夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

イン・ハワイ

2015年12月31日 | クラフト



カントリーといえばタミー・ウィネットの「Stand by your man」が衝撃だった
ハスキーな声に魅力があったし、落ち着いた演奏をバックに歌う楽曲が素晴らしい

なおかつ彼女がこの曲を作ったと聞いて驚いたものだ
シンガーソングライターはカントリー界にも多いようで、あのドリー・パートンも然りだった

ホイットニー・ヒューストンで知られる「I always love you」が彼女の作品と知って驚いた
プレスリーがカバーしたり、何回もヒットしてきた名曲だそうな

印象的なフレーズは「G Em Am D7」といった循環コードに聴こえるが、そこに哀愁というのか、いつまでも愛しているという情感が表現されている
こういう曲を書ける人ってどういう生活をしてきたのかしら

ウィキによれば貧しい家庭に生まれて若くしてギターに触れて歌ったらしい
ナッシュビルに移り住んでジョニー・キャッシュなどと出会い音楽活動を続ける

ヒットに恵まれて事業や教育など社会的な活動も旺盛にこなしてきたようだ
ハワイでの事業活動やTV番組制作などの映像を見れば、古き良き時代の活躍を垣間見ることができる

ジェリー・バードとのセッションも、カントリー、ナッシュビルのキーワードで繋がる
ハワイ・カイにレストランを経営していたというエピソードも想像がつくというもの

精力的に活動していた頃のパラニ・ヴォーンとのデュエットはお宝映像だ
ハワイ音楽とポップスとの掛け合いアレンジは、ひょっとすると彼女のアイデアかしら

学生の頃カントリー、ハワイアン、タンゴ、ジャズなど軽音楽は明確にジャンル分けされていた
ラジオ番組然り、レコードショップの商品区分然り、大学の音楽サークルまで綺麗に分かれていたように思う

そしてそれらの垣根はそんなに高くなくて、いい曲やヒットがあればジャンルを超えて純粋に楽しんだものだ
しかし70年代以降、夥しい音楽ジャンルが林立した結果、我々一般視聴者はマニアの仲間入りを強制された感もある

丁度その頃「Hawaiian culture renaissance 」のムーヴメントに触発されて花開いたハワイ音楽、ダカインサウンドにどっぷり浸かってきた
それは人生の大きな時間を費やして没頭した幸せな出来事であり、大切な宝になっている

今思うのは、細かくセグメント分けされた世界の専門的な話でなくジャンルを超えた音楽世界へのノスタルジーかもしれない
自分がどう踏ん張ったところで自分でしかないように、道はある程度用意されているのだろう

そこに新たなる出会いが待っている





Jerry Byrd Steel Guitar w/ Dolly Parton in Hawaii

Dolly Parton & Kenny Rogers - I Will Always Love You - Celebrating 25 Years Of Dollywood


UNCHAINED MELODY - DOLLY PARTON - LIVE IN HAWAII

Dolly Parton in Hawaii on Dolly Show 1987/88 (Ep 16, Pt 3)

Dolly Parton Show -My Hawaii 1988

あんた

2015年12月30日 | 音楽


先日の忘年会で突如始まった楽曲
モノローグのような歌詞とわかりやすいメロディ、何かやっているなと思っているうちに巻き込まれてしまう

11月のライブでSさんが前日に取り上げた「私の自転車」と同じ作者の作品だった
11月の仕込みは前日だったが、今回は当日だった

よく存じ上げなかったが、俳優だったこの方が高田渡を聴いてこれなら自分にも作れるかもと歌作りを始めたそうだ
日本語で歌うことのメリット、話しかけるように、つぶやくように歌ってそのニュアンスが伝わる

僧侶の説法を聴いて「ありがたい」と思うように聴いてみたくなるような要素があるのか
アルバムを買ってみようという気になれなくとも目の前で歌ってくれるなら聴いてみたい

マイナーのイメージが強い和製フォーク、アップテンポの明るい歌はいい
政治的な意味合いも華麗なメロディがなくとも無邪気に自分自身を歌うのがいい

そんな天衣無縫、天真爛漫の世界に、自分も入れるものなら入ってみたい
こういう職人芸のような世界は魅力がある

ついついその気になって手拍子を送ってしまう

あんた、いい人生を送っているねえ



佐藤GWAN博 あんた

佐藤GWAN博さんと月の合唱隊

ガットギターで恋を

2015年12月30日 | 音楽


ガットギターの音色は時折聴きたくなる
豊かな低音と高音弦の歯ぎれ良さ、弦間隔が広いのでピッキングにメリハリがつく

南伊豆の夏の終わり、名も知らぬ宿泊客の方とオーナー氏とのギター談義を思い出す
オーナーが持ってきたカナダの女流作家リンダ・マンツァーのガットギターを正確なタッチで弾いた彼

さながらたった3人のミニライブ&トークショーのよう
ミュージシャンでもあるオーナー氏、iMacのコレクターでもあった

まだループの組み合わせ機能しかなかった「Garage Band」で作ったオリジナル音源を聴かせてくださった
当時コード指定がまだ「隔靴掻痒」という感じの音源事例を示してくれた訳だ

コード、和音というものは面白いもので、その組み合わせだけで立派なアレンジになる
ドミソとラドミ、親戚のようなメジャーとマイナーの組み合わせが案外素敵な世界を展開する

昨日から構想を練り始めた音楽夜話のライブ版なら、こうした事例を実際に音を出して説明できる
マニアックな話なのでミュージシャンなら「そんなの知ってるよ」となるかもしれないが、人によっては新鮮だろう

先般のライブでカウンターに座ってニコニコして聴いていてくれたハードロッカー氏
隣り合って互いのCD音源を聴いた時には、何の歩み寄りもなかったが、ライブとなれば別だ

そんな隠れたリスナーのためにおじさんたちは頑張ってしまう
毎日同じ部品をコツコツと作り続ける職人のように品質の安定したベース音を提供しようと

そう新曲を考えなければ




Kawika Kahiapo " Ku'u Pili Oha "

Ahi Wela / Kawika Kahiapo & Mike Kaawa

Jack Johnson & Kawika Kahiapo - Better Together HEM Rally Oct 23, 2009

Kawika Kahiapo - East Side Slack Key (HiSessions.com Acoustic Live!)

ライブの魅力(2)

2015年12月29日 | 音楽


とあるライブスポットでの話
開店以来10年間ハワイ音楽が演奏されることはなかったと思われるお店に、昨年忘年会でお世話になった

それから何回か、ライブでお世話になっているうちにまるで異質なジャンルであったはずのハワイ音楽に親しみを感じてくれるようになった
経営者であるNさんが我々のCDを買い求めてお店でかけてくださる、そのうち常連さんたちの中にも興味を示す人が出てきた

どうもこれまで耳にしてきた商店街でかかる「ハワイアン」とは異なるようだ
そのうち「知らない曲をもっと聴きたい」とまで言ってくださるようになった

「ウクレレ」と「フラ」は今や日本で大人気だ
マニアや専門家の領域が日本全国規模に広がり、米国本土でも同じような現象が起こっているようだ

これはYOUTUBEなどインターネットの普及によるところが大きい
参考用に弾いたウクレレ映像にアメリカからコメントが寄せられたり、世界中から「どんなもんだい?」映像が次々と発信される時代になった

経営者Nさんとに言わせれば「有線放送やCDから流れる音には限界がある」と
「やはり生で演奏する音を目の前で聴いて欲しい」という

ライブの魅力は、そこにセットされた機材やミュージシャンの歌や楽器から出てくる「生の音の世界」にある
既成概念を打ち破るような音楽であったり、思いがけぬ世界が展開するのもライブの魅力だ

音楽を通じて聴衆と送り手側とのコミュニケーションが行われる

先日の忘年ライブではハワイ音楽、ジャズ、和製フォーク、J-Popなど様々な音楽が流れた
そしてそれらが何の違和感もないところが面白い

カウンターに座っていらしたお二方が帰り際、私のベースにコメントを残していかれた
ああ、聴いていてくれたんだ、と嬉しかった


Nさんと話していて、このブログで綴っているようなことをお店で演奏しながら話してみようかと思いついた
十数人でいっぱいの小さなお店だからこそできるシリーズ物をやってみようかと

毎回ゲストを招いて四方山話をしながら演奏をしていく、お客さんには一杯やりながらお付き合いいただく
そう、夢の介音楽夜話ライブ版、さてどんな演し物にしようかしら





The Brothers Cazimero "Pua Lilia"

The Makaha Sons "Ke Alaula" (live) マカハ?サンズ

Keala Makaha Sons

一期一会

2015年12月25日 | 日記・エッセイ・コラム


世の中は忘年会そしてクリスマス、日本人の同胞意識と乗り遅れたくない症候群が師走の街を吹きすさぶ
サラリーマンは今年一年の自分にご褒美を、飲食業は書き入れ時のビジネスチャンスに時を忘れる

音楽をキーワードにして出会った人は多いが、時にまるで異なる世界の人たちともご一緒する
これもご縁、音楽は欲する人と提供する人がいて成立するのだが、世の中音楽好きばかりではない

日本人の異文化吸収力は、歴史的にかなりのものだと思う
新しいものに触れて迎合するのでなくそこに自らの環境を同化させてまた新しい世界を創り上げる

TVドラマ「下町ロケット」が共感を呼ぶのはそうした日本人のDNAに原因するところが大きい
長いものに巻かれろ、事なかれ主義と「何くそ!」という反骨精神とが戦う

敬愛するベテランミュージシャンが70歳を目前にして「死を意識するようになった」とおっしゃっていた
「だから今音楽をやるんだ」と言っているようにも聞こえた

先日近隣で交通事故があり、現場近くに花が供えてあった
生と死は常に隣り合わせであり「永遠」を保証するものはない

だから人は宗教に救いを求めたり、つながりを期待するが、これは音楽でも同じこと
件のミュージシャンが「音楽は人間関係だね」とため息をついたのも同じこと

何かを通じて出会いがあり、別れがある
期待したその人が期待通りだったり、そうでなかったり

小田和正さんの番組「クリスマスの約束」を見ていて「人との出会い」ということを感じた
息子ほどかけ離れた年齢のミュージシャンとのセッションは、望んだかもしれないが、これまた「出会い」だ

声質が非常に似ていて実にうまくハモる
一直線で生きて行くような生き方がひょっとすると若い頃の自分を見ているような錯覚を呼び起こしたのかもしれない

「一期一会」
人との出会いは計算してできることでもなく、神のお導きとでも言うべく何らかの力が働いて引きあわされるのだろう

そこに血縁関係や共通項があろうがなかろうが、磁力のように惹きあったり反発したりする
人間の輪廻みたいなものを感じる年齢になってきた





山本潤子 アカシアの雨がやむとき

山本潤子 - 卒業写真

山本潤子/スカイレストラン