山々の新緑が 濃さを増す頃
その五月下旬の暖かな夕方
部屋の窓を開け放てば
五月の風が 吹き抜けて行く
その薄暗い部屋の椅子に ゆったりと寛ぐ
五月の豊かな時間が
ゆっくり流れるのを 感じながら
稲の苗の 野菜の苗の
すべての草木の 命のエネルギーが
大気の中に満ちているのを 感じながら
~~~~~~~~
形の整った 立派な歌よりも
素直な 正直な歌に感動する
野に咲く一輪の花のように
いつまでも 我が心に咲きつづける
一条の 光となって
~~~~~~~~
ひとつ ひとつ 詩を書く
少しずつ 少しずつ 心が豊かになるように
そう願いながら
ぽつん ぽつんと 蛇口から落ちる滴が
やがては コップを満たすように
そう願いながら
ひとつ ひとつ 詩を書く
~~~~~~~~
芸術家というもの
詩人 画家 音楽家
彼等が 声高に語る言葉よりも
彼等が 真実を追い求める姿
その後ろ姿に 深く感銘する
頂を目指して岩壁を登る クライマーのように
その数は 極めて少ないけれども
それは 道標となって輝いている
~~~