赤も白も花は花

パイクプレースマーケットの花は
季節によって色合いが違います。


冬にはほとんどドライフラワーばかりだったのに
春に近づくにつれてチューリップが主役となり
次第に新しい仲間が加わって
そのうちすっかりふんわりとした春の色合いになりました。

夏真っ盛りのこの時期には燃えるような赤が目立ちます。
一番多いのはダリアとヒマワリです。

よくこんなに大きなみごとなダリアが咲くものだこと！
よくこんなに大きな花を細い茎が支えられること！

とひとしきり感嘆したメイおばさんが選んだのも
こんな２つのダリアの花束でした。


束ねて茎の下の部分を輪ゴムでまいて
水を入れたビニール袋をはめてまた輪ゴムでまいて
くるりと大きなそっけない紙でくるんでくれます。

束ねられた茎の部分を手に花束を逆さまにして歩くのが
一番歩きやすいのですが

こうして歩いているといつも知らない人に声をかけられます。

「水が垂れてるわよ。上を向けて持たなくちゃ、、、」

そんなことが何回も繰り返されて
そのたびにメイおばさん
「ありがとうございます。」とお礼を言って
いちおう花束を上に迎けて歩き始めるのですが

二つの大きな花束を両方の腕で上向きに抱えて歩くのは
実はとっても大変なことで
５メートルも歩くともう疲れてしまいます。

そのうち仕方なく妥協策をとって
右腕と左腕にそれぞれ花束をひとつずつ
地面に水平になるように横抱えにして歩き始めます。

すると今度は前から歩いて来る人が何人も通りすがりに

「Beautiful!」

などと声をかけて行くのです。

初めのうちは、えッ、えッ、ま、ま、まさか私のこと？
などととんでもない勘違いをしそうになりましたが(笑)
そんなわけがあるはずもありません。

すぐに「Beautiful!」というのは「Beautiful flowers!」
であることに気づきました。

その都度「Thank you!」と答えながら歩くのも
これまたなかなか難儀なことで、、、、、

とはいえこの町の人たちのそうしたフレンドリーなところが好きなものですから
結局「Thank you!」を連発しています(笑)。

こうして赤系の大輪ダリアを家に運んで
無事それぞれの場所に収めたところに


ディナー客のお一人が
見事に真っ白な花束をくださいました。


マーケットでは見かけなかった白、白、白の花束です。
メイおばさん、嬉しくもあわてて
どこかにあった予備の花瓶などひっぱりだして
赤から白へと主役の位置を入れ替えましたけれど

白い薔薇

白いガーベラ

白いカーネーション

白いアルストロメリア

白い菊

赤もよければ白もよし。
白もよければ赤もよし。

何色だろうが
大きくたって小さくたって
華やかだって地味だって
花は花。
同じ水で生きていますものねえ。


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８月　２日：プルドポーク、カルアポーク
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