世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

世界の流れは、EV化(32)

2021-12-22 00:00:00 | Weblog

再生可能エネルギー50%は難しくグリーン燃料が必要

 続いて、日本の発電におけるエネルギーミックスを見ていこう。図3はエネルギー構成比、図4は排出係数を示す。それぞれについて、日本の2018年における実力値(実績)と日本の2030年の基本政策国連目標であるCO2 45%減〔2030年に電力製造時のCO2排出量を45%削減(再生可能エネルギー50%)〕について示した。2030年までにCO2を45%削減するためには、筆者の試算では2018年比で、石炭を31%から11%に縮小する一方、再生可能エネルギーを18%から50%へ大幅に拡大する必要がある。日本にとっては非常に高いハードルである。

 小泉進次郎環境大臣は現在の基本政策に示す22~24%の2倍は必要だと述べたが、それでも足りない。そのため、50%の内訳には、石炭や天然ガスに代わるグリーン燃料も含める必要性が出てくる。

 2021年11月に英国で開かれる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、各国政府は具体的な目標を提出することになるが、現在経済産業省が調整中のものは、石炭19%、再生可能36~38%と、筆者の示す目標とはほど遠く、さらに原発も20~22%と従来と変わっていない。これは、稼働中の原発を9基から25基程度に増やすことを意味し、廃棄処分場をいつまでたっても決定しない中でのこの姿勢は、以前から全く変わっておらず、無責任そのものだ。


図3●日本の発電におけるエネルギーミックス
日本の2018年における実力値(実績)と、日本の2030年の基本政策(2018年)、2030年の国連目標〔CO245%削減(再生可能エネルギー50%)〕の3つのケースについて示した。2030年までにCO2を45%削減するのは、日本にとって高いハードルとなる。 [画像のクリックで拡大表示]


図4●排出係数 (作成:筆者) [画像のクリックで拡大表示]

EV対HEV、WtWでHEVに軍配

 次に、2030年におけるEVとハイブリッド車(HEV)のWell to Wheel(WtW;油田からタイヤを駆動するまでのCO2排出量)、および原材料調達から生産、使用、廃棄までの全体で評価するライフサイクルアセスメント(LCA)でのCO2に関して比較してみよう。

 図5は、2018年時点における各国の単位電力当たりのCO2排出量を示している。インド、中国、日本がワースト3である。図中の①は日本の2018年における実力値(2018実績)、②は日本の2030年の基本政策(2018年)、③は国連目標であるCO2 45%減〔2030年に電力製造時のCO2排出量を45%削減(再生可能エネルギー50%)〕に相当する。


図5●2018年における単位発電量当たりのCO2排出量
(作成:筆者) [画像のクリックで拡大表示]

 図6は、図5を基に、EVのWtWでのCO2排出量を算出したもので、HEVおよびエンジン車のWtW でのCO2排出量も図中に示した。2018年時点ではEVのWtWでのCO2排出量がHEVを大きく上回っている。おまけに、②のエネルギー基本政策を進めても、HEVを下回るCO2排出量とはならない。③の国連目標であるCO2 45%減を満たして、ようやくEVのCO2排出量がHEV(2030年時点でシステム効率が20%改善したと仮定)のそれを5%ほど下回る。だが、これもHEVのエンジン用ガソリンにバイオ燃料や合成液体燃料(e-Fuel)を5%以上混合すれば、HEVが優位になるということだ。


図6●2018年におけるWtWでのCO2排出量
HV:ハイブリッド車。(作成:筆者) [画像のクリックで拡大表示]
(続く)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世界の流れは、EV化(31) | トップ | 世界の流れは、EV化(33) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事