夢見るババアの雑談室

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日明恩〈たちもり めぐみ〉著「濁り水」 〈双葉文庫〉

2024-03-17 09:34:55 | 本と雑誌

 

 

 

 

 

 

 

 

成りたくてなったわけではない

続けたくて続けているわけでもないーそんなふうにぼやきながら やるべきことは必要以上にしている大山雄大

職業は消防士

彼を主人公とするシリーズ

今回は 母親が車の下に・・・・・そして水がたまっている

早く助けてくれー

駆け付けた消防士が奮戦するも 車の下から出された母親は既に死んでおり・・・・・

それでも必死に救助にあたった隊員に遺族から投げつけられた言葉は・・・

「どうして もっと早く来てくれなかったの」

 

間に合わなければ・・・それが不可抗力のことであっても 助けようとしている人間だって傷つく

消防隊員だって 救急車の乗員だって「おたすけまん」でも「便利屋」でもないのだ

出来ることとできないことがある

 

まして この場合は・・・・・

 

大山は 台風の時に守った老人とこの死んだ母親の葬儀の日の家の前で再会

するとこの老人は謎の言葉を呟く「助けようはなかったよ」

この言葉の意味を探るべく老人を捜す大山

 

災害にあって 家の安全性を心配する人々をカモろうとリフォーム詐欺をする人間もいる

この住居改悪により火事が起きる危険性もおおいにある

大山はある事に気づき 頼れる友人や守さんの力もおおいに借りて 解決すべくのぞむのだ

 

泥棒して生きてきた老人の決意

それは 孤独な人生のなかで 「ある優しさ」に打たれ その人物の為に力になろうとすること

いいことをしておきたいーそんな気持ちもあったのかもしれない

「いいんだ これでいいんだ」

 

性格の違いから親を恨み憎み殺す娘もいる

人は相手次第で鬼にも菩薩にもなれる生き物

自分の苦しみばかりに目がいき 周囲が見えなくなることもあるだろう

不満ばかりで「感謝する」ことを忘れてはいないだろうか

誰かに「有難う」といえただろうか

心の中でもいいから

 

同じ著者の作品で「それでも警官は微笑う」「そして、警官は奔る」「やがて、警官は微睡る」「ゆえに警官は、見護る」ー武本と潮崎シリーズも

 

 

 

 

 

 

 

 

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