黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

実は旧司法試験に頼っていた「法科大学院教育」

2013-01-24 00:35:07 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 昨年12月18日に開催された,法曹養成制度検討会議第5回会議の議事録が公表されていました。 http://www.moj.go.jp/content/000105971.pdf  発言の内容については,東大ローの教授であり,いわば法科大学院側の代表と言って良い井上正仁委員が,法科大学院の態勢は詐欺的であると自ら認めているなど衝撃的なものも含まれていましたが,その話は別の機会に譲るとして,今回は法 . . . 本文を読む

崩壊直前のローに入学することの危険性

2013-01-20 23:00:04 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 今日は,記事を投稿するつもりはなかったのですが,以下の参照記事について黒猫の見解を述べることにします。 <参照記事> 自ら定評のない法科大学院であることを表明する勇気。(PINE's page) http://puni.at.webry.info/201301/article_9.html 定評のない法科大学院修了者の司法試験受験資格剥奪を考えている人たち(Schulze BLOG) http . . . 本文を読む

現実を見ないロー教授,現実を見ている受験生

2013-01-18 20:32:27 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 一時期ブログを休止されていた「ろぼっと軽ジK」さん(菅藤浩三弁護士)がブログを再開されたようです。 http://ameblo.jp/kantokozo/entry-11450054806.html  こちらのブログで,『検証・司法試験と予備試験』という日弁連主催シンポジウムの概要が紹介されていたので,簡単ながら黒猫の感想を述べたいと思います。 <菅藤弁護士によるシンポジウムの概要(同弁護士の . . . 本文を読む

無理矢理作り出される「法科大学院教育の成果」

2013-01-16 14:17:33 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 「ロー進学,ダメ。ゼッタイ。」キャンペーンの一環として,しばらく法曹養成関係の記事が続くことになると思います。それ以外にも品川再開発計画の問題など書きたいことはあるのですが,平成25年度における法科大学院商法の被害者(法科大学院入学者のこと)を少しでも減らせるかは今が勝負時なので,それ以外の記事は当分後回しにせざるを得ません。  なお,法曹養成関係では,他にも鹿児島大学など淘汰される寸前の底辺ロ . . . 本文を読む

問われる「法学部」のあり方

2013-01-15 22:59:36 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 昨日の雪はすごかったですね。黒猫は横浜在住ですが,ご近所では小さなかまくらを作っている家もありました。横浜でかまくらを作れるほど雪が降ったというのは,あまり記憶にないですね。  今日の記事は,二弁フロンティア(2012年12月号の特集『データで見る「法曹志願者の激減」』という記事のこと。以下同じ)による指摘のうちこのブログでは積み残しになっていた,法学部の人気低下という問題に関するものです。法 . . . 本文を読む

「予備試験本道主義」の現実

2012-12-28 17:09:17 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 二弁フロンティア2012年12月号,データで見る「法曹志願者の激減」に関係する記事の第2弾です。  この記事では,法曹志願者が予備試験に流れているという二弁フロンティアの指摘をなぞっていく形になりますが,著作権法の関係でこの記事が主,二弁フロンティアの引用は従という関係を維持しなければなりませんから,表現的には二弁フロンティアの数倍くらいの過激さでお送りすることになると思います。 1 予備試験 . . . 本文を読む

進む法科大学院の「予備校化」 ~共通到達度確認試験(仮称)制度の持つ意味~

2012-12-26 19:45:09 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 なんか最近アクセス数が急増していますけど,たぶん河野さんのブログで紹介されたからでしょうね。他人の批判を厭わない黒猫の辛口暴言はいつものことですし,深くは考えないことにします。  今日の記事は,二弁フロンティアに書かれていたことではなく,法曹養成制度検討会議の動向に関するものです。  第5回会議において,文部科学省が『法学未修者教育の充実方策に関する調査検討結果報告』という資料を出しており,こ . . . 本文を読む

他資格との比較で考える「弁護士資格」

2012-12-25 00:57:34 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 先日注文していた,東京第二弁護士会機関誌『二弁フロンティア』2012年12月号がようやく届きました。もちろん,お目当ての記事は『特集 編集部企画 データで見る「法曹志願者の激減」』です。  記事の内容は,すでに①このブログで取り上げている論点も結構ありますが,②黒猫は気付いていたけどブログにはあまり書いていなかった論点もあり,若干ですが③黒猫も気付いていなかった論点もあります。ただ,記事全体は1 . . . 本文を読む

適性試験をめぐる議論に「相関係数」は有用か?

2012-12-21 22:28:17 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 法曹養成制度検討会議の第5回会議における事務局提出資料(http://www.moj.go.jp/content/000105143.pdf)の19頁以下に,『適性試験スコアと法科大学院成績・司法試験合否との関連』という資料(資料3-2)があります。  この資料は,法科大学院の適性試験について「適性試験の成績が良くても授業に付いて行けない者が相当数いるなど,適性試験の成績と入学後の成績との間に大 . . . 本文を読む

告発される「法科大学院教育」

2012-12-19 23:44:28 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 選挙結果に関する感想は,まだ自分の考えがまとまっていないので,ひとまず司法関係の記事に行きます。  法曹養成制度検討会議については,第4回の議事録が既に公表されています。 http://www.moj.go.jp/content/000104976.pdf  第3回までと同様,弁護士出身の和田委員が現行制度に批判的な発言をして,それを他の委員が袋だたきにするという構図になっているのですが,和田 . . . 本文を読む

法科大学院における「学級崩壊」の現場

2012-11-28 14:40:25 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 坂野真一弁護士が,ブログで『ロースクール授業参観記』という記事を公表されています。 http://www.idea-law.jp/sakano/blog/  法科大学院における実際の授業については,伝聞で聞くことは出来ても,現職の弁護士が授業を直接見聞きした感想を得る機会は少ないので,法科大学院制度の是非やその在り方をめぐる議論の参考になるでしょう。  現在,参観記の記事は『その5』まで公開さ . . . 本文を読む

「正論」が通用しない司法

2012-11-23 18:29:39 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 『法曹養成制度検討会議』第3回会議の議事録が公開され,ネット上で話題になっています。 http://www.moj.go.jp/content/000104258.pdf  相変わらず,委員の大半は幻滅するような意見しか言っていないのですが,主な委員の発言内容(要約)とそれに対する黒猫のコメントを付する形で紹介したいと思います。  ちなみに,この会議で主な議題とされたのは,①法曹養成制度の理念 . . . 本文を読む

今後の予備試験は大丈夫だろうか?

2012-11-11 13:57:39 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 11月8日付けで,司法試験予備試験の最終結果が発表されています。今年の合格者は219名とのこと。  合格された皆さんには,おめでとうございますと言いたいところですが,予備試験は旧司法試験とも遜色ないと思われる,三段階で行われる大容量の難関試験であるにもかかわらず,予備試験に合格しただけでは何の資格も付与されず,来年行われる司法試験の本試験に合格することで,ようやく「法曹の卵」と認められることにな . . . 本文を読む

検討する気がない「検討会議」?

2012-11-02 17:28:44 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 今年8月の閣議決定で設置された「法曹養成制度検討会議」については,このブログのみならず他の法曹関係者の間でも色々話題になっています。  良くも悪くも,この会議で出された結論が法曹界の未来を左右する可能性があるというのがその理由ですが,先日公表された第2回会議までの議事録を読んでいると,有識者委員の構成に問題がある,10年前から変わらない非現実的な理念を振りかざしている人がいるといった問題以前に, . . . 本文を読む

「無単位科目」と「補習」をめぐる不毛な攻防

2012-10-31 11:59:14 | 法曹養成関係(H25.1まで)
 以前にもこのブログで取り上げた,久留米大学法科大学院の認証評価報告書(不適合)には,以下のような記述がありました。 参照URL:http://www.jlf.or.jp/work/dai3sha/kurume_report2012.pdf 「当該法科大学院では,修了者,留年者あるいはゼミを行っている学生の要望に応じて教員が参加するという形での補習や,教員が必要だと判断した場合に主として学期終了 . . . 本文を読む