7月26日,法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会・第2作業分科会の第5回会議が開催されました。この分科会で検討された議題の一つに「被疑者国選弁護制度の拡充」があります。
議事録はまだ公開されていませんが,配布資料『被疑者国選弁護制度の拡充』は見ることができます。これによると,被疑者国選弁護制度の対象を,全ての被疑者に対して勾留状が発せられている全ての事件」に拡大することが検討されているようです。
対象事件の拡大は,弁護士としては良いことのように思われるかも知れませんが,法曹制度全体からの視点としては,必ずしも手放しで喜べる話ばかりではないのです。
. . . 本文を読む
最近書店で『週刊エコノミスト』という雑誌の8月6日号を買ったのですが,この雑誌では『食える弁護士 食えない弁護士』という特集が組まれていて,その中に『企業が信頼する弁護士ランキング』という記事がありました。
今回は,この『週間エコノミスト』の記事を踏まえて,最近のブル弁事情について少し考えてみようと思います。 . . . 本文を読む
最近,弁護士業界で弁護士による「やらせ」事件が話題になっています。
<参 照>
日テレ「スッキリ!!」“偽被害者”仕込んだ弁護士の正体(日刊ゲンダイ)
http://news.livedoor.com/article/detail/7876111/
出会い系サイトやらせ事件から、法律事務所HPのあり方とその評価について感じたこと(福岡の家電弁護士なにわ電気商会)
http://ameblo.jp . . . 本文を読む
まだ指の包帯は取れていないのですが,記事を書くネタは結構貯まっていますので,とりあえず軽いネタから書いていきます。
現在,法務省で『ADR法に関する検討会』が開かれています。議事録や資料は法務省のHPで公表されており,最新のものは5月28日の第3回会議です。
ADR法とは,正式名称を「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」といい,裁判所に代わって紛争解決のあっせんや仲裁等を行う機関( . . . 本文を読む
黒猫も加入している法曹人口問題全国会議のMLでお話をしていて,先輩の先生方から非常にショッキングな指摘を受けましたので,今回はそのあたりの話について御紹介します。
1 訴状とは?
このブログの読者さんなら大半は既にご存知だと思いますが,裁判所に訴えを提起するときには,原則として「訴状」を提出しなければなりません。訴状には,請求の趣旨及び請求の原因を記載するほか,請求を理由づける事実を具体的に . . . 本文を読む
今日は,新人・若手弁護士のOJT問題について,若干思ったことを書きます。
『OJTの必要性』(イデア綜合法律事務所・坂野真一先生のブログより)
http://www.idea-law.jp/sakano/blog/archives/2013/04/19.html
これは昨日(4月19日)付けで公表された記事ですが,要するに早期独立者と思われる弁護士が代理人に就いて顧問先に訴えを起こしてきて, . . . 本文を読む
本日投稿した意見について,コメント欄で「八百代言」とあるのは「三百代言」の誤りではないかという指摘がありましたので,この点についてちょっと補足説明をしておきます。
明治時代初期,日本ではフランスの制度に倣って「代言人」という制度が出来上がりましたが,実際の代言人は江戸時代の公事師から衣替えしただけの人が多く,低価格でいい加減な弁護活動を行う人が多かったことから,「三百代言」ないし「八百代言」と . . . 本文を読む
私事ですが,黒猫の友人が亡くなりました。死因は薬の飲みすぎだそうです。
弁護士にはなれなかったけど,事務員として黒猫の仕事をよく助けてくれた人でした。
あのブラック事務所で,身も心もボロボロになるまで働いて,全てを一人で背負い込んで,それで自分の命まで絶ってしまったら何にもならないだろうに。
今回は,別に何かをお知らせするような記事ではありません。ただ,彼のために何か一筆残しておきたいと思 . . . 本文を読む
今,『僕は依頼者が少ない』(例の三日月さんが出てくるお話)の続きを書いているところなので,今回は多少ジョークの入ったお話になります。
東京弁護士会『LIBRA』2013年4月号2~3頁より抜粋
「このような状況の中で,近時の新入会員については,次のような指摘を耳にするようになった。
第1は,司法試験合格者の急増により司法研修所の1クラスの人数が多くなったことや修習期間短縮の結果,司法研修所 . . . 本文を読む
ネット上で,弁護士の就職問題に触れた毎日新聞の記事が話題になっています。
<参 照>
『就職難(毎日新聞)』(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52013303.html
奇妙な弁護士「就職難」記事(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-ent . . . 本文を読む
以前,東京国税局の統計による弁護士所得の記事を掲載したことがありましたが,平成23年度分について国税庁(全国版)の統計が公表されていること,以前の記事に一部誤りないし不適切な記述があることが判明したこともあり,改めて最新情報をお送りすることにします。検討会議へのパブコメで国税庁の統計資料を引用する場合には,以前の記事ではなくこちらの記事を参考にすることをお勧めします。
<参考URL>
平成23 . . . 本文を読む
3月22日読売新聞記事より。リンク切れになる可能性もあるので,以下に記事全文を転載しておきます。
失踪弁護士に懲戒の退会命令…以前は公園で生活
埼玉弁護士会は21日、埼玉県飯能市の葛西清重弁護士(66)を退会命令の懲戒処分にしたと発表した。
退会命令は除名に次ぐ重い処分。葛西弁護士は昨年9月に失踪し、現在も行方が分かっていない。処分は19日付。
同会の発表によると、葛西弁護士は昨年9月 . . . 本文を読む
今日,CFP資格の更新手続きを何とか終えました。弁護士になって間もなくCFPの資格を取ったはいいものの,資格を維持するには2年間で30単位以上を取得しなければならず,昨年は単位取得が間に合わないので延長申請をし,今日で何とか必要単位を取得。DCプランナーなどは既に放棄しましたが,資格をたくさん取りすぎると維持するのが大変です。
ところで,法曹人口問題に関連し,司法試験合格者年間3000人とい . . . 本文を読む
今,弁護士業界で最も切迫した話題といえば,法曹人口問題と法科大学院制度をどうするかという話題でしょう。既に,千葉県弁護士会と埼玉県弁護士会が,法科大学院修了を司法試験の受験要件から外すべきだという決議を行い,愛知県弁護士会も日弁連宛に同様の決議を行っています。札幌弁護士会でも同様の決議を行うかどうか,熱心な議論が行われているようです。
これに対し,日本最大の単位会である東京弁護士会では,駅弁大 . . . 本文を読む
花粉症の症状がひどいのと,アクセス数を見る限り前回の記事が意外と好評だったので新規投稿を控えていましたが,そろそろ新しい記事を書いても良い頃でしょう。部屋を閉め切って空気清浄機とマスクも付けて,花粉に対する防御態勢も万全。
私事はさておいて,最近出版された本に『10年後に食える仕事,食えない仕事』(東洋経済新聞社,2013年)というものがあります。IT化やグローバル化の進展により,今ある職業 . . . 本文を読む