雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

果無 ―はてなし―

2014-11-02 11:29:51 | 素敵
数年前、本屋さんで「世界遺産」関連の本を
パラパラと立ち読みしていた時に、フト、
この写真が目にとまりました。
同じモノをネットで探してみたのですが、
この小さいモノしか見つからず。
悪しからず(TωT)

写真には......
人の気配を感じられない奥深い山々が連なっていて。
そんな山々を背に
「分水嶺」の様に見える細長い山の峰に沿って敷かれた道があって。
そんな道の突き当たり......
行き止まりのような、崖のような......所にポツンと見える家や畑。
そんな風景には何故か?あまり現実感を感じられなく。
でもよく見ると、
奥に映る家に向かって電線が伸びていたりもして。
その電線にだけは「なんとなく」の現実感が漂い、そして、
そんな浮世離れ?
した場所に佇むお婆ちゃんと風景との不思議なマッチング感。
お婆ちゃんの存在感と安心感。
トドメは

「でもさ、こう見えてココは特別な場所なんだよ。
チミわかってんの?ん?( ̄ー ̄)」

と言われているような、味のある「世界遺産」の石碑。
なぜ?この写真が気になったのか?
魅かれたのか?
その時は自分でも良く解りませんでしたが、
その写真に関する文章をジッと読んでみると、
どうやらその場所は世界遺産「熊野古道」にある
「果無集落=はてなししゅうらく」
と呼ばれる所だということがわかりました。



「村」にも満たない「集落」と呼ばれる地。



果て無し......果てしのない場所.....



その「果無=はてなし」という名前にさらに魅かれてしまった僕。



「こんな場所があったんだ。。いつか行ってみよう。。」



その時はそんな風に思いました。



神社好き」な僕はそれまでも紀州、和歌山、熊野には
幾度となく訪れていましたが、
その「果無集落」なるところにはまだ一度も訪れたことが無く。
ソレもそのはずで、
その集落が有る場所は「果無山脈」と呼ばれる山中にあり。
「日本で一番アクセスしにくい」
と言われる熊野古道、熊野三山の最奥地
「十津川村=とつかわむら」の、そのまたさらに奥の奥!
とも言えるところでした。
簡単に記せば

紀伊半島のド真ん中!

紀州、和歌山県と奈良県の県境の辺り!

ってなところで、
十津川村の公式ホームページ等には

「果無集落は十津川村にあある世界遺産の古道の一つ」
「果てしなく山々が続くこの土地の特徴を名前にした」

と記されています。

「日本初の “道” の世界遺産」
「2004年7月、紀伊山地の霊場と参詣道
“熊野参詣道小辺路(こへち)” として登録」
「スペイン、キリスト教の聖地
“サンティアゴ・デ・コンポステーラ” の巡礼路と
世界でただ二つだけの世界遺産の “道” 」

......などとも記されていました。



先日、「紀伊半島のド真ん中!」にほど近い
「熊野本宮大社」に行く機会があったので、
「ならば!今回わっ!!ヾ(*゜Д゜*)」
......っと、
憧れていたその「果無集落」に行ってみることにしました。



実際に行ってみると、ヤッパリ山奥の山奥
熊野古道の終着地でもある「熊野本宮大社」でさえ
熊野最奥の地でもあるのに、
「果無」はそのまた更に奥のほう。
まさに!?地の果て!?のような所。
でも不思議と......あたたかい。
懐かしい......





僕の中のDNAに刻まれている様な何かが?ここにはあるのでしょうか。。





写真に映っていたお婆ちゃんもいらっしゃって、
僕が訪れた時には斜面に広がる畑の先の方で何やら農作業をしていました。
ニコやかに、ゆったりと。。
本屋で見た写真の奥、道の果て!?
らしき所に映っていた家はそのお婆ちゃんのお家だった様で、
名前は岩本さん。
岩本さんはココに訪れる僕のような物好き!?
な人や、真摯に熊野古道を歩く人々、
修行僧や修験道を歩む人々などが厳しい熊野古道詣での途中、
「ひと息つける様に......」
と、自分の家の縁側や庭を解放してくれていました。



名水!と謳われる、
家の庭に湧き出る美味しい「果無湧水」も、
訪れた人々が気軽に飲める様にしてくれていて......
気遣いの美しい花も差してあります。



美味しすぎるのぉ♪ヽ(*´∀`)ノ ゴクゴクチャンデ!
熊野古道らしい雰囲気のある石畳や、





飾りも出してくれていたり、



とても小さな箱庭のような場所だったのですが、
なんだか「優しさに満ちあふれている」場所でした。

もし、世界が壊れて、
文明と言われるものが崩壊して、
この集落に香る唯一の利器である送電線が切れ、途絶えたとしても、
きっとこの集落と此処に住む方々は淡々と、津々と、
毎日を過ごしていけるんだろうな。
過ごしちゃうんだろーな。と。
そんな風にも思いました。

果てしなく広がる山の峰々と樹々と花々と鳥と蝶と。
麓(ふもと)に流れる美しい川と美味しい水と。
木の家と畑と石畳と坂道と。空気と空と大地と。

都市や、遊びや、刺激や、人。
美味しいものや、キラキラしたお店
ギラギラした看板や街が好きな人。
マリンスポーツが大好き!というような人から見たら、
退屈で、なぁーーーーーんにも無いような所ですけど。
ぜぇぇーーーーーーんぶあるような気もします。



「いつかまた、ここにも帰って来るよ......」



果て無しの地で、
僕の中のDNAはそんなことを囁いて(ささやいて)いました(^^)


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