメリカの移民政策の問題点を探ったりせずに、ただただ面白がって見さえすれば、見終わった後スカッとするのは請け合い!
刎ねられた首がいくつ宙に舞ったりしても、単に人形の首なのですから、グロテスクでもなく残酷でもありません。ゲームの極み。
さあ、もっともっとどんどんガンガンやっつけてしまえ!!
(2)クライマックスの殺戮は、邦画『十三人の刺客』とは比べ物にならないほどのいい加減さながら、あるいはその精神は同じなのかもしれません。何しろ、手当たり次第に相手側を殺して、挙句にそのトップの首を取るというだけのこと。一方が“斬って斬って斬りまくれ!”の精神なら、こっちは“撃って撃って撃ちまくれ!”の精神でしょう。
それでも、役所広司対ダニー・トレホ、、市村正親対セガール、稲垣吾朗対ロバート・デ・ニーロなどなどと比べていくと、端正さなどから邦画に軍配が上がるものの、あるいは幕末対現代(?!)という状況の違いを踏まえれば、『マシェーテ』も、ものスゴクいい線いっていると言えるのかも!
(3)渡まち子氏は、「リアリティ無視のムチャクチャな演出はまるでコミックの世界のようで、不思議な爽快感が。骨の髄までB級体質のロドリゲスらしいではないか」、「史上類をみないアウトローを誕生させたラテン・バイオレンスの快作は、マジメに“不真面目”をやっている。通俗的という意味ではこれ以上はないだろう。これぞB級映画の心意気だ」として60点を与えています。
★★★☆☆
評判が高いにもかかわらず、ごく僅かの映画館でしか公開されなかったので見逃してしまったところ、11月下旬からこの劇場で1日1回だけ上映されると聞き込んで、早速行ってきました。
(1)冒頭、メキシコの捜査官マチェーテが、誘拐された女性を救出しようと、刀を振り回しながら敵陣に乗り込んで、銃を構える敵の男たちの首や手首などをバサバサちょん切ったりしながら突き進み、件の女性(それが全裸なのです!)を救出したと思いきや、逆にその女性に裏切られて重傷を負い、さらには、メキシコの麻薬王によって、目の前で自分の妻の首をアッサリと刎ねられる憂き目に!
マチェーテ役のダニー・トレホの実に容貌怪異な風貌と、麻薬王に扮するおなじみのスティーヴン・セガールの巨大な体を目の当たりにすれば、いったいどっちが主人公なの、おまけにどちらもいとも簡単に人の首を刎ねるものだから、見ている方は目が回ってきて、→潤ツ!
すると、突然に話はアメリカに飛んで、日雇仕事を確保しようとよろよろ歩くマチェーテの姿。そこから話は進みに進んで、マチェーテの兄の牧師が、麻薬王側のブースなる男に磔にされて惨殺されると、ブースに操られていた上院議員(ロバート・デ・ニーロ)がブースを射殺し、その上院議員は、結局はブースの娘に撃たれるなど、乱れに乱れ、~~。
ついには、マチェーテと彼を支持する不法移民たちと麻薬王たちとの対決に行き着いて、壮絶な戦いが繰り広げられ、……。
主役が、普通だったらとても映画に出られそうもないほど壊れている容貌の俳優ダニー・トレホ。不法移民であることは納得させられるものの、なんと映画の中では正義の味方。気は確かなの、この映画は。
他方、『トラブル・イン・ハリウッド』でプロデューサー役を演じたロバート・デ・ニーロならば、正義の味方であっても不思議ではないところ、この映画では人種差別主義者のいやらしい政治家。身動きのできないメキシコ人を不法移民狩で射殺するなどの無軌道ぶりを見せてくれるのですから、いやはや。
セガールだって、あの巨大さ、あの強さからして、マチェーテのサポート役にうってつけのところが、一番の悪役ですからマアおそろしい。それにしても、東洋系の女をいつも脇に従えているのはどうしてなの。
B級映画お定まりの美女軍団も、ジェシカ・アルバ(政府職員)、ミシェル・ロドリゲス(不法移民支援組織の女ボス)、リンジー・ローハン(ブースの娘)という具合。
ジェシカ・アルバには、シャワーシーンありーの、ラストでダニー・トレホと抱き合うシーンありーの用意周到さながら、こんなのアリかなあ、嗚呼。
ミシェル・ロドリゲスは、顔面を撃たれたはずにもかかわらず、左眼に眼帯をつけただけで、ビキニスタイルに機関銃という出で立ちでクライマックスに登場するのですから、唖然。
“お騒がせセレブ”のリンジー・ローハンは、アレまあ!マチェーテと裸でプールの中でいちゃついた挙句、ラストでは、修道女姿で、父の仇である上院議員に銃弾を撃ち込むものの、そんな恰好はこの映画とどんなつながりが、などと問うのは愚も愚、大喝!
こんな映画にアメリカの移民政策の問題点を探ったりせずに、ただただ面白がって見さえすれば、見終わった後スカッとするのは請け合い!
刎ねられた首がいくつ宙に舞ったりしても、単に人形の首なのですから、グロテスクでもなく残酷でもありません。ゲームの極み。
さあ、もっともっとどんどんガンガンやっつけてしまえ!!
(2)クライマックスの殺戮は、邦画『十三人の刺客』とは比べ物にならないほどのいい加減さながら、あるいはその精神は同じなのかもしれません。何しろ、手当たり次第に相手側を殺して、挙句にそのトップの首を取るというだけのこと。一方が“斬って斬って斬りまくれ!”の精神なら、こっちは“撃って撃って撃ちまくれ!”の精神でしょう。
それでも、役所広司対ダニー・トレホ、、市村正親対セガール、稲垣吾朗対ロバート・デ・ニーロなどなどと比べていくと、端正さなどから邦画に軍配が上がるものの、あるいは幕末対現代(?!)という状況の違いを踏まえれば、『マシェーテ』も、ものスゴクいい線いっていると言えるのかも!
(3)渡まち子氏は、「リアリティ無視のムチャクチャな演出はまるでコミックの世界のようで、不思議な爽快感が。骨の髄までB級体質のロドリゲスらしいではないか」、「史上類をみないアウトローを誕生させたラテン・バイオレンスの快作は、マジメに“不真面目”をやっている。通俗的という意味ではこれ以上はないだろう。これぞB級映画の心意気だ」として60点を与えています。
★★★☆☆
ダニー・トレホがヒゲを剃って
セカセールがヒゲを生やしたら「っぽさ」は
逆転するかも。
>セガールだって、あの巨大さ、あの強さからして、マチェーテのサポート役にうってつけのところが
それでは悪役があまりにも可哀想すぎますし、邦題が「沈黙のアミーゴ」になってしまいますよ。
今作ではセガールの新たな(?)可能性を見せてくれたので、セガールファンとしても十分に楽しめました。