一面 緑の大地
その畑に 草を取る
大いなる 時間の流れの中に
すべてを包む 母なる自然の中に
こうして生きている命を 感じながら
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結局のところ
詩とは
詩人の魂
そのもののこと
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一面 緑の大地
その畑に 草を取る
大いなる 時間の流れの中に
すべてを包む 母なる自然の中に
こうして生きている命を 感じながら
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結局のところ
詩とは
詩人の魂
そのもののこと
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野に咲く 色とりどりの花の色
それは 自然のメッセージ
生きとし生けるものへの
じっと 心をすませば
大いなる 自然の声が聞こえてくる
大いなる 命の根源の 声が
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どんなに とっつきにくい
しかつめらしい 顔をした人であっても
その人が ふとした拍子に見せる
弱者への優しさを 垣間見たなら
その人への親近感を 感じずにはいられない
同じこの世に 生きる人間として
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戦争における 勝者と敗者
どちらにも 正義などありはしない
無差別に大量殺戮される 女 子供 老人
ここに どんな正義があるというのだ
どんな栄光があるというのだ
その先の 未来にも
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単に 文字を組み合わせ
空中に楼閣を築くがごとく
詩をつくる
これが 詩であるという
こういう詩が 巷にあふれる
魂に作用することのない
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町の中を どこかの国の旅人が 歩いている
同じ人類であるというほかは
この地球に共に生き 同じ空気を吸っているというほかは
何の 縁もゆかりもない旅人が
人種が 文化が違っていようと
もしその旅人と 心が通い合えたなら
それは どんなに素晴らしいことだろう
そしてすべての人類と そうできたなら
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気持の沈んだ時には 行進曲を聞くといい
太鼓の上を跳びはねる 塵のように
光のひとつぶひとつぶが 跳びはねる
一緒に 沈んだ心が 弾みだす
憂鬱な事柄が どこか遠くへとんでいく
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人がこの世に こうして生きている
心臓の鼓動と共に
何よりも確かな
どんなに 言葉を費やしたところで
そしていつかは 死んでいく
誰も逃れることなく
冷厳な事実の中に
どんなに 言葉を費やしたところで
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家の裏に 家に寄り添うように
八重桜の木が 立っている
普段 気にとめることもなく
ひらひらと舞う 花びらに
ふと 見上げれば
そこには 満開の八重桜
こんなにも 美しかったのかと
しばらく そこに佇む
最も身近にいる 母親の愛情に
やっと気づいた 子供のように
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四角いブロックを 積み重ね
高みに 至らんとする
ブロックを一個ずつ 上へ上へと積み重ねて
しかし その不安定さのために
わずかな衝撃にも たちまち崩れ落ちる
少しの高みに 至ることもできずに
広大な 四角い基礎の上に
ブロックを一段ずつ 積み重ねていく
大量のブロックを ピラミッドの形に
そして ピラミッドの頂点に 高みを獲得する
五千年も 揺らぐことのない高みを
広大な 基礎の上に
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大いなるものの中に
すべての命が 生きている
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野良猫が一匹 草むらの中を じっとうかがっている
ずっと 一時間ほども
一食の食事を得るために これほどの時間をかけて
わずか十分で片づけた 我が食事のことを思うと
そして余った時間で こうして野良猫を観察している
緊張のない時間の中に
今も野良猫は 一食の食事を得るために 真摯な時間の中にいる
どちらの命が より輝いているのだろう
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新緑の山に 点々と 山桜が咲く
代を掻く 田の畦には
たんぽぽが咲き乱れ 紋白蝶が舞う
こんな 山間の集落の風景が
季節ごとに 繰り返される
季節ごとの 風景となって
これらの風景が そのたびごとに
心の中に 色を重ねていく
より深い 色合いとなって
そして このふるさとの
風景の中に 自然の中に
たんたんとたんたんと 老いていく
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分厚い一冊の 本の重みよりも
あなたが心から流す 一滴の涙のほうが
遥かに重く 尊いのです
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真実は 閉ざされた空間にとどまることなく
時空を超え 全世界へ 宇宙へと広まっていく
消え去ることなく
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心の問題に 正解などありはしない
方程式のようには
ただ 魂が納得するのなら 共感するのなら
それが答えになる
流れる水の 流れ行く先のように
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コンピューターが 言葉を並べ
詩らしきものを作ったところで
心のない その言葉に
どうして 共感などできよう
こうして 汗を流しながら
喜びと共に 痛みと共に
毎日 生きている 人々にとって
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