夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

フォークにドラムスは

2016年06月29日 | 音楽


フォークにドラムスはいらないかもしれない
その昔ディランがエレキギターを持ったらピートシーガーが怒り狂ったというエピソードもあった

日本語でフォークを歌うきっかけは英語で歌われるモダンフォークをより身近に伝えるためだったのだろう
元来洋楽の邦訳から始まったのだと思う

その後日本の風土に合わせた日本語の歌詞とメロディによる楽曲、オリジナルが次々と発表された
各地に伝承されてきたフォークだったり、当時の日本の反体制、反戦歌だったり、とてつもなく個人的な思いだったり

マイナーで暗いイメージがつきまとう四畳半フォークみたいな楽曲がヒットした時代もあった
明治以降の日本における洋楽の歴史にはこうした「和」の影響が大きい

よく言えば日本流にカスタマイズされて独自の文化を築き上げた
が、一方で洋楽のセオリや味わいを度外視して日本流のセンチメンタリズムに突き進んだことも否めない

ひょっとするとジョルジュ・ムスタキのような語りかける世界とバンドサウンドで展開できる二つの道があるのか
そうであるなら日本人は語りかけられて反応する方が歴史的にも経験があるのかもしれない

以前ライブスポットで若い人が70年代に発表された日本語によるフォークを歌っていた
ご両親やそれ以上の世代の方が聴いてきた音楽を何のためらいもなく歌っていた

さて若い頃から愛聴してきたミュージシャンの映像を見ていたらベースもドラムスもいい仕事をしている
オリジナルであるからしてどう加工しようがご本人の勝手なのだが、中にはドラムスを入れることを拒否するファンの方もいるようだ

しかしオリジナルであるから「ノリ」はなくてもいいかというと、そうはゆかぬ
バンドサウンドに乗れるミュージシャンであって欲しいし楽曲であって欲しい

ベースもドラムスもシンプルなコード進行の繰り返しであったとしてもノリノリであって欲しい
好き嫌いはあるとしてノリノリで楽しそうに演奏する場面は何回見ても幸せな気持ちにさせてくれる

バックバンドのメンバーたちのにこやかな顔をご覧あれ


イメージの詩  by 吉田拓郎

黄昏に乾杯 / 吉田拓郎

永遠の嘘をついてくれ 吉田拓郎70歳 中島みゆき64歳  つま恋2006年9月23日土曜日秋分の日

吉田拓郎 M11 ♪今日までそして明日から @ つま恋 2006【HD】


欧州の憂鬱

2016年06月27日 | 日記・エッセイ・コラム


ビートルズの来日公演以来50年の歳月が過ぎたようだ
白黒のTV画面から流れる映像を見ていた私は確か中学生だった

その後進学した高校の軽音楽部のM先輩から「武道館へ見に行った」という話を聞いて驚いた
東北大へ進んだ彼が後輩のYくんから寺内タケシの「運命」の弾き方を教わっていたのを今でも鮮明に覚えている

ビートルズの出現はあの時代を生きた人間にとって天地が裂けるような衝撃があった
作詞作曲して演奏するだけでなく神がかり的な完成度を常に開発していた上に、彼ら4人が突出したパーソナリティで「イギリスのプライド」を発信していた

病める英国と言われた大英帝国が彼らに勲章を与えなければいけないほど経済効果、外貨獲得に貢献したらしい
いや経済的な貢献以上にリヴァプールという港町から出てきた若者が世界に向け「誇りを持ってイギリスを発信した」ことに注目した

先日、日立の高速鉄道車両製造プロジェクトが他国を差し置いて英国に採用されたニュースが流れた
1825年イギリスで実用化された蒸気機関鉄道は、1853年に日本に紹介され翌年にはペリーの献上品である蒸気機関車が横浜で走った

日立製作所の英国での製造拠点は鉄道の聖地に設定され現地での雇用を創出し日本から技術を移転、「英国への恩返し」とする心意気に感動した
1兆数千億のプロジェクトは英国から欧州諸国への展開を目論んだもので実現すれば本当に日本は英国への恩返しができるかもしれない

そこへ国民投票による英国の「EU離脱」の報道が流れた
科学技術も民主主義も始祖であるはずの英国から「多数決」という一見合理的でいて無責任な政治決着が行われがっかりした

「移民受け入れはけしからん」とする離脱派のリーダーが米国のトランプ氏との共通項を指摘される
純血主義や排斥を主張する「タカ派」は「そうだ、そうだ」を連呼したい大衆の支持を得やすい

しかし排斥とか覇権というエゴイズムを主張する国は、自ら「病める要素」を持っている
数々の名車を生んだ英国自動車メーカーは今や他国で製造されたり外国資本に支配されているではないか

英国は「離脱」するのではなくて「EUのリーダーとして機能する国」だと思うのだ
移民受け入れが嫌なら欧州全体で一定のルールを作ればいいのではないか

共産主義社会もあちこちほころびが出てきている一方で、資本主義、民主主義も整合がとれなくなってきている
「自分だけに都合の良い論理」は通用しないということだろうか



*The Beatles: Yes It is*

The Beatles - I'm Happy Just To Dance With You

タロイモの夏

2016年06月24日 | 日記・エッセイ・コラム


夏になるとなぜかトロピカル植物が並ぶ
ハワイアン・ミュージックは夏のもの、という日本特有のおかしな現象はホームセンターでも引用されているようだ

この季節、プルメリアやバナナ、などトロピカルをテーマにした植物が並ぶ
今年は、グリーンとパープルと2種類の「タロイモ」が並んでいたのに驚いた

起源はアジアから遠く南太平洋に渡った「里芋」のはずなのだが、何世紀かの時を経て「タロイモ」として里帰り、お店に並ぶことの不思議よ
やや鋭角的な葉の形が如何にもポリネシアを物語っているように見えて、しかしそのルーツは我がアジアなのだ

四季のある日本に住む私たちは幸せと思わなければいけない
極寒の地に住む人々に、半袖の腕をすり抜ける初夏の風を楽しむことをどうやって説明したらいいのだろう

一昨年、鉢植えのプルメリアを地植えしたら花が咲いた
種から育てたパパイヤにも花が咲きなんと小さな実が姿を見せてくれて晩秋まで楽しませてくれたこともあった

こうした植物がいい加減な主人の下で健気に育ってくれるのは嬉しい
秋に室内に取り込み、初夏には露地に戻すくらいの手間隙は仕方ない

今「ペピーノ」や「キワノ」といったフルーツの苗も出回っている
うまくやれば果実の成る様を見て楽しみ、あわよくば食することの期待に応えてくれる

植物を愛でることは心に安堵感を与えてくれる
音楽同様リラクゼーション効果は世界共通のことかもしれない

さて和洋、東西の組み合わせを考える
今年は、JAの方から頂いた稲の成長が楽しみだ



Hawaiian Grown TV - Wong's Taro Leaf Farm


To the heart of Tahiti - AMAZING DANCE !!! - Canon 5D

ホームメイド

2016年06月21日 | クラフト


日本ではピックギターという名称が一般的だったアーチトップ・ギター
ハワイアンバンドで当然のように使われていた時代が長かった

丸いサウンドホールではなくボディに「F」文字のようなスリットが空いていたので「F穴」ギターとも呼ばれた
生のギターに後付けのピックアップをセットして増幅したりしたものだ

作り方には、薄い板を重ねてプレスする方法と、削り出しする方法と大きく二通りあるようだ
映像はオランダの方、娘さんのために作ったという

スプルースの塊をドリルでざっくり穴空けして削り出していく
ヘッドのインレイには娘さんの名前のイニシャルを、、、

買った方が早いのだが、作る楽しみと喜んでもらえる幸せは買うことはできない
素人が木工をやれば、大体真っ直ぐに板が切れない、どこかで寸法が合わなくなったりする

完成度はさておいてもホームメイドの良さはわかる
作り続けるうちに自身のスタイルができていく

娘さんのためにここまでやるお父さんがいる

Building an Archtop Jazz Guitar 2012

グルーヴに包まれたなら

2016年06月16日 | 音楽


いい音場空間に恵まれたとき、ミュージシャンはいい仕事をする
空間は複合的な要素で出来上がっているからしてこれと限定できないが、一言で言うならグルーヴということになる

若い頃は楽器が揃っただけで感動した
次に楽曲が演奏できただけで満足する、そしてうまく演奏できたらさらに喜びが増す

余裕ができれば聴衆が満足してくれたかと気が回る、そして反応が感じられれば嬉しい
メンバーと共有できる喜びをさらに追い求めると、楽曲のチョイスから自身の夢みる音楽スタイルまで果てしない夢が広がる

ドラムスの占める役割は大きいが、ドラムスが目立つようではいけない
いやドラムスが目立つくらいベースやギターがリードし溶け込んでいるならそれでよし

パーカッションはドラムスを遥かに超えていなければならない
キーボードやボーカルにもグルーヴを織り成す責任がある

会場やロケーション、季節や温度、湿度、集う人の価値観、挙げればきりがない
そしてそうした要素が整った時、人は至福の音楽を体感することができる

言わずもがなPAやミキシング、とりわけモニターの良し悪しがミュージシャンのストレスに影響する
心地いいサウンドを創出してくれる信頼できる仲間とツアーできたら楽しい

大なり小なりこうした体験をしてしまうとバンドはやめられない
バンドはいいメンバーを集めること、いいミュージシャンに巡り会うことに尽きる



絢香 ♪やさしさに包まれたなら [松任谷由実] @ 日本武道館 2013【HD】

絢香 ♪歩いて帰ろう [斉藤和義] @ 日本武道館 2013【HD】

絢香 ♪真夏の果実 [サザン] @ 日本武道館 2013【HD】