夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

友、遠方より来たる

2015年07月26日 | 音楽


ブルースの一夜が明け、郷里からF君がやってきた。
大学時代の音楽仲間のコンサートまでの時間を作って立ち寄ってくれた。

彼は日本酒が好きだ。
銘酒を並べる安直な蕎麦屋で彼が注文したのは和歌山の酒、ままかりを肴に一合の酒を楽しむ。

楽器店を眺めながら歩くとギタレレが下がっている。
いわゆるトラベルギターとかparlorサイズと言われる6弦のミニギターだ。

フルサイズのギターを持ち運ぶには大義名分が要る。
音楽イベントがない限り車に載せるのも気がひける、ような気がする、ものだ。

ところが、ウクレレや安直なミニギターなら旅のお供になる。
車の中で弾くウクレレは意外に音響効果が良いせいか、一服の清涼剤になる。

彼の別荘にはとても及ばぬ我が夢想庵をご案内する。
野鳥が巣をせっせと作るように、二十数年の歳月が作り上げた果樹とわたしのお休み処。

医科系の大学に進んだ彼と学生時代会うことはなかった。
お金持ちの子女の学生生活はさぞかし優雅だったろうと思っていたが、仕送りが届くと飲み代に回ったという。

医科の専門を担う宿命の彼らは、学業の合間に酒と音楽に親しみ、それは熟年を越えようとする今も続いているようだ。

さて珈琲を飲みながら先ほどのミニギターを引っ張り出してきた。
短いスケールなので、ウクレレ同様に概ねギターの5フレット以上の調弦にするのが妥当だろう。

ナチュラル・チューニングにすれば、1弦から4弦までをウクレレとして、あるいは6コースのギターとして使える。
オープン・チューニングなら、例えばスラックキーにすれば、スラックキー奏法でウクレレサウンドが楽しめる。

ジョニ・ミッチェルの「青春の光と影(Both side now)」を彼が弾き始めたのでTAB譜を引っ張り出してきた。
いわゆる「ワン・コード」で出来上がったこの楽曲、G、Gメジャーセブン、Cといったコードの繰り返しで取り止めがない、収拾がつかないような印象が「青春」という邦題に賛意を送ることになる。

そしてアーロ・ガスリーの「アリスのレストラン」を彼が弾き始めた。
手慣れたフィンガー・ピッキングで延々と続くコード進行はアメリカン・フォークそのもの。

ヤマハの刊行した「フォークギター特集号」は1974年のライトミュージック誌増刊号。
ギターの説明から、フォークの歴史、コードの説明、TAB譜の見方、そして60曲の譜面が載っている。

もはや経年劣化でボロボロになっているが、捨てきれないのは楽譜があるから。

さてP.P.M.フォロワーズを現在も週一回のペースで続けているF君たち、70年代の回想からなんらかのヒントがないだろうか。
音楽はちょっとしたアレンジでガラッと変わるファッションのような要素をもっている。

わずかな時間で得られた回想から創造につながる何かが得られたら嬉しい。









Arlo Guthrie - Alice's Restaurant (Live at Farm Aid 2005)

Shenandoah - Arlo Guthrie

Arlo Guthrie/ Amazing Grace

Arlo Guthrie : City Of New Orleans (1974)