Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

堆塵館

2016-10-29 08:57:19 | 読書


エドワード・ケアリー,古屋 美登里訳,東京創元社 (2016/9).
アイアマンガー三部作の1とある.

Amazon HP より ***** 内容(「BOOK」データベースより)
19世紀後半、ロンドンの外れの巨大なごみ捨て場。幾重にも重なる屑山の中心に「堆塵館」という巨大な屋敷があり、ごみから財を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。一族の者は、生まれると必ず「誕生の品」を与えられ、一生涯肌身離さず持っていなければならない。15歳のクロッドは、聞こえるはずのない物の声を聞くことができる変わった少年だった。ある夜彼は屋敷の外から来た召使いの少女と出会う。それが一族の運命を大きく変えることに…。『望楼館追想』から13年、作者が満を持して贈る超大作。*****

十代の少年少女がヒーロー・ヒロインで,読者も十代を想定しているようだ.ファンタジーだが,ごみ捨て場という舞台に不思議なリアリティがある.すごく綿密に組み立てられている.

しかし登場人物が多すぎて訳が分からない.みな奇妙な名前で,訳者あとがきによれば英国的な名前の綴りをちょっともじったものだというが,カタカナではその面白さが分からない.いっそ黒岩涙香の翻案にならって,漢字とひらがなの名前を発明したらどうだろう.

挿画もカバーイラストも,見返しの舞台となる「堆塵館」の断面図も,著者による.この画風は好きではない.

以下はネタばらし*****ラストはヒーロー・ヒロインの消滅が暗示される体制側の勝利.はらはらドキドキと400ページ以上読まされて,なんと けったくそ悪い ! と言いたいところだが,これは第1部であって,まだ2部,3部とつづきがあるとのこと.
でも,多分つづきは読まないだろう.

豪華なハードカバー.図書館で借用.
コメント
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