心のままに

おもいを言葉に

温泉の湯上りに

2022-05-31 11:04:38 | 日記

 

  温泉の湯上りに 窓を開け

  遠く山の上の 青い空を眺める

  そこに少年の日の 青い空がある

  空想冒険小説に熱中した 青い空が

  その青い空の向こうに 大海原が 

  未開のジャングルが 広がっている

  そして はるか宇宙の彼方へと 続いている

  そこには光輝く 魅惑の惑星がある

  限りない夢と 可能性を秘めて

  そんな少年の心が 老いた我が心に

  今もなお 息づいている

 

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  朝 家のカーテンを開ける

  朝の光が 家の隅々に差し込む

  我が心にも

  ちっぽけな 我が心が

  大いなる 大自然の中に

  生かされているのを 感じる

 

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  どんなに 歳を重ねようと

  心の暗い部分の燃えかすが

  ひょっとした拍子に 頭をもたげ

  ふたたび 燻ぶりはじめる

  どんなに 悟りきった顔をして

  生きたところで

  どうにもならずに

 

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正宗白鳥が

2022-05-18 09:46:37 | 日記

 

  正宗白鳥が 小林秀雄との対談の中で 

  次のように言う

  「僕は文学なんかどうでもいい。

  人間の生きる悩み、どうして生きるか。

  この世に人類というものが発生した苦労だな。

  そういうようなところに、いつも惹かれるんだな。」

  この言葉に 深く同感する

  人間として この世に生きている限り

  生きるということの本当の意味を 追い求める

  より確かなものを より真実の光を

  心が 魂が常に 

  そのような方向に働いて 止まないのだ

 

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  花を見て 素直に美しいと思う

  そこに 何よりも信じるに足る

  詩が生まれる

  こうして生きている 人間にとって

 

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  人は己の内で

  すべてを成就するほど 偉くはない

  ただ己の外に向かって 心を開き

  他者と心を 通わせる

  そうすることによって 心はより大きく成長する

  そのように思う

 

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山間の

2022-05-09 16:15:01 | 日記

 

  山間の 五月の新緑の中に

  大いなる 平安の中に

  田の代を 掻く

  そのトラクターの上で 思った

  私という名前を背負った 私は

  最早 無用となり

  魂だけが 新緑の中にとけていく

  私は 私から解放され

  大自然の大いなるものと 一体化していく

  そうして魂は 最後に行き着くであろう

  幸福というものを 微かに感じている

 

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  山間の 新緑の風景は

  どこを 切り取っても

  美しい 一幅の絵になる

  自然の すべてが 

  生き生きと 息づいている

  草木の ひとつひとつが

  命の 喜びの中に

 

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心の凹凸が

2022-05-04 09:03:47 | 日記

 

  心の凹凸が 世間の風に晒され

  あちこち 擦れて痛む

  薄皮に覆われた 弱い部分が

  心の急所とも いうべきところが

  その急所のありかは 人によって 

  それぞれ 違うのだろう

  他人から見れば 何でもないようなところが

  するどく 擦れて痛む

  それが我が存在をも ふるわせる

  老いて なお

  どうすることもできずに

 

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  己の心さえ よくわからないのに

  他人の心など わかるはずがない

  ただ 心の外の

  夜空に輝く 美しい星を

  誰もが 追い求めるのなら

  その心の ありようにおいて

  我々は互いに 心を通わすことができる

  それが 人と人がこの世に

  共に生きる ということに違いない

 

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  どんなに世界が 揺れ動こうとも

  我々の心は 平安を求める

  荒れ地に 一輪の花を求めるように

  どんなに世界に

  暗雲が 垂れこめようとも

 

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