世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(90)

2023-06-30 00:00:00 | Weblog

はなしは脇道(でもないが)にそれてしまったが、

トヨタは現在、米国のノースカロライナ州で「電池工場」((TBMNC) Toyota Battery Manufacturing North Carolina)を、建設中である。

トヨタ・90%、豊田通商・10%の出資で、59億ドル(およそ8200万円)を投じて、2025年稼働を目指している。日本ではパナソニックと組んで、車載電池の作っているが、米国では通商と組んでおり、パナソニックとは組んでいない。

どうも決定がもたつくことを恐れて、パナとは組まなかったようだ。

米国にはIRA法・Inflation Reduction Actがあるので、どうしても北米での現地生産が必須となっているので、後はBEVの組み立て工場をどこに作るかが課題として残っているが、これも現在はHEVを組み立てているケンタッキー州の「(TMMK)Toyota Motor Manufacturing Kentucky」で、ライン改造を施して「3列シートのSUV」のBEVを生産することになっている。

もちろんバッテリーは、TBMNCから供給されるから、トヨタ初の電気自動車の生産も2025年からとなる。

トヨタは、2026年までに10モデルを投入して、年間150万台のBEVを販売する計画であるので、このTMMKのBEVラインはEVの主力工場の一つとなろう。

150万台も350万台も膨大な数字であり、各種の電気自動車を組み立てなければならないわけで、そのプラットフォームもキチンと準備されているようだ。

プラットフォームも一つではない、次の3種類を考えているようである。と言うよりも、新工法によるP.Form出ないとBEVとしては効率的ではないようだ。

(1)マルチパスウェイ プラットフォーム---現行TNGAタイプ
(2)BEV専用のプラットフォーム-----e-TNGAタイプ(bz4xタイプ)
(3)新工法による次世代プラットフォーム--次世代型(2026~,'30/170万台)


さて注目の「全個体電池」であるが、トヨタは2023.6.13の技術説明会では、「2027~28年にチャレンジ」と言っているが、日産が「2024年にパイロットライン、2028年に市場投入」と言っていることから、「'27年~'28年に投入」と発表したわけだが、どちらかと言うと欧米メーカーの投入予定時期も考慮して、2027年に投入する可能性が高かろう。

なんと言っても、トヨタは2020年8月から全個体電池を搭載した試作車の公道試験を実施している手前、それなりの実用化の目途は建っているのではないのかな。HEVのプリウスの投入の「21世紀に間に合いました」との宣言のように、全個体電池も「2027年に間に合わせました」として、発表するのではないのかな。

次に、まとめの意味でトヨタの「全個体電池」の記事を載せるので、ダブるかも知れないが、ご一読願う。




トヨタ、「全固体電池」市販時期を明言...新戦略発表の衝撃 一気にゲームチェンジへ! トヨタのEV反撃は「本物」か
2023年06月26日08時15分

  トヨタ自動車が全固体電池を用いた次世代のバッテリー電気自動車(BEV)の市販を目指す新たな戦略を発表し、業界に波紋を広げている。
 
  BEV開発でトヨタは、テスラはじめ米欧中の自動車メーカーに出遅れていると言われて久しい。だが、そのトヨタがライバルに先駆けて全固体電池を実用化すれば、世界でBEVのゲームチェンジャーとなる可能性がある。

   かつてハイブリッドカー(HEV)で世界をリードしたような主導権を再びトヨタが握ることができるのか。


次世代バッテリーEV戦略を語った、トヨタ自動車 BEVファクトリープレジデントの加藤 武郎氏(プレスリリースより)


航続距離が飛躍的に伸びる「次世代電池」 トヨタ、2027~28年、BEVへの搭載目指す
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(89)

2023-06-29 00:00:00 | Weblog

しかもこの中国籍の男が研究データを漏洩した先の中国の化学製品企業は、この不正取得したデータで特許まで取得していたというではないか。
こいつらは全くの悪党で、中国政府は将にデビルだ。



“漏えい情報”で中国企業が特許取得か 「産総研」中国籍の男逮捕
2023年6月17日 11:41

産業技術総合研究所」の研究員の中国籍の男が研究データを中国の企業に漏えいしたとして逮捕された事件で、中国の企業が受け取った研究データと似た内容で特許を取得していたことがわかりました。

産総研の上席主任研究員で中国籍の権恒道容疑者(59)は、研究データを中国の会社にメールで漏えいした疑いで15日に警視庁公安部に逮捕されました。

捜査関係者への取材で、メールを受け取った中国の化学製品製造会社がおよそ1週間後に中国で特許を申請し、その後取得していたことがわかりました。

取得したのは「フッ素化合物」の合成に関わる技術で、権容疑者から提供された情報に似た内容のものだったということです。

公安部は研究データが中国での特許の取得に使われたとみて調べています。

https://news.ntv.co.jp/category/society/0868bd88946a4c62803ed7eb4f23e228?ref=recommend_popin


この件で中国共産党政府は、厚かましくも、「中日の科学技術交流や協力のための良好な環境を整えるよう望む」なんぞと伝えてきている。そんなことはこっちから中国へ言いたいことだ。それは、「アステラス製薬の社員」を早く返してから言うべきことだ。

日本政府はこの中国人を極刑にすべきであろう。序に中国人をもう2、3人捕まえておく必要があるのではないのかな。



中国、日本に「深刻な懸念」伝える 産総研の中国籍研究員逮捕めぐり
北京=畑宗太郎 2023年6月19日 20時08分

中国外務省の毛寧副報道局長=2023年5月、北京、畑宗太郎撮影

 国立の研究開発法人「産業技術総合研究所」(産総研)の研究データを中国企業に漏らしたとして、中国籍の研究員が不正競争防止法違反(営業秘密の開示)容疑で警視庁に逮捕された事件をめぐり、中国外務省の毛寧副報道局長は19日の記者会見で、外交ルートを通じて日本側に「深刻な懸念」を伝えたとし、「中国国民の合法的な権利を確実に守るよう求める」と述べた。

警視庁本部

 毛氏はまた、日本側に法治や市場経済、公平な競争原則を尊重するよう求め、「中日の科学技術交流や協力のための良好な環境を整えるよう望む」と付け加えた。

 警視庁によると、産総研研究員の権恒道容疑者は2018年4月、フッ素化合物の合成技術情報を含む研究データを中国企業にメールで送信した疑いがある。産総研で働き始めて以降、中国軍と関連が深い「国防7校」の一つとされる北京理工大で教授を務めていたことも、明らかになっている。
(北京=畑宗太郎)

https://www.asahi.com/articles/ASR6M664RR6MUHBI036.html?iref=pc_ss_date_article

こういう状況を鑑みるに、日本は早急にサイバーも含めて防衛力の増強を図る必要かある。当然のこととして、中国から(だけではないが)の攻撃に対処できる防衛力増強と反撃能力としての核武装が必須となろう。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(88)

2023-06-28 00:00:00 | Weblog

つくばの産業技術総合研究所(産総研)中国籍の研究員が、産総研の企業秘密を中国企業に違法に渡していたとして、逮捕されたことは記憶に新しいことでしょう。知らないとしたら、如何に平和ボケしているのか、と猛省してもらいたいものであるが、このように中国人と見たら中国共産党政府のスパイだと構える必要があると言うことである。

中国人は、中国共産党政府からは、必要な情報はすべて中国政府に渡さなければならないというきまりに縛られているからである。



中国企業に先端技術データ漏らした疑い 産総研の中国籍研究員を逮捕
吉沢英将2023年6月15日 19時42分

 中国企業に先端技術を漏らしたとして、警視庁公安部は15日、国立の研究開発法人「産業技術総合研究所」産総研、茨城県つくば市など)の研究員で中国籍の権恒道(チュエンホンダオ)容疑者(59)=同市=を不正競争防止法違反(営業秘密の開示)の疑いで逮捕し、発表した。認否を明らかにしていない。

 公安部によると、権容疑者は2018年4月13日午後4時半ごろ、産総研のメールアドレスから、中国に所在する企業が使用するメールアドレスに対し、フッ素化合物の合成技術情報が記された研究データを送信した疑いがある。同部はこの送信について、同法が禁じている営業秘密の開示にあたると判断した。

 フッ素化合物は電気の絶縁ガスなどとして用いられる。公安部は、送信されたのは権容疑者が研究開発に関わっていた技術や情報だったとみている。同容疑者の複数の関係先を家宅捜索しており、送信先の中国企業との関係や送信の経緯について調べる方針。

 産総研によると、権容疑者は02年から勤務していた。産総研は日本最大級の公的研究機関で、国内12カ所の研究拠点で約2300人が七つの領域で研究を進めている。(吉沢英将)
https://www.asahi.com/articles/ASR6H667ZR6HUTIL029.html?iref=pc_rellink_01


この「権恒道(チュエンホンダオ)容疑者(59)」は、中国「国防7校」の北京理工大学で教授も務めており、習近平とも面識があるという。まあ、バリバリの中国共産党のスパイでもある、ようだ。


中国の「国防7校」教授を兼任 先端技術漏らした疑いの産総研研究員
吉沢英将2023年6月16日 18時22分

警視庁本部

 「産業技術総合研究所」(茨城県つくば市など)の研究データを中国企業に漏らしたとして、不正競争防止法違反(営業秘密の開示)容疑で警視庁に逮捕された中国籍の研究員権恒道(チュエンホンダオ)容疑者(59)が、産総研で働き始めて以降、中国の北京理工大学で教授を務めていたことが捜査関係者への取材でわかった。

 同大は、中国人民解放軍と関連が深いとされる「国防7校」の一つ。警視庁公安部は、権容疑者と中国企業との関係やデータを漏らした目的について捜査している。

習近平氏と握手の写真

 捜査関係者などによると、権容疑者は2002年から産総研で働き、06年12月に北京理工大から教授に任命された。18年1月には、中国の「全国科技大会」で自身の研究が表彰を受け、習近平国家主席と握手する写真が華僑団体のホームページに掲載されている。中国で会社を設立したとの記載もある。

 権容疑者は18年4月、中国企業が使用するメールアドレスに、フッ素化合物の合成技術情報が記された研究データを送信した疑いがある。「営業秘密にはあたらない」と容疑を否認しているという。

 中国企業は化学メーカーで、日本にも代理店がある。代理店は権容疑者の妻が代表を務めているという。情報の内容は、地球温暖化対策にも有用な研究データだという。

 日本の先端技術をめぐっては、国外への流出が懸念されている。経済安全保障に関わる情報保全を強化するため、政府は、機密情報を扱う人物の身辺を調べる「セキュリティークリアランス」(適正評価)制度の導入を検討している。

 松野博一官房長官は16日の記者会見で、「逮捕者が出てしまったことは誠に遺憾」と話し、経済産業省から産総研に対し、情報漏洩(ろうえい)対策の徹底を指示したと述べた。(吉沢英将)
https://www.asahi.com/articles/ASR6J5X25R6JUTIL00N.html?iref=pc_rellink_01
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(87)

2023-06-27 00:00:00 | Weblog

今年の2月には中国メディアが日本が「全個体電池の開発に成功」と報道していたので、眉唾物ではないかと小生は思っていたのであるが、以上のニュースに接すると、中国は何らかの確かな情報を得ていたのかもしれないと、疑念を感ずるものである。

日本には中国のスパイが沢山入り込んでいるものと思われるのだ。


日本が全固体電池の開発に成功、中国自動車企業は危機感を―中国メディア
Record China    2023年2月23日(木) 8時0分


20日、捜狐に、日本企業が全固体電池の開発に成功したことに対し、中国の自動車メーカーは危機感を持つ必要があるとする文章が掲載された。

2023年2月20日、中国のポータルサイト・捜狐に、日本企業が全固体電池の開発に成功したことに対し、中国の自動車メーカーは危機感を持つ必要があるとする文章が掲載された。

文章は、日産の欧州研究開発担当上級副社長であるデビッド・モス氏が先日、同社が全固体電池の開発に成功して25年にパイロット生産を開始、28年には全固体電池を搭載した電気自動車(EV)を発売する予定であることを明らかにし、ドイツのBMWも先日、25年に全固体電池搭載のプロトタイプ車を生産する計画を打ち出したと紹介。全固体電池は長い航続距離、高速充電、長寿命を特徴としており、次世代のEV競争で重要な技術となる可能性が高いことから、日本での開発成功に対し中国のメーカーは危機感を持つ必要があると指摘した。

また、日本は早い時期から固体電池の開発に力を注いでおり、トヨタは10〜14年に硫化物系固体電解質に関連する大量の特許申請を行っていたとした。さらに、固体電池の普及を大きく妨げている要因の一つが液体電池の4倍と言われるコストであり、日本ではトヨタ、パナソニック、京都大学、理化学研究所など自動車、電池、材料メーカーなど38の企業、研究機関がタッグを組み、30年までに全固体電池のコストをリチウムイオン電池の30%にまで低減する計画を打ち出して研究に取り組んでいると伝えた。

一方、中国国内の新エネ車産業計画では、30年を目処に液体電解質の固体電解質への置き換え実現を目指しており、これでは日産の打ち出した計画よりも3〜5年遅れを取ることになると指摘。日本企業が3〜5年先に固体電池の量産体制を確立すれば、日本車の競争力が非常に大きく高まることになり、これまで優位性を確保してきた中国の電池企業や新エネ車メーカーにとっては大きな打撃になる恐れがあるとした。

その上で、「中国企業は早めに準備をしなければ追い越されるという大きな危機感を抱きつつ、全固体電池の研究開発を軽視することなく地道に進めていかなければならない」と結んでいる。(翻訳・編集/川尻)

https://www.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=909595


また5月にも中国メディアは、全個体電池に対して警鐘を鳴らし、「中国の新エネルギー車企業や電池企業に対して全固体電池技術を重視するべきだと提言」している。

ここでは、トヨタが2025年に試作ライン、2030年には全個体電池の量産化を実現していると記されているので、今回のトヨタの2027~28年に量産化チャレンジとの話とそれほど差が無い情報だと感じているのだが、中国の情報網の確かさには十分すぎるほどの警戒が必要となろう。

中国人を雇うことには、それなりの注意が必要となろう。中国人は全員が中国共産党政府のスパイであると認識しておくことだ。



日本が全固体空気二次電池を開発、中国名門大教授「中国メーカーは重視を!」―中国メディア
Record China    2023年5月26日(金) 14時0分


25日、毎日経済新聞は、日本の大学が新たな全固体空気二次電池の開発に成功したことを伝えるとともに、清華大学の教授が中国メーカーに対しこの分野への重視を呼びかけたことを報じた。

2023年5月25日、毎日経済新聞は、日本の大学が新たな全固体空気二次電池の開発に成功したことを伝えるとともに、清華大学の教授が中国メーカーに対しこの分野への重視を呼びかけたことを報じた。

記事は、山梨大学早稲田大学が5月19日、イオン交換膜を電解質とし、酸化還元活性を持つ有機化合物を負極とする全固体空気二次電池を開発したと発表し、研究成果の論文がドイツ化学会の学術雑誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に掲載されたと紹介。従来の空気電池に比べて安全性が高く、電極性能低下の原因となる水分を用いないといった特徴があり、今後材料の性能向上、耐久性の改善によりスマートフォンなどのモバイルデバイスの電源として利用できる可能性があると伝えた。

そして「現在世界において、全固体電池に最も多く投資をしているのは日本企業だ」とし、この分野で最も多くの技術特許を持つトヨタ2025年までに全固体電池の小規模生産、30年までに安定的な量産を実現する計画を立てているほか、ホンダも4月26日の記者会見において液体リチウムイオン電池の開発と並行して半固体・全固体電池などの次世代電池の開発、発表に取り組み、24年に全固体電池のモデル生産ラインを動かす計画を明らかにしたと紹介している。

その上で、既存の液体電池が安全性に問題点を抱え、産業界ではさらに高いエネルギー密度が求められつつある中で新技術として固体電池が脚光を浴びる一方、その実用化に向けてはなお一定の開発期間が必要であることから、当面は固体と液体のハイブリッド型電池が主流となり、徐々に全固体電池に置き換わっていくとの見方を華泰証券が示し、30年には全固体電池の世界市場規模が3000億元(約5兆9000億円)にまで膨らむと予測していることを伝えた。

記事はまた、4月16日に上海市で行われた世界動力電池大会のプレフォーラムで座長を務めた中国科学院会員で清華大学教授の欧陽明高(オウヤン・ミンガオ)氏が「全固体電池技術は現在なおも多くの課題に直面しているが、それでもわれわれが追い求めるに値する目標であることに変わりはない」と述べ、中国の新エネルギー車企業や電池企業に対して全固体電池技術を重視するべきだと提言していたことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)

ttps://www.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=914661


上記のこの警告「中国人を雇うことには、それなりの注意が必要となろう。中国人は全員が中国共産党政府のスパイであると認識しておくことだ。」には、それなりの根拠があったのである。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(86)

2023-06-26 00:00:00 | Weblog

トヨタは2023.6.8(木)に、静岡県の東富士研究所で、技術説明会Toyota Technical Workshop 2023」を開催した。全個体電池を始め、次世代電池の概要を発表した。

そして、その内容がトヨタにより、6月13日(火)に明らかにされた。

次世代電池から燃料電池などの開発計画が、明らかにされたのである。

トヨタとしては「クルマの未来を変えていこう」をテーマに、そこではモビリティカンパニーへの変革を導く数々の新技術を公開している。

詳しくは、トヨタの「プレゼン」・『トヨタ、クルマの未来を変える新技術を公開-バッテリーEVの革新技術、水素事業の確立を柱に、技術の力で未来を切り拓く-』 (https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/39288466.html

を参照されるとよい。


次に新型次世代電池の概要を、簡単にまとめておく。間違いがあればどしどしご訂正願う。

新型と言っても、本体は「リチウムイオン電池」の改良版である。(と言ったら失礼かもしれないが、それは現状での最先端の技術なのであろう。)

トヨタは今年の2023年4月7日に、2026年までにBEV10モデル追加して、年間150万台を販売すると宣言しているので、その裏付けとなる次世代電池の説明である。

まだまだ課題は山積み状態ではある。が、差し当たっては充電設備などを含めた電力供給体制をどうするか、と言った問題はさておき、トヨタが言う2026年頃から投入される次世代電池を羅列してみよう。次の4種類である。


(1) 角型次世代電池(パフォーマンス型)・正極に三元系(N・C・M)

(2) バイポーラ型次世代電池(普及版)・正極にリン酸鉄リチウム(LFP)

(3) バイポーラ型次世代電池(ハイパフォーマンス型)・正極にハイニッケル

(4) 全個体電池・膨張収縮に耐えうる固体電解質を発見。課題はコスト・量産


       550kmのbz4x比で                     
         航続距離  コスト  充電時間 量産時期  適応車 
(1)三元系   2倍1100km ▲20%  20分 2026年~ 上級車
(2)リン酸鉄系 +20% 660km ▲40% 30分  2026~2027年 普及車
(3)ニッケル系 2.2倍1200km ▲30% 20分  2027~2028年 上級車
(4)全個体   2.4倍1350km UP    10分  2027~2028年 全般 

なお、全個体電池では、1,500km以上の航続距離も検討中である。

そして、全個体電池の弱点であった耐久性・「膨張収縮により電極離れ」は、何とか克服できるようになったわけだが、如何せん、まだコストがべらぼうに高くて、そして、量産方法がまだ定まっていないのだ。

電解質の材質は解決のめどが立ったので、次はコスト削減と量産方法の解決である。その解決にまだあと4年以上の歳月が必要と踏んでいるようだ。

トヨタとしては、この全個体電池で、BEV業界を席巻しようと目論んでいると言った状態なのであろう。そしてそれまでの間は、既存のリチウムイオン電池の改良でと考えているようだが、果たしてそううまくいくのか、疑問のある所である。

なお、協業先は、

(1)角型次世代電池(パフォーマンス型)三元系は、「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ・PPES」との協業であり、

(2)バイポーラ型次世代電池(普及版)リン酸鉄系は、「豊田自動織機」

(3)バイポーラ型次世代電池(ハイパフォーマンス型)ニッケル系も「豊田自動織機」

(4)全個体電池も、「豊田自動織機」との協業である。


と言ったところであるが、コスト削減には総力戦となる。単にバッテリーのコスト削減では、到底解決されないものだ。当然車体側のコスト削減が主体となってくる。

ボデーの空力性能の改善
テスラも実施している「ギガキャスト」と3分割モジュール化
自走組み立てラインで工程半減
工場設計の次世代化、などなどである。

なお「全個体電池」もいよいよトヨタとしては実用化の目途が建ったとまでは行ってはいないようだが、適当な固体電解質が見つかったようなので、やれやれと言った感じてはないのかな。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(85)

2023-06-23 00:00:00 | Weblog

※ ※ ※

 そして、全固体電池ついては、ついにその全容が明らかになりました。

 これまで、自動車技術の展示会やトヨタ関連施設などで、全固体電池の基礎研究素材は展示していましたが、今回は初めて、全固体電池のセルと、複数のセルとBMS(バッテリーマネージメントシステム)を組み込んだモジュール公開したのです。

 なお、トヨタは2021年に行った技術説明で「全固体電池はハイブリッド車向けに量産する計画」と発表していました。

 しかしその後、グローバルでの自動車産業界に係わる状況が大きく変化したことに伴い、全固体電池をBEVにも採用する決定を下したのです。

ついに詳細が明らかになった全固体電池だが…メリットはどこに?

 さて、一般的に「全固体電池になれば、BEVは一気に普及する」とか、「BEVの本格普及には全固体電池が必須」というニュースがテレビ・新聞・ネット・SNSなどで見受けられます。

 そこで今回、トヨタの電池開発者に改めて「全固体電池のメリット」を聞いてみました。

 すると「リチウムイオン電池は、正極と負極の間に液状の電解質が入っていますが、これが固体になることで、正極と負極の間のリチウムイオンの伝達性が速く、電池としての性能が高くなる」という点を強調しました。

 また、電池になんらかの異常が生じ、温度が急激に上昇すると「液状の電解質は燃えるが、全固体は燃えないことが大きなメリット」という一般論については、「正確には燃えないのではなく、燃えにくい」と表現しました。

 いずれしても、電池の温度管理などを行うマネージメントシステムの重要性は、液状の電解質を使うリチウムイオン電池と変わらないという解釈です。

 また、課題としては状況によっては「割れる」という点も指摘しました。

 リチウムイオン電池は充電や放電を繰り返す過程で電池全体の膨張と収縮が起こります。

 これが液状の電解質の場合は柔軟に行えるが、全固体電池だと材質や管理状態によって固体部分が割れることもあるといいます。

 こうした課題については、全固体電池については2027年~28年の量産にチャレンジするために今後、材料や構造に関する研究開発を加速させます。

 以上見てきましたように、トヨタが2028年までに量産にチャレンジする5種類のリチウムイオン電池には一長一短があります。

様々な電池を公開! ユーザーのニーズに合わせた電池展開を行っていくという

 これを、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)をベースとして、様々なパワートレイン搭載を可能とする「マルチパスウェイ プラットフォーム」によるBEVに搭載する、またbZ4Xから採用しているBEV専用のe-TNGAに搭載、そして今回明らかになった新工法による次世代BEVという、大きく3種類のBEVプラットフォームと上手く組み合わせることになるでしょう。

※ ※ ※

 なおトヨタは新体制説明会にて2026年までに新たにBEVを10モデル投入し年間150万台の販売を目指すことを明らかにしていました。

 今回トヨタのBEVファクトリーのプレジデントに就任した加藤武郎氏は、その先の具体的な販売目標も示しています。

 2030年時点でトヨタBEVファクトリーが提供するグローバルBEV販売台数は、コンパクトサイズのセダン/ハッチバックが36万台、ミッドサイズのSUVが36万台、そしてラージサイズではMPV(マルチパーパスヴィークル)が12万台、SUVが60万台、セダン/ハッチバックが24万台で合計168万台とし、これにより2030年でのBEV全体の基準である350万台のうち、BEVファクトリー由来の次世代BEVの基準を170万台と設定しました。

 パフォーマンス重視BEVや価格重視BEVなど、多彩なトヨタおよびレクサスBEVが2030年代に向かって次々と登場することになります。

 最後に加藤武郎氏は「次世代電池を採用し、電費は世界Topに拘り、稼いだ原資で、お客様の期待を超える商品力向上を図り、収益を確保します。ぜひ『クルマ屋がつくるココロ揺さぶるバッテリーEV』にご期待下さい」と締めました。
https://kuruma-news.jp/post/656980
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(84)

2023-06-22 00:00:00 | Weblog

この論考に最後に次の様な文言がある様に、

株価や業績の向上は当然。ガバナンス体制の整備や環境問題への取り組みも怠ってはならない。加えて、株主といかに対話していくか。経営に求められるものは増える一方だ。

トヨタとしても「環境問題」への取り組みは、当然のこととしてないがしろには出来ないし、していない。しかしながら世の中に如何にうまく、そのことを株主をはじめ国民に対して伝えていくのかと言うことは、最も大切なことになってきている。

トヨタはそのことはよく弁えているようで、技術説明会「Toyota Technical Workshop 2023」を、株主総会(6/14)を間近に控えた6月8日に東富士研究所で開催した。

株主総会対策だということが見え見えの説明会だと小生には感じられたものであるが、その内容が6月13日に明らかになった。先ずは、桃田健史氏の論考をご一読願う。



驚き!? トヨタが「BEV電池戦略」を一挙公開! 「BEV価格」が一気に安くなる!? 航続距離もかなり伸びる?
2023.06.13 桃田健史

トヨタは「トヨタテクニカルワークショップ2023」を開催しました。その際に今後のBEV展開ならび開発中の電池展開などを公開しました。

驚き! 新型電池をドドッと公開! それぞれの特徴は?

「まさか、こんなに様々な新型電池を一気に量産する計画だなんて!」
 
 トヨタが東富士研究所で開催した「トヨタテクニカルワークショップ2023」に参加した報道陣の多くが世界初公開された「新型電池の量産計画」に驚きました。
 
 これで、BEVの普及が一気に進むことになるのでしょうか。

トヨタが2026年に投入する「次世代BEVモデル」   

 今回、実物が公開されたの新型電池は3種類もあります。

【画像】えっ…! トヨタが発表前のクルマ大公開! そこまで見せて…いいの?写真で見る!(28枚) https://kuruma-news.jp/photo/656980

 具体的には「次世代電池(パフォーマンス版」(2026年量産予定)、「次世代電池(普及版」(2026年~2027年量産チャレンジ)、「バイポーラ型リチウムイオン電池(ハイパフォーマンス版」(2027年~2028年量産チャレンジ)、そして「全固体電池」(2027年~2028年量産チャンレンジ)です。

 順に説明すると「次世代電池(パフォーマンス版)」とは、現行「bZ4X」用電池に比べて、満充電での航続距離は2倍となり、コストは20%減、そして急速充電については現在30分かかっている充電能力を20分でカバーできるといいます。

 BEVの課題としては、「満充電での航続距離」、「コスト」、「充電インフラと充電時間」の大きく3つが挙げられますので、「次世代電池(パフォーマンス版)」では特に航続距離でのメリットが大きいことが分かります。

 正極には、ニッケル・コバルト・マンガンを使う、いわゆる三元系となります。

 コバルトとマンガンは、レアメタル(希少金属)として近年、価格が高騰していますので、「コバルトやマンガンの量を減らしても性能を担保できるような研究開発を進めてます」(トヨタ電池開発者)という説明です。

 次に「次世代電池(普及版)」ですが、こちらは正極にリン酸鉄リチウムを用いたもの。

 一般的にリン酸鉄電池は三元系電池と比べて材料コストが安いと言われています。

 そのため、現行「bZ4X」用電池と比べてコストは40%減となる一方で、航続距離は20%増に留まり、急速充電の性能は30分以下。

 また、正極と負極がひとつの集電体に備える「バイポーラ構造」とするのが特徴です。

 ここまでを一旦まとめますと、「次世代電池(パフォーマンス版)」は航続距離と急速充電でのメリットがあるが、コストはまだ高めになりそうなため、上級BEVでの搭載が想像できます。

 また、「次世代電池(普及版)」はその名の通り、コスト低減重視の電池なので、小型・中型の乗用BEVの新車価格を大きく下げることに繋がるでしょう。

さらにその先、「バイポーラ型リチウムイオン電池(ハイパフォーマンス版)」でニッケルを正極として使うパイポーラ構造があります。

 これにより、「次世代電池(パフォーマンス版)」と比べて、急速充電の性能は20分と変わりませんが、航続距離をさらに10%増え、コストは10%減を実現できると言います。

 こちらは、上級BEVモデルの中で使い分けされることになると予想されます。

BEV ファクトリープレジデント 加藤武郎氏
(続く) 
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(83)

2023-06-21 00:00:00 | Weblog

独立社外取締役がポイントに

焦点となったのは独立社外取締役の〝独立性〟だった。

独立社外取締役の候補としてトヨタが選任・提案したのは4人。その中の1人である大島眞彦氏が副会長を務める三井住友銀行は、トヨタの主要取引銀行の1つだ。

大島氏を新任の社外取締役とすることには反対しない。だが、「独立していると言えない」とグラスルイスは判断した。

大島氏を独立社外取締役にカウントしない場合、トヨタの取締役会は東証がプライム上場企業に求める「独立社外役員が3分の1以上」の基準を満たさなくなる。

「十分な数の独立した社外取締役がおらず、客観性や独立性、適切な監督を行う能力に深刻な懸念を抱く」。グラスルイスはそう指摘し、取締役会議長として責任を負う豊田会長の再任に反対すべきとした。

グラスルイスは豊田会長の取締役再任に反対(AGAINST)することを推奨していた(画像はグラスルイスのリポートの一部)

総会前には、アメリカ最大の公的年金基金であるカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)が、取締役候補10人のうち豊田会長や佐藤社長ら8人に反対票を投じたと公表していた。問題視したのは、やはり取締役会の独立性だ。

カルパースは2000年代前半、企業統治の不備などでアメリカのウォルト・ディズニーに圧力をかけ、経営トップを追い詰めた経験を持つ「物言う機関投資家」として知られる。一方、その姿勢を「ドグマチック(独断的・独善的)」と評する市場関係者も少なくない。

実は、カルパースは昨年も豊田会長をはじめトヨタの取締役候補9人のうち7人に反対票を投じていた。それを踏まえると、今年の賛成率低下は、グラスルイスによる反対推奨の影響が大きく出たと言えそうだ。

運用会社が気候変動関連で株主提案

今年のトヨタの総会でのもう1つの注目点は、欧州の機関投資家が行った株主提案だった。デンマークの年金基金AP、ノルウェーのストアブランド・アセット・マネジメント、オランダのAPGアセットマネジメントが共同提案していた。

定款を変更し、「気候変動関連の渉外活動が及ぼす当社(トヨタ)への影響とパリ協定の目標との整合性に関する評価及び年次報告書の作成」などを規定に追加することを求めたのだ。

この提案にグラスルイスは反対を推奨したのに対し、グラスルイスと並ぶ議決権行使助言会社のISSは賛成を推奨。カルパースも賛成票を投じていた。

会社側は「このような課題に対し、(中略)柔軟かつ多様な経営判断を行い、(中略)速やかに実行していくことが求められます」「定款には(中略)規定せず、現行の定款を維持したい」と、株主提案への反対を表明していた。

結局、株主提案への賛成率は15.06%にとどまり、否決された。

定款変更には、出席株主の3分の2以上の賛成が必要となる。取締役選任など過半数で成立する議案よりハードルは高い。提案することで環境問題への注目を集めることが目的だったと思われる。

トヨタは総会を無事に乗り切ったが、多くの上場企業で株主総会が本格化するのはこれからだ。6月29日には東証上場(3月期決算)全体の26%に当たる595社で総会が開かれる。株主提案を受けた企業は90社にのぼり、過去最高だった昨年の77社を上回る。

取締役会や社外取締役の独立性が厳しく問われるのは、もちろんトヨタだけではない。

「これまではメインバンク出身の社外取締役には独立性がないと判断されてきた。今は主幹事証券会社や株式の持ち合い先の出身者も同様に独立性がないとみなす機関投資家が出てきている。株主側の判断基準は年々厳しくなっている」。大和総研の鈴木裕・主席研究員はそう指摘する。

気候変動問題への姿勢が一般に問われる時代

また気候変動に関するトヨタへの株主提案は、機関投資家が一般企業に対しても気候変動への取り組みをシビアに判断する時代が到来したことを示している。

株主提案を行う主体は、これまで非政府組織(NGO)や環境団体が中心だった。電力卸のJ-POWER(電源開発)に対しては昨年、今年と2年連続でフランスのアムンディなど資産運用会社が株主提案を行っているが、同社はエネルギー関連企業だ。

株主提案がされていないからといって安心はできない。グラスルイスは「取締役会レベルで気候変動に対する取り組みを監督する体制が整っていない」として、日産自動車の内田誠社長の取締役再任に反対を推奨している。

株価や業績の向上は当然。ガバナンス体制の整備や環境問題への取り組みも怠ってはならない。加えて、株主といかに対話していくか。経営に求められるものは増える一方だ。

https://toyokeizai.net/articles/-/679400
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(82)

2023-06-20 00:00:00 | Weblog

  会社側が反対していた株主提案が否決されたことなどで同社の主張に対して株主から一定の支持を得ていることが示唆される格好となった。取締役選任議案や株主提案への賛成・反対比率の詳細は15日に開示される予定となっており、どれだけ多くの株主から支持が得られたのかが注目される。

  今回焦点となっていたのは豊田氏の取締役選任と気候変動に関する渉外活動の効果などについて充実した開示を求める株主提案で、議決権行使について助言を行う大手2社の判断は割れていた。

  議決権行使助言会社米グラスルイスはリポートで、トヨタの取締役会は十分な数の社外取締役がおらず、客観性や独立性、適切な監督能力について重大な懸念があると指摘。責任は取締役会議長である豊田氏が負うべきで、株主は取締役選任に反対票を投じることで同問題に対する懸念を表明するよう推奨した。米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は豊田氏の選任について賛成を推奨していた。

  豊田会長の取締役選任については、米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)も反対を表明していた。カルパースは佐藤社長の選任についても反対を示していた。

涙ぐむ場面も

  電気自動車(EV)に後ろ向きとの根強い見方があるトヨタに対しては環境団体からの批判が続いている。グリーンピースは株主総会開始前からトヨタの本社前で「トヨタさん、2030年までにガソリン車からEVへシフトしましょう」と書かれたメッセージを掲げ、昨年に続きEVへの早期転換を訴えていた

  総会ではトヨタのEV戦略や実験都市「ウーブン・シティ」などさまざまなことについて株主から質問がされた。同社幹部らはEVについては取り組みを加速していることなどを紹介した一方、ハイブリッド車を含め全方位で開発を進める戦略は今後も維持する考えを改めて示した。

  EV販売で先行する米テスラに太刀打ちできるのかを問う株主に対しては、総会の議長を務めた豊田会長が、テスラに勝てるかは分からないが、同社が今後投入するEVに期待をしてほしいとコメントした。

  長年務めた社長の座を佐藤恒治氏に譲り、4月に会長となった豊田氏をねぎらう声も株主からは上がり、社長を務めた約14年間の苦労などを思い起こした豊田氏が涙ぐむ場面が何度かあった。また、社長の内示を受けた際に豊田氏からかけられた温かい言葉を紹介した佐藤氏も涙で言葉を詰まらせる場面があった。

  今回の総会に向けてはグラスルイスはトヨタが新たに独立取締役として選んだ三井住友銀行の大島真彦副会長について、選任案には賛成を推奨したものの両社が取引関係にあり、株式の持ち合いも行っていることから、「関連」取締役と分類した。ISSは大島氏ら3人の社外取締役候補について同様の分類をしたが、賛成を推奨した。

  トヨタ側は、東京証券取引所の基準である3分の1の独立役員の基準は満たしており、新任取締役の独立性についても東証から承認を得たとしていた。

  もう1つ注目を集めていたのが、欧州の機関投資家らによる株主提案だ。オランダの年金運用大手APGアセット・マネジメントなど3社は気候変動に関する渉外活動の効果などについて充実した開示を求めるため定款に規定を追加する内容の株主提案を行った。トヨタの取締役会は5月、同提案に対し反対することを表明していた。

関連記事:

トヨタ、EV150万台達成に自信-需要増視野に生産体制も準備 (1)
トヨタ取締役会、欧機関投資家3社の気候変動関連の株主提案に反対

(株価情報を追加して更新します)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-13/RVYMWPDWX2PS01



以上のように、トヨタの株主総会は無事終了した訳だが、豊田章男氏の取締役選任が議論の対象となってしまったことは、トヨタとしてもまことに由々しき問題だと認識しておく必要がある。

しかも取締役選任に疑問を持つ株主も、それなりにいたようだ。
賛成率は84,57%と2022年の95.58%から、11ポイントも低下している。

また、株主提案は賛成率15.06%で否決されたが、賛成票を投じた株主もそれなりにいたわけだ。出席株主の2/3以上の賛成が必要なので、おいそれと可決されることはないのだが、環境問題が主要なテーマとなっていることの証左である。



トヨタ会長「再任賛成率の急落」にみる株主の変容 総会での賛成率が2022年から11ポイント低下
緒方 欽一 : 東洋経済 記者   2023/06/16 5:00

議決権行使助言会社が豊田章男会長の取締役再任に反対推奨した今年の株主総会は、例年にないほど「結果」が注目された(左写真は尾形文繁、右写真は編集部がそれぞれ撮影)

「私が大きな流れに逆らいながらも前に進むことができたのは、中長期的な視点でずっとトヨタを支えてくれた株主さまのおかげだったと思う」「(新体制では)うまくいかないことのほうが多いと思うが、どうか挑戦を長い目で見ていただき、支援をいただきますようお願い申し上げます」

【写真】豊田会長の取締役再任に「AGAINST」(反対)と推奨したグラスルイスのリポート

6月14日に開かれたトヨタ自動車の定時株主総会。豊田章男会長が社長を務めた14年を涙ながらに振り返り、佐藤恒治社長率いる新体制への支援を求めると、株主からひときわ大きな拍手が送られた。

今年のトヨタの総会は、例年にないほど注目された。理由の1つは、アメリカの議決権行使助言会社のグラスルイスが、豊田会長の取締役再任に反対するよう機関投資家などの株主に推奨したことにある。

翌15日に開示された臨時報告書によると、豊田会長の取締役再任への賛成率は84.57%。再任が危うくなるような賛成率ではないが、95.58%だった2022年からは11ポイント低下した。

豊田会長の取締役再任に対する賛成率

議決権行使結果の開示が始まった2010年以降、賛成率は93%を下回ったことがなかっただけに「反対推奨」は一定の影響があったと思われる。
(続く)
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カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(81)

2023-06-19 00:00:00 | Weblog

こんな体たらくでは、グループ内に不正が蔓延っても当然である。いくら業績が良いと言っても、凋落方向へと向かっていってしまいかねない。

後を託された佐藤恒治新社長も、これでは大変だ。

少なくとも「BEVファクトリー」は、1年前には作っておくべきであったと、小生には感じられるものである。それでこそマルチパスウェイと言えるのではないのかな。

案の定(と言ってもBEVの遅れが主たる理由ではないが)、株主総会では、さる米議決権行使助言会社豊田章男会長「取締役選任議案」に反対を推奨している、と言うではないか。



米助言会社、トヨタ・豊田章男会長の選任議案に反対推奨
中部2023年5月26日 19:26 

米議決権行使助言会社グラスルイスは26日までに、トヨタ自動車の豊田章男会長の取締役選任議案について反対を推奨した。グラスルイスが独立していると認める取締役の数が少ないことを理由に、「取締役の独立性が不十分である」と指摘。豊田氏の「取締役会議長」としての責任を疑問視した。

グラスルイスは監査役候補の小倉克幸氏、白根武史氏、酒井竜児氏の3人についても反対した。独立した監査役の数が不十分と指摘したほか、「適切な監視の役割を果たす能力について懸念がある」と述べた。

トヨタは欧州の運用会社などから、気候変動についての開示を具体的に記載するように定款変更を求める株主提案を受けている。グラスルイスは「必ずしも株主の利益にならない」として株主提案には反対を推奨した。

トヨタグループを巡っては、子会社の日野自動車で2022年に燃費や排ガスの不正が明らかになった。直近でも4月末に完全子会社のダイハツ工業で安全を確認する認証手続きの不正が発覚した。グラスルイスは一連の不正についても指摘したものの、各社で再発防止への取り組みが始まっているとして「現時点で取締役候補者の責任を追及することは控える」とした。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD26AG50W3A520C2000000/



と言った海外株主の提案などがあったがこれらはすべて否決されて、会社側提案がすべて可決された

        豊田章男氏 独立取締役         
        取締役専任 大島真彦副会長 →何れも可決された。 
米グラスルイス   反対     賛成
米ISS      賛成     賛成
加州年金基金    反対
欧州3機関投資家  気候変動対策の効果開示提案・否決
グリーンピース   EVシフトを訴え

この結果、トヨタの株価も上昇したようだ。



トヨタ株主総会で豊田氏を取締役選任、株価上昇-一部反対推奨も
稲島剛史、高橋ニコラス
2023年6月14日 0:01 JST更新日時 2023年6月14日 15:20 JST

取締役全員の選任案可決、海外機関投資家の気候変動の株主提案否決
企業統治への視線が厳しさ増す、好業績のトヨタ会長の選任も議論に

トヨタ自動車が14日に開いた株主総会で、一部の議決権助言会社が反対を推奨していた豊田章男会長の取締役選任を含め会社側が提案していた議案が全て可決された。一方、海外の機関投資家らが提出していた気候変動関連の株主提案は否決された。

  愛知県豊田市の本社で開かれた総会では豊田氏を含めた取締役10人の選任は過半数の賛成を得て可決された。これを受け、5連騰で推移していたトヨタ株は午後の取引で上昇幅を拡大。一時前日比8.1%高の2350円まで値を上げ、2020年3月25日以来の日中上昇率を記録した。終値は同6.3%高の2310円だった。


トヨタ自動車株主総会(14日・豊田市)Source: Toyota Motor Corp. 

  また、気候変動に関する渉外活動の効果などについて充実した開示を求める株主提案は3分の2以上の賛成が得られず、否決された。

  企業統治(コーポレート・ガバナンス)強化や気候変動問題への対応を求める投資家の声は高まる傾向にあるが、業績堅調なトヨタで長らく経営の舵取りを担ってきた豊田氏の取締役選任が議論の対象となることは珍しく注目を集めていた
(続く)
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