心のままに

おもいを言葉に

赤子が

2023-11-24 14:50:53 | 日記

 

  赤子が この世に生まれる

  綿々と続く 人の歴史の中に

  人の子として この世に生まれる

  赤子の寝顔の 奥深くに

  声にはならない 魂というものが

  すでに 何もかも分かっているような

  そんな風に 感じられるのだ

 

  ~~~

 

  頭脳明晰な批評家の妻が 癌に侵される

  そして 余命を宣告される

  日頃 抹香臭いお経を毛嫌いする彼が

  通りかかった地蔵に 手を合わせる

  藁にもすがる思いで

  どんなに 強がって生きたところで 

  人間とは弱いもの 

  どうしようもなく

  大波に翻弄される 小舟のように

  そう自覚して 一心に手を合わせる

  人間とは こういうものなのだ

  どんなに 矛盾に満ちていようとも

  それでも心臓は あたたかく鼓動しているのだ

 

  ~~~

 

  人が 知的に物事を語ったところで

  その言葉に どれほどの力があるものか

  その言葉は 精巧な時計の歯車のように

  実際の力となって 

  秒針を 動かすことができるのだろうか

  空転することなく

  そうであれば 秒針の音が

  魂にまで 響いてくるはずではないだろうか

 

  ~~~

 

  すべての人が 感動するもの

  それは 究極的に同じものではないか

  だから 人と人の心は通いあうことができる

  信頼することができる

  そんな風に 人はこの世に生きている

  そのように思う

 

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