法曹養成制度の問題については,閣僚会議の結論先送り決定で展望が見えない状況になっていますが,それでも民間レベルの動きはあるようです。今回はそのうちの2つ,パブコメ意見の全文公開と給費制廃止違憲訴訟に関して触れることにします。
1 法務省がパブコメ意見の全文公開へ
一聴了解さんの記事によると,法務省は検討会議のパブコメで寄せられた意見の全文について,10月末以降にホームページで公開する方針を採 . . . 本文を読む
もう何回批判しても足りないほど突っ込みどころ満載の検討会議『取りまとめ』ですが,これまでほとんど無視していた『はじめに』という部分に,次のような気になる一文がありました。
「わが国における法曹の役割は,それまでの行政優位の体制から市場重視へ,更には政治主導へという,統治構造全体の大きな変化の相の下に理解されなければならない。この大きな構造変化の背後には国民の意識の変化や社会情勢の変化に加え,グ . . . 本文を読む
5月に投稿した記事のうち3件について,現在goo事務局から公開停止の措置を受けています。詳しい停止理由の説明がないので対応は保留としていますが,当該記事については削除とする可能性があります。
本題ですが,7月16日に行われた閣僚会議の決定について,小林正啓弁護士が自身のブログで『法曹要請関連閣僚会議の決定について』という記事を書いており,Schulze先生もこの記事に言及されています。
黒 . . . 本文を読む
本日,法曹養成制度閣僚会議が開かれ,法曹養成制度に関する当面の方針についての閣僚会議決定が行われました。
首相官邸ホームページでは,閣僚会議決定(案)とその概要が公表されていますが,各種報道を見る限り,おそらくは原案どおりに決まったものと考えて差し支えないと思われます。
<参 照>
法曹養成制度改革の推進について(案)<概要>
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ . . . 本文を読む
暑さのせいかあんまり頭が働かないので,今回は単なるネタ記事です。
法曹養成制度検討会議の第14回会議(6月6日開催)議事録が法務省HPで公開されています。検討会議については既に最終取りまとめが出てしまっているので,最終取りまとめ段階の議事録にはあまり世間の関心が集まっていないような気もしますが,読んでみると結構面白いやり取りが見られます。
特に,24頁の鎌田委員発言。
「あまり腹立ち紛れ . . . 本文を読む
指の治り具合が悪く,未だに包帯を巻いたまま記事を書いています。やりにくくてしょうがない・・・。
http://www.asahi.com/paper/editorial20130702.html#Edit2
上記にリンクを貼った朝日新聞の社説『法科大学院―「多様な法曹」のために』については,既に河野さん,一聴了解さん,Schulze先生などが論評を加えていますが,黒猫としても一言指摘しておき . . . 本文を読む
前回書いた記事を批判している人がいるようなので,ちょっと補足説明をしておきます。
黒猫が弁護士になってから,弁護士の就職事情は年々ものすごい勢いで悪化していきました。正確な資料を集めている時間的余裕は無いので大体のイメージに過ぎませんが,大まかな就職事情の推移を以下にまとめておきます。
(1)黒猫が弁護士になった頃(55期前後)
・有名な大手渉外事務所などは激しい競争があったものの,司法修 . . . 本文を読む
6月19日,法曹養成制度検討会議の最終取りまとめ(案)が公表されました。
<参 照>
法曹養成制度検討会議取りまとめ(案)(法務省HPより)
http://www.moj.go.jp/content/000111852.pdf
<司法試験>低合格率の法科大学院に「法的措置」 政府方針(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130619-0000010 . . . 本文を読む
最近,法科大学院や法曹養成関係で複数のニュースが話題になっています。
法科大学院、定員割れ9割超に 今春、入学者数は過去最低(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013050801001063.html
この記事によると,今年の法科大学院入学者数は2,698人とのことであり,鎌田委員の言っていた2,800人よりやや少なかった模様です。おそらく . . . 本文を読む
中坊公平氏死去、83歳=元日弁連会長、「平成の鬼平」(時事通信) - goo ニュース
5月3日,元日弁連会長の中坊公平氏が死去されたそうです。中坊氏は弁護士業界でも名を知られた人物でしたが,今の弁護士業界には,中坊氏の名を聴いて素直に敬意を表せる人は必ずしも多くないでしょう。
中坊氏は,司法制度改革審議会で弁護士出身の委員となっておきながら,自ら2016年までに法曹人口をフランス並みの5万 . . . 本文を読む
昨日黒猫が書いた記事について,Schulze先生が反論と思われる記事を掲載されていますので,この点についてコメントさせて頂きます。
参照:私が広くパブコメを呼び掛けている理由(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52017950.html
黒猫は,別にSchulze先生や一聴了解のブログ氏を批判したつもりはなく,単に自分 . . . 本文を読む
法曹養成制度検討会議のパブリック・コメントについて,ネット上を含む意見提出の呼びかけが行われており,自らの提出意見を公表している個人や団体もあるようです。この記事では,これらの動きに関する雑感をまとめておきます。明日続きを書く予定の『僕は依頼者が少ない』第3話が相当おふざけの話になりそうなので,バランスを取っておこうという意図もありますが。
公表されている提出意見の中で一番呆れ返ったのが,島 . . . 本文を読む
前回の記事(『僕は依頼者が少ない』の断章)は,どれだけリアリティがあるかあまり自信がないのですが,基本的にあの甲野太郎君,頭は決して悪くないんです。むしろ,法科大学院の既修者コースを修了して司法試験にストレート合格した(という設定)ですから,むしろ頭は良い方です。それでも,司法試験の順位がブービー賞だったばっかりに,あんな残念な目に遭ってしまったのです。
本編の続きは,今週末くらいに書くつもり . . . 本文を読む
法曹養成制度に関し,郷原信郎弁護士が4月14日付けで公表した『法曹養成改革の失敗に反省のかけらもない「御用学者」』という記事が話題になっています。
郷原弁護士の記事は,大変に激しい勢いで政府や学者を批判しているため,かねてから司法改革に批判的だった論者からは概ね好意的に評価されているようですが,黒猫としてはあまり高く評価する気にはなれません。なぜなら,政府の政策決定に関わってきた「御用学者」 . . . 本文を読む
第3 法曹養成制度のあり方について(中間的取りまとめの第3関係,承前)
3 司法試験について(承前)
(3) 予備試験制度
<意見の内容>
○ 予備試験については,法科大学院志願者よりも受験者数が多く,合格者が法科大学院修了者よりも優遇される傾向にあるなど,いまや法科大学院制度に代わる法曹志願者の主たるルートとして認識されつつある。
○ 法科大学院修了を司法試験の受験資格から外す場合には,予備試験 . . . 本文を読む