心のままに

おもいを言葉に

世界の人々の

2021-10-28 22:34:16 | 日記

 

  世界の人々の 心の中にある 愛という言葉

  それは日本人の 私の頭の中にある言葉

  心の中にある 血の通った言葉ではなく

  その愛という言葉の 本当の姿は何だろう

  それは万人に 分け隔てなく 手を差し伸べる

  菩薩の心 のようなものだろうか

  その愛が 世界の人々の 心の中にある愛と

  同じかどうか 分からぬけれど

  その愛に 紛争の絶えぬ世界を 

  救う力は どれほどあることだろう

 

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時々

2021-10-23 09:48:53 | 日記

 

  時々 鍋を搔きまわす

  すると 鍋の底から 暗く黒い具が顔を出す

  その具の消えることのない汚れに 心が痛む

  そして その具に火を通しては また 鍋の底に沈めていく

  するとまた 鍋の底から 新たな暗く黒い具が顔を出す

  

  時々 鍋を掻きまわしては

  そんなことをくり返しながら

  人間として 決して立派ではない私は 

  こうして生きていくしかないのだと

  そう思いながら 時々鍋を掻きまわす

 

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  死に絶えたように思える ウィルスが

  土の中に じっと息をひそめ

  ふとした拍子に 大気にまん延する

 

  心の底深く沈んだ 暗いおもいが

  ふとした拍子に 頭をもたげ 顔を出す

  我が心はどうしようもなく かき乱される

  どんなに悟りきった顔をして 生きたところで

 

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  人はなぜ この世に生きるのだろう

  こうして光の中に 大気の中に 風の中に 人々の中に

  素直な心で

  生きる喜びを 感じながら

  人々と喜びを 悲しみを分かち合いながら

  生きていく

  それだけで生きることのすべてが 満たされる

 

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  自然の中の

  草木の ひとつひとつが

  命のひみつについて 語っている

  素直な気持ちで 耳を 心をすませば

  その声が 聞こえてくる

  普段気がつかない 時計の秒針の音が

  聞こえてくるように

 

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  老いては

  誰も逃れることのできない

  死へ 近づいていく

  朝 ごく自然に 何事もなく

  静かに 死んでいる

  電池が 切れるように

  そのように 死んでいけたなら

  どんなに よいことか

  そうあってほしいと

  そう願いながら

  老いていく

 

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収穫が終わった

2021-10-19 19:59:39 | 日記

 

  収穫が終わった 秋の澄みわたった日

  空はどこまでも青く

  静謐な大気が 地をおおう

  上空に群れていた蜻蛉は いつの間にか姿を消し

  かすかな風に すすきとえのころ草の 穂がゆれる

  熟成した葡萄酒のように

  あたりに豊かな命が 満ちているのを感じる

  迫りくる冬を 目の前にして

 

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  小説も詩も 魂が求めるものの 

  表現方法であるとすれば

  小説は ひとつの主題に向かって

  外堀を埋めながら 核心部分に迫っていく

  何百ページもの 文章を費やしながら

  一方詩は 直接 核心部分に迫っていく

  たった一ページの 濃縮された言葉によって

  人生の 真実について

  

  小説が 夜空に開く 

  大輪の 花火であるとすれば

  詩は 夜空に一瞬 鮮烈に輝く

  光のようなものに違いない

 

  

  

 

  

  

  

 


木々が

2021-10-15 09:28:29 | 日記

 

  木々が 美しく色づき

  秋が 深まっていく

  自然は なぜ 

  これほどにも 美しくあるのだろう

  それはきっと 神のもとに

  これほどにも 美しくあるのだろう

  そしてきっと 我々の

  魂の 幸福のためにも

 

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  息を止めて 潜水をする

  暗い 海の中を

  ずっと 向こうに

  かすかに 光が見える

  しかしそこまでは 息が続かない

  やがて 誰もが 

  暗い海の底に 沈んでいく

  人間としての 限界の中に

  この世に 生きるとは

  きっと こういうことに違いない

 

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たとえば

2021-10-12 17:01:46 | 日記

 

  たとえば 人類の天才的な頭脳

  アインシュタインのような

  宇宙の法則を 解明するような

  人間の存在意義は 

  そういう頭脳のために あるのだろうか

  人は 神であるはずもなく 

  また 神になることもできない

  そこには自ずから 人間としての限界がある

  宇宙にあまねく充満する 大いなる力 

  そして 光

  その中に 生物としての人間が生きる

  こうして 心臓の鼓動を感じながら

 

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  心の中に 

  諸々の思いが うずまく

  心の中の 塵あくたが

  我が心を 苛む

  夜も 眠れぬほどに

  しかし 大いなる自然は 大地は

  静かなる 光の中に

  じっと たたずむばかりだ

  何も こばむことなく

  すべてを 受け入れながら

 

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