人々の営みの上を渡って 風が吹く
その風に 耳を澄ませば 心を向ければ
命の歌が 聞こえてくる
時計の秒針の音が かすかに
聞こえてくるように
心の琴線を ふるわせながら
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人々の営みの上を渡って 風が吹く
その風に 耳を澄ませば 心を向ければ
命の歌が 聞こえてくる
時計の秒針の音が かすかに
聞こえてくるように
心の琴線を ふるわせながら
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人の世に悩み苦しみ 心の平安を 光を求めて生きる
しかし心は 常に揺れ動き 思うにまかせない
もし心に 一輪の花を 咲かすことができたなら
それはきっと 心の大きな 拠りどころとなるに違いない
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静かな夜
ひたむきに歌う 讃美歌の合唱を じっと聞く
わけもなく 涙があふれ出る
キリスト教徒でもないのに
どうしようもなく
我が愚かさを 身にしみて感じながら
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静かな 温泉街を歩けば
見も知らぬ 観光客から
こんにちはと 声をかけられる
ごく自然に こだわりなく
こちらも こんにちはと 返す
互いに ほほえみながら
こだわりのない 心になって
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最近 心打たれた テレビ番組
それは秩父山中の 限界集落
その数戸の民家の 老いた人々
子供たちは山を去り 集落には戻ってこない
それでも ふるさとの山に生きつづける 老いた人々
畑仕事を 山仕事をしながら
老骨に 鞭打ちながら
NHKの取材班は この集落の人々が死に絶えるまでを
十数年にわたって 撮りつづける
人がこの世に生きるとは どういうことなのか
人にとっての幸せとは 何であるのか
誰もいなくなった 集落の春
人々が植えた 木々の花が咲き誇る
その花の間から 懐かしい笑顔が見えてくる
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夏至も過ぎた 梅雨の晴れ間
外界は いつまでも明るく
豊潤な世界が あたりに満ちあふれる
そう感じながら 野道をそぞろ歩く
平安なる 時間の中を
ここに 豊かな詩がある
そう感じながら 薄暮の中をそぞろ歩く
ただ 満ち足りて
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