がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

美容という名の強迫観念

2014-12-14 07:28:09 | 健康・病気

今回から、マーク・ラッペという人が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子訳、大月書店:1999年刊)という本をご紹介します。実は、この本の原題は、『身体の縁-皮膚へのわれわれの文化的な強迫観念』です。というわけで、最初は強迫観念のお話から始まります。

◆美容という名の強迫観念

最近は、エステサロンに通うことも当たり前になり、多くの人が自分の顔を若々しく保つために膨大な時間とお金を費やしています。

しかし、ときには化粧品が原因で肌が荒れたり、美容整形が原因で容姿が醜くなったり健康を損なったりすることもあります。

生物学者であり、毒物学者でもあるマーク・ラッペは、化粧品や美容整形によって生じた健康被害を調査・研究する過程で、一つのことに気が付きます。

それは、化粧や美容整形の手術などによって顔をつくりかえようとするのは、ある種の強迫観念によるものだということです。

強迫観念とは、例えば外出するとき、ちゃんと火の元を確認したのに、鍋を火にかけたまま出てきたのではないかと不安になり、引き返して再度火の元を確認するような精神状態のことです。

我々は、テレビのコマーシャルやファッション雑誌によって、若々しく美しい肌を追い求めるよう洗脳されていて、化粧品メーカーや美容産業の思惑どおり、化粧品が手放せなかったり、エステサロンに通わずにいられないような精神状態になっている人が少なくないようです。

強迫観念といえば、以前韓国で「扇風機おばさん」という人が話題になりました。

この人は、もともと美しい女性だったそうですが、もっと美しくなりたくて美容整形を何度も繰り返し、最後には顔がパンパンにはれ上がって、扇風機のような顔になってしまったのです。

これは、絶えず美容整形手術を受けないと気が済まないという強迫観念に取りつかれ、正常な判断ができなくなってしまった悲劇的な例です。

ここまでやる人は稀ですが、我々の行動も多かれ少なかれある種の強迫観念に支配されている可能性があり、自分が正常な判断力を失っていないか、絶えずチェックする必要がありそうです。

マーク・ラッペは、このような強迫観念の根源をさぐり、皮膚についての基本的な真実をあきらかにするため、この本を執筆しました。したがって、物事の表面的な美しさよりもその本質に関心のある方は、きっと興味深くお読みいただけると思います。

次回は、皮膚の構造についてのお話です。

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