老いて心は
物事への関心が おぼろになっていく
さざ波のように ささいな出来事は
何事もなく 通り過ぎていく
しかし 心の中心部分は
いきいきと 鼓動している
心は 母なる自然の
奥深くより 寄せ来る
大いなる波動に 呼応していく
永遠なるものの 中に
命のふるさとの 中に
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芸術家としての命を
本当に生きている人と 問われれば
草間彌生を 思い浮かべる
小澤征爾は 死んでしまったけれど
悲しいことに 詩人は
誰一人 思い浮かべることができない
遥か 啄木を除いては
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