Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

不必要な犯罪

2017-01-24 09:50:47 | 読書


幻影城[幻影城ノベルス](1976/9).

狩久 (かり きゅう 1922-1977) は慶大工卒だが,1954-63 に100編の短編ミステリを書いた.その後 10 年余の休筆直後の,これはただひとつの長編にして最後の作品である.
2010 論創ミステリ叢書として,短編を集めて出版された「狩久探偵小説選」を図書館で拾い読みをしたのをきっかけに,40 年も前に買ったこの本を引っ張り出して読み直した...というわけ.ちなみに...傑作選は,500 ページと重いので ! 借りなかった.

たしかにアンカット・フランス装だったのを思い出した.手近な定規か何かを使ったらしく,破り目が汚らしい.反省!!

短編にはユーモア・ミステリ寄りが多いが,これはシリアス.ハイレベルな秀作だが,面白くはないかも.
舞台は鎌倉らしい.ふたりの美人姉妹のうちのひとりを,画家がヌードモデルに頼むことから,奇しく官能的な愛憎劇が始まる.成人向きの場面が多いのでアンカットだったのかな.
誤認殺人は不必要な犯罪だ,というのが,とりあえずのタイトルの由来.

画家とモデルの関係という事実そのものが傍目にはミステリアスだが,こういうのもありかな,と思った.

最後に梶龍雄による狩久のプロフィール.
幻影城のカバーの例にもれず,ここでも高塚省悟だが,絵は内容と関係がないと思う.

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