心のままに

おもいを言葉に

山々の新緑が

2020-05-27 23:10:43 | 日記

 

  山々の新緑が 濃さを増す頃

  その五月下旬の暖かな夕方

  部屋の窓を開け放てば

  五月の風が 吹き抜けて行く

  その薄暗い部屋の椅子に ゆったりと寛ぐ

  五月の豊かな時間が 

  ゆっくり流れるのを 感じながら

  稲の苗の 野菜の苗の 

  すべての草木の 命のエネルギーが

  大気の中に満ちているのを 感じながら

 

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  形の整った 立派な歌よりも

  素直な 正直な歌に感動する

  野に咲く一輪の花のように

  いつまでも 我が心に咲きつづける

  一条の 光となって

 

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  ひとつ ひとつ 詩を書く

  少しずつ 少しずつ 心が豊かになるように

  そう願いながら

  ぽつん ぽつんと 蛇口から落ちる滴が

  やがては コップを満たすように

  そう願いながら

  ひとつ ひとつ 詩を書く

 

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  芸術家というもの

  詩人 画家 音楽家

  彼等が  声高に語る言葉よりも

  彼等が 真実を追い求める姿

  その後ろ姿に 深く感銘する

  頂を目指して岩壁を登る クライマーのように

  その数は 極めて少ないけれども

  それは 道標となって輝いている

 

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この世に

2020-05-24 00:28:57 | 日記

 

  この世に 生きるということ

  それは 温室の中に

  ぬくぬくと 生きることではないだろう

  外気に 晒され 

  風雪の中に 寒さの中に生きる

  野山の木々が 厳冬の寒さの中に

  じっと耐え 春を待つように

  そうして春になれば 美しい花を咲かせる

  寒ければ 寒いほど美しく

  こういうことのために 

  我々はこの世に 生きているのだと

  確かに 思う

 

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  人の心の つらい事 悲しい事

  そういうことを経験しながら 人の心は成長する

  しかし そういうことを経験することなく

  頭の良いものが人生について さもそれらしく語る

  それで本当に 人生がわかるのであれば

  我々は これほどにも 

  人生について 悩み苦しみはしないだろう

 

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  心の中に わき起こる

  さまざまな 思い

  次から次へと 泡のように

  現れては 消えていく

  

  心の底深くに わき起こる

  思いが ひとつ

  水圧に押しつぶされた 泡が

  水面で はじけるように

  我が心に 痕跡を残して

  消えていく

 

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野菜の

2020-05-16 07:52:25 | 日記

 

  野菜の 種を蒔き

  毎日毎日 水をやる

  ことに 日照りの日には

  芽が出るようにと 願いながら

  愛とは こういうものではないか

  もし やる水がなければ

  声をかければいい

  芽がでるようにと 心から

  それは 命を大切に思う心

  愛とは こういうものに違いない

 

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  太陽の 光と

  青い 青い空に浮かぶ 白い雲

  この 母なる自然の中に

  我々が生きるに必要な すべてがある

  命が 詩が 歌が  

  そして 永遠がある

  心を素直に 開きさえすれば

 

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  「人生には 何ひとつ 無駄なものはない」

  これは 遠藤周作の多くの著書の断片を選りすぐり 監修した本

  そこに作家としての キリスト教徒としての 遠藤周作の生き様がみえる

  この世に生きる同じ人間として その生きる姿勢に 深く心ひかれる

  私はキリスト教徒ではないけれど 同じ人間として 人生を生きる姿勢に違いはない

  それは人生というものの 魂というものの真実を 追い求める姿勢

  遠藤周作はすでに この世にいないけれど 

  私の心を最も深くとらえた 現代日本の作家であり 人間である

  そして わたしの心に希望を与えてくれた 稀有な人である

 

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生まれたばかりの

2020-05-08 21:43:42 | 日記

 

  生まれたばかりの 若葉の緑が

  五月の光に輝く

  ひとつひとつの 若葉の緑が

  命が かたちになって

  五月の光の中に 揺れている

 

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  本代を 掻けば

  田は 一面の鏡

  私は トラクターの鳴り響く

  青空の中に 浮かんでいる

 

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  芸術作品は 何のためにあるのか

  それは 魂を豊かにするため

  一条の光となって

  この世に 頼りなく生きる

  我々の 魂のために

 

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  コロナウィルスが 世界に蔓延する

  人間の社会に 人間である限り

  国が 人種が 政治が違をうとも

  どんなに強大な 軍事力を誇ろうとも

  コロナウィルスが 世界に蔓延する

  生物としての我々の 弱さ はかなさ

  ただ息をひそめ じっと佇むばかりだ

 

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田の

2020-05-02 21:25:08 | 日記

 

  田の 代を掻く

  桜の花びらが一片 舞い落ちる

  田の泥水の中に 舞い落ちる

  遠く離れたところから 風に乗って

  我が濁った心の中にも 舞い落ちる

  桜の花びらが一片 

  遠く風に乗って 舞い来たる

 

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  心というもの

  それは 進歩するものだろうか

  永遠に広がる 海の豊かさ

  その豊かさを少しずつ 己のものにする

  そうして心が少しずつ 豊かになる

  そういうことではないだろうか

 

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